FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

確率から考える運 運がいいとはどういうことか

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運がいいとはどういうことでしょう。

 

人は若い時はなんでもできるという全能感を持っていますが、歳を重ねるごとに自分の限界を知るようになります。自分自身についても、これまでの仕事の成果を自分の能力のおかげだと思っていた時期がありましたが、次第にこれはとても運が良かったからだと考えるようになりました。

 

たまたま選んだ業界が想定以上に飛躍したとか、前任者が想定外の退職で自分に出番が来たとか、同年代にたまたま強力なライバルがいなかったとか、なぜか上司に気に入られて引っ張り上げてもらえたとか。努力をゼロとはいいませんが、運がほとんどだったと思います。

 

ではこの運というのは何なのでしょう。

 ギャンブル必勝法 

どんなギャンブルでも、勝つ可能性を高める方法があります。それは、一回だけ勝負して、二度とやらないという方法です。

 

ギャンブルは、基本的にゼロサムゲームであり、さらに胴元の取り分だけ期待値がマイナスになるゲームです。そして、期待値通りになるかは、大数の法則に従います。さまざまな可能性、確率があっても、それを繰り返し行うことで、次第に期待値に収斂していく。これが大数の法則です。

 

ギャンブルの期待値はマイナスなので、勝つ可能性を考えると、対数の法則が働く前に勝負をやめること。つまり1回だけ勝負して終わりにするのが最も有効になります。

 

ちょうど逆になるのが期待値がプラスの場合です。1回や2回では良いこともあれば悪いこともあり得ます。ところが試行をたくさん繰り返すと、対数の法則によって期待値に収斂していきます。これを応用したのが長期投資です。株式投資の期待値は6%程度のプラスですが、1年など短い期間で見るとマイナス20%もあり得ればプラス20%もあります。ところが、長期間に渡って投資を続けることで、期待値に収斂していくことが期待できるわけです。

 人生の必勝法 期待値は?

では人生においてはどうでしょうか?

 

まず人生の期待値がプラスなのかマイナスなのかの見極めです。これはまぁ元本である自分自身の価値を計算に入れなければ、基本的にプラスですね。金融資産を注ぎ込まない限り、働いてマイナスということはないからです。ということは、数多くのトライをすることが対数の法則的には有効になります。

 

数多くの打席に立って、たくさんのバットを振る。これが運を味方につける第1の方法です。

人生の必勝法 伽藍かバザールか 

次に考えなくてはいけないのは、自分のいる環境が「伽藍」なのか「バザール」なのかです。これは英国のプログラマ、エリック・レイモンドが提唱した概念です。もともと伽藍とはソフトウェア開発における伝統的なウォーターフォール型の開発を指します。バザールはLinuxで有名になったオープンソース型の開発です。これを作家の橘玲氏は伽藍は閉鎖空間、とバザールは開放空間と表現しました。

バザール空間でのデフォルトのゲームは、できるだけ目立って、たくさんのよい評判を獲得することだ。だからこれを、ポジティブゲームと呼ぼう。

それに対して閉鎖的な伽藍空間では、いったん押し付けられた悪評はずっと付いて回る。このゲームの典型が学校でのいじめで、いったん悪評の標的にされると甚大な損害を被るから、できるだけ目立たず、匿名性の鎧を身にまとって悪評を避けることが伽藍を生き延びる最適戦略になる。これが、ネガティブゲームだ。

残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法 (幻冬舎文庫)

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 ネガティブゲームである伽藍空間では、1つの失敗があとに大きな影響を及ぼすことがあります。ここでは、下手に多くの打席に立って三振したりすると、次の打席に立たせてもらえないといったデメリットが生じてしまいます。

 

一方でポジティブゲームであるバザール空間では、大失敗したらやり直しということが可能です。成功は大きなメリット、失敗したらやりなおせるという感じですね。コールオプションを持っているようなものです。

 

確率的には、伽藍空間は過去の試行が将来に影響し、バザール空間では各試行は独立しているともいえるでしょう。

 

となると、バザール空間ではたくさんのチャレンジを繰り返す。逆に伽藍空間では大きな失敗をしないようにリスクに敏感になる(その分リターンも小さくなる)作戦になります。

 

一般的に、ビジネスモデルが固まった大企業は伽藍空間になりがち。逆にベンチャー企業は試行錯誤とチャレンジが許されるバザール空間であることが多いです。

運を手にするために

運の良さとは確率を味方にすることです。成功した人の中には、自分の実力でそれを掴んだと思い込んでいる人もいるでしょう。でも、たとえ実力があったとしても運が悪ければ失敗は避けられません。

 

確率を味方にするとは、まずはバザール空間で行動することです。減点法の世界ではなく、加点法の世界に身を置きます。さらに、期待値がプラスかどうかをしっかり意識することです。そして、とにかくチャレンジを繰り返す。それによって、対数の法則から結果は期待値に収斂していきます。

 

さらに大成功を求めるなら、リスクは高いがリターンも高いものにチャレンジすることです。金融資産の運用の場合、高リスク高リターンの投資は元本を失って退場となる場合が多々あります。しかし、自分自身が元本である人生の場合、ハイリスクハイリターンでも元本を失うことはありません。しかもそれがバザール空間ならば、次のチャンスも出てきます。

 

ちょっと前なら、起業して失敗した社長は、次のチャンスがない場合が多かったですね。銀行などが融資してくれないからです。でも今は、失敗した社長にも次のチャンスが与えられることが増えています。インターネット関係の起業ではベンチャー資金が豊富になってきているからです。これも一つの方法だと思います。

 

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