FIRE:投資でセミリタイアする九条日記

FIREを実現したサラリーマン。ETF投資を中心に、太陽光投資や不動産投資、オプション、VIX、FX、CFDまで使って資産運用をしています。

「投資家」ってモテない職業なの?

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最近、時とところによっては「個人投資家」と名乗ったりするのですが、どうにも投資家というのはウケが悪いようです。モテるかどうかというより、人として、いわゆる社会的地位が低いんですね。

資産1億円の投資家と年収500万円の大企業社員

さて、資産1億円の投資家と、年収500万円の大企業社員ならどっちのほうがモテそうですか? ネットで調べると、やっぱり年収500万円のほうが人気のようです。

 

理由は安定? 確かに毎年キャッシュフローが平均して400万円程度あるサラリーマンは魅力的ですね。でも資産1億円あれば、年間配当400万円というのもまぁ妥当な線です。

ギャンブラーと見られている?

投資家の地位が低い理由の1つは、ギャンブラーだと思われているからかもしれません。たとえ1億円の資産があっても、取引に失敗して一瞬でゼロになってしまうかもしれません。これは確かに不安です。

 

まだまだ日本だと、投資家の投資手法は、

  • 株の短期売買
  • FXのトレード

などだと思われているのが理由なのでしょう。

組織に属していないから?

もう一つは組織に属していないことが挙げられます。ぼくのようにセミリタイアすると、組織に縛られるよりも自由に生きたいという価値観なわけですが、一般的には組織の中のマネージャーというのは、年収などとは違う社会的地位があります。

 

ヒトは集団生活を営む生き物なので、組織を作ってそれを率いるリーダーは無条件で尊敬され、憧れの対象となる習性があります。年収がどうとか、年商がいくらとかよりも、何人の社員を持つ会社の社長というのは、すごく分かりやすい地位なわけです。

 

だから法人を持っていても、資産管理法人のようなペーパーカンパニーだったり、従業員ゼロのプロジェクト型組織だとダメなんですね。「多くの人の上に立つ」というのがステータスになります。

事業家ならちょっと変わる

そのため、投資家ではなく事業家に対しては、見る目が変わるのかもしれません。それが不動産事業であれ、太陽光発電事業であれ、投資家ではなく事業家だと、社会的地位の一段ランクがあがる感じです。

 

そういえば、銀行融資の際にも、「不動産投資、太陽光投資と言ったらダメ! 不動産事業、太陽光発電事業といいましょう」と、いろんなところに書いてありました。これだけで、審査する銀行員の心象が本当に変わるのか不思議なのですが、そういうものなのでしょう。少なくとも、日本人の価値観を表していると思います。

事業家から投資家に変わったソフトバンク

そういえば、最近ソフトバンクの孫正義社長は、自身を事業家ではなく投資家だと位置づけたようです。すでに2017年時点で、次のような記事が出ています。

この発言に見られるように、孫氏の実像は投資家であって、もはや実業家ではない。

「孫さんはウォーレン・バフェットを超える世界一の投資家になる。間違いない」

 みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長は7月28日、東京都内で開かれた催しで孫氏をこのように絶賛した。バフェット氏は「投資の神様」として名高い米投資家だ。メガバンク首脳のお墨付きを得た孫氏は投資家街道をまっしぐらに進む。

“孫商法”は曲がり角を曲がってしまった。

孫正義氏は投資家に変貌したのか:ソフトバンク、削減計画が破綻 | ビジネスジャーナル

この「曲がり角を曲がってしまった」という言葉に、事業家なら尊敬するけど、 投資家は胡散臭いという、日本の一般的カルチャーがにじみ出ています。

 

さらに2020年2月の会見では、こんなやり取りも。著者も「負け惜しみ」と認めていますが、やはり投資家よりも事業家のほうが上という意識があります。

 「では、これからは孫さんのことを事業家ではなく投資家と呼んでいいですか」

 孫社長は少し考えてからこう言った。

 「私は『情報革命家』だが、それでは分かりにくいというのなら、投資家でいいのかもしれない。そうだ。先だって台湾に行った時、台湾の新聞がこんな風に書いていた。『日本の冒険投資家がやってきた』と。私はウォーレンのような『賢い投資家』ではなく『冒険投資家』だ」

 キャッチフレーズを作らせたら、この人にはかなわない。

利益は気にしない?「冒険投資家」孫正義の怪気炎 「大赤字」から「潮目変わった」。四半期決算で見せた自信(1/3) | JBpress(Japan Business Press)

 実業と虚業という区分け

さらには、実業と虚業という区分けもありますね。虚業の定義は、

  1. 詐欺
  2. モノを作らない
  3. 新しすぎるビジネスモデル
  4. 社会に貢献しないように見える

といったものがあるようです。

diamond.jp

「モノづくり」企業が大好きで、金融とか広告とかゲームとかは虚業だとか言われたりもします。詐欺は論外だとしても、投資家は、「モノ」はつくらず、「社会に貢献」していないように見えるわけで、楽して大儲けしているようなイメージなのでしょう*1

 

金融でも、消費者金融や証券マンが胡散臭く見られ、銀行が堅実で社会的地位が高いのはよく分からないところではありますが、おそらくウルトラ規制産業で半分国の一部くらいに思われているからだと想像します。

 

でも、金融は経済の血液とかいわれるように、証券や融資によって経済が滑らかに動き流動性が増し、必要な人に必要なお金が回るようになります。多少の批判はあっても、HFTやデイトレーダーだって、その活動によって流動性を高めているということに異論はないでしょう。

www.kuzyofire.com

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デジタル・ネイティブのF.I.R.Eブームで潮目は変わるか

それでも、もしかしたら潮目は変わってきているのかもしれません。このところ、投資手法でも、トレーダーではなくインデックス投資家という存在が認知されてきました。

 

F.I.R.E.ブームは、組織で出世して仕事を続けるのではなく、金融商品からのリターンで、一人で暮らしていこうというライフスタイルを肯定しているものだと思います。これをポジティブに評価される社会になれば、投資家の地位も上がってくるでしょう。

 

世間の見方が変わるには一世代くらいの時間がかかるでしょうが、いまのデジタル・ネイティブ*2が社会のリーダー層になる頃には、潮目は完全に変わっていると思います。

*1:だから不動産とか太陽光パネルとかモノを持っていると、実業区分に近づいて社会的に地位が上がるのでしょう

*2:76年生まれのネット世代、86年生まれの携帯世代、96年生まれのクラウド世代の3世代があると言われているようです。76世代が定年になるのが、だいたい15年後ですね。