FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

外貨MMFの活用法 楽天証券は(GS)以外でも株式買付に使える?

楽天証券では、米国株を購入する際に、円決済、外貨決済のほか、米ドル建てMMFも利用できます。ところが、ここには「米ドル建てMMF(GS)含む」という記載です。GS=ゴールドマン・サックス以外のMMFは利用できるのでしょうか?

 

米ドルは寝かせずMMFに置く

楽天証券で米ドルを持つなら、MMFに置くのが鉄則です。まず円に戻すのはオススメできません。購入、売却にそれぞれなんと25銭もの手数料(スプレッド)がかかるからです。1ドル109円だとすると、往復で0.45%ものコストがかかる計算になります。

 

ちなみにFXであれば、ドル円のコストは0.3銭あたりが一般的。15倍ものコストです。もし、「今は円高だから買っておこう」「今は円安なので円に戻しておこう」と為替動向を見据えてドルを売買するなら、ドルはそのままに、FXでポジションを取ったほうがお得です*1

 

ただしドルをドルのまま置いておくのは、あまりメリットがありません。楽天証券の場合、ドル建てMMFから直接米国株などが買い付けられるからです。

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 しかも、現在金利が混乱している状況ですが、年率で0.86%の利回りを得ることができます。寝かせておくとしても、MMFにしておけば日本円よりはましです*2

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GS MMFと日興MMFの違い 

さてここで気になるのは、同じMMFなのにGS MMFは利回り0.007%、日興MMFは0.86%です。どうしてこんなに利回りが違うのでしょうか? 確実な理由は分からないのですが、投資している商品が違うことは分かりました。

 

まずMMFとは何なのかですが、マネー・マーケット・ファンドの略で、税制的には公社債投資信託にあたります。ローリスク・ローリターンと言われ、安全性は高いですが、まれに元本割れもあると言われます。ここまではよくある解説ですね。

 

ではどこに投資しているのでしょうか。まずGS MMFです。こちらは「買戻条件付取引」を組み入れたMMFです。これはいわゆるレポ取引のことです。

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「買戻条件付取引」レポ取引ってなんだ?

このレポ取引というのが、ものすごく簡易で何を書いているのか分からない説明か、ものすごく複雑なプロ向けの説明しかなくて困ったのですが、ぼくなりに理解したものをまとめると、こうなります。

 

まずレポとは、債券を担保にお金を借りてくることです。資金調達のためにも使いますし、レバレッジをかけるときも債券を担保にお金を借りて、そのお金で債券を買って、その債券を担保に……とすることで、レバレッジが掛けられます。

 

さて、MMFの場合はどうでしょう。まず企業の短期社債があります。いわゆるコマーシャルペーパー(CP)です。これを借り受けます。借り受けと書きましたが、実際は買い戻し条件付きの売買ですので、いったん購入します。

 

その後、相手に債券を返却(買い戻し)してもらいます。このとき、借りた債券の対価として品貸料を払います。そして、現金については金利分を受け取ります。

 

これで、金利から品貸料を引いた分がリターンになるわけです。一般にレポレートというようです。GS MMFの場合、このレポ(この場合はリバース・レポか?)がほとんどを占めています。

日興MMFのポートフォリオはCP

一方で、日興MMFのポートフォリオはコマーシャル・ペーパー(CP)です。これが利回りの違いか? とも思ったのですが、これもCPを直接買い付けているのか、それともレポ取引で借り受けて金利分を得ているのか、目論見書だけでは判別しません。

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 ともあれ、日興MMFとGS MMFではなぜか利回りが大きく違う状況だということです。

(GS)以外でも株式買付に使える?

さて、楽天証券では外貨MMFから直接米国株を購入できるのがメリットだと書きました。ほぼドルそのものとして使えるわけです。ところが、GS MMFと日興MMFでこれだけ利回りが違うと、日興MMFのほうを使いたくなりますね。

 

そして、米国株を購入しようとしたところ、なんと日興MMFからは購入ができませんでした! 直接米国株買付に使えるのは(GS) MMFだけのようです。こちらサポートに確認してみたところ、

GS米ドル建てMMFにて米国株式を買付される場合は、直接、米国株式の
買付代金に充当することが可能です。

しかしながら、日興USドルMMFから、米国株式の直接買付はできかねます。
何卒ご了承ください。

このため、日興USドルMMFのご資金にて米国株式を買付なさる場合は、
日興USドルMMFの解約注文を外貨決済で発注いただきますと、即時に
米国株式の購買余力に反映いたします。

ということでした。通常は解約注文を出しても入金に2日くらいかかるのですが、日興MMFの解約注文は、即時に余力に反映なんですね。際どい指値で購入する場合以外は、これでもいいような気もします。

 

プチ技でした。

www.kuzyofire.com

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*1:もちろん、円資金が必要などの場合は別です。そんなときは今の為替水準がどれくらいかは関係なくドルを売ることになるでしょう。

*2:日米は金利差があるわけで、ドルのほうが利回りが高いのは当然。理論的にはその分為替が変動して、つまり円高になって金利差を吸収するとされていますが、数年でそれが分かるほど為替は動いていません。