FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

弊害も auカブコムもマネックスも信用手数料無料に

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信用取引について手数料無料化の大きな波がやってきました。2日に無料化を発表したauカブコム証券に続き、マネックス証券も(ETF、REITについて)全額キャッシュバックを発表。「3年以内」の株式取引手数料無料化を宣言したSBIに、先手をとった形です。

実質的に現物株取引の無料化

信用取引手数料が無料になると、実質的に現物株取引手数料の大幅な削減になります。例えば信用買いでポジションを取り、それを現引きすれば、信用金利負担分だけで現物株が手に入るからです。

 

信用金利は買いの場合だいたい年利で2.8%ですから、その1日分は0.00786%になります。10万円の株なら、コストは7.7円となる計算になります。現在、10万円を超えると100〜200円程度の現物取引手数料がかかりますから、10分の1以下になるわけです。

 

ただし、auカブコム証券ではこれを嫌ったか、無料が普通の現引/現渡について手数料を課すと発表しています(詳細は未発表)。

次は現物株の手数料無料化

おそらく、信用取引手数料無料には、SBIや楽天証券も追随してくるでしょう。そもそも日興証券は2011年から手数料無料ですし、DMM株では300万円を超えると無料です。楽天証券でも、比較的楽に取れる大口優遇になれば無料になります。それほど珍しくもなかったわけです。

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また現物株の手数料無料化は、スマートプラスが証券会社ストリームで実現済み。しかしだからといって多くのユーザーが大挙してストリームに移動しているわけでもなく、手数料がユーザーを引きつける最大のポイントではないことは分かっています。

 

それでも大手の間では、一方が無料なのにウチだけ有料という状況は望まないはず。今後は信用手数料の横並び無料化、そして現物株も無料化の流れでしょう。

無料になると別の弊害も

一方で、無料になった! と喜んでばかりもいられません。先日、SBI証券が取引の注文情報をHFT業者に渡すことで利益を得ている……ということで問題になりました。海外でも、手数上ゼロで業績を伸ばしたロビンフッドが、やはり情報をHFTに流すことを収益源としていることが指摘されています。

 

注文情報が売れる理由は、HFTがその情報を使って先回りして注文を出し、利ざやを稼ぐからです。いわゆる合法的なフロントランニングということです。

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手数料が無料化されたとき、証券会社が儲ける方法は3つあると言われています。1つは、信用取引での金利収入、2つ目は現物株を貸し出す貸株料。そして3つ目が、この情報の売買です。

 

手数料が無料になった代わりに情報が販売され、結果的に不利な価格で買うことになる。そんな未来がやってくるのは避けたいものです。