今回はけっこう衝撃的なミスの話です。企業からの配当金は、通常証券口座へ入金されるのですが、子供の証券口座で登録をミスっており、郵送で配当金が送られてきていたようです。約1年ほど、それに気づかず、届いた書類を見事に捨てまくっていました。その顛末を。
- 配当金の受け取り方法
- 配当金受け取り方法の設定は「ほふり」の名義ごと
- まずは証券会社に電話
- 信託銀行に連絡
- どの信託銀行が名義管理をしているのか
- 2つ目の信託銀行
- 確定申告に向けて配当額の計算が厄介だぞ
配当金の受け取り方法
配当金の受け取り方は、実は4種類あります。
- 配当金領収書方式 →郵送
- 株式数比例配分方式 →証券口座へ
- 登録配当金受領口座方式→銀行口座へ
- 個別銘柄指定方式 →銀行口座へ
記憶にある限り、多くの証券会社では口座を作るときにこのどれを選択するかを指定します。ところが今回、なぜか「(1)配当金領収書方式」になっていました。ちなみに証券会社は松井証券。設定を見ると「設定なし」となっていて、すると自動的に(1)になるようです。
配当金受け取り方法の設定は「ほふり」の名義ごと
実は配当金の受け取り方法は、証券会社ごとに決めるわけではありません。証券会社で買った株式は、証券会社に預けるのではなく、証券保管振替機構、通称ほふりに保管されます。どの証券会社で株を買っても、ほふり内に株式はあって、ほふりのDBに「この株式は◯◯証券の扱い」と記録されている感じです。
そして、配当金の受け取り設定は、ほふりに対して行うため、どこかの証券会社で(2)とか(3)と設定すると、ほかの証券会社の設定も上書きされます。
たまにスマホ証券の口座を開いて、そのときに配当金受け取りを(3)に設定してしまったら、楽天証券やSBI証券で持っている株の配当もそっちになってしまった!という事故の話を聞きますが、これが理由です。
ちなみにNISA口座で非課税の恩恵を受けるには、(2)の比例配分方式でなければいけません。そのため、通常はこれ以外を選ぶことはないのです。本当に今回はイレギュラーケースでした。
まずは証券会社に電話
今回は確定申告の準備をしていて、あれ? 配当額がゼロになってる? ということに気づいたのが発端です。ゼロってことはないし、おかしいな?と思って、もしやと思い配当金受け取り方法をチェックしたら「指定なし」になっていました。いやはや、デフォルトを(1)にするのは勘弁してほしいものではあります。
仕方がないので、藁をも掴む気持ちで松井証券に電話。「配当金の書類を全部捨てちゃったんですけど……」
分かったことは、
- 配当金は、ほふりのデータをもとに、信託銀行が手続きしている。信託銀行に連絡して送り直してもらうよう、依頼して欲しい
とうこと。ところが、銘柄によって取り扱う信託銀行はそれぞれ異なっているのです。
「銘柄を教えていただければ、信託銀行を調べます」
「すみません、50銘柄くらいあるんですけど……」
「全部捨てちゃったんですか?」
「はい。全部捨てちゃいました」
「……」
「申し訳ありませんが、信託銀行の電話番号を全部教えるので、信託銀行に聞いてもらえますか。名前と住所などの個人情報を言えば、調べてくれると思います」
「分かりました……」
信託銀行に連絡
ということで、信託銀行に連絡です。
「九条といいますが、配当金の書類を捨ててしまったので、再発行いただきたいのですが」
「銘柄名を教えてもらえますか?」
「名前と住所などで、まとめて調べてもらうことはできませんか?」
「すみません。銘柄ごとの管理になります」
「……では申し上げます。ヤマダ電機」
「当方の管理ではありません」
「スタジオアリス……」
「当方の管理ではありません」
「丸善」
「当方の管理です!」
「高速」
「当方の管理ではありません」
…………
この信託銀行については、全部お伝えしたのち、期限がかなり前の配当については「配当金送金依頼書」という書類を送るので、そこに印鑑と振込先口座を書いてお繰り返して欲しいと言われました。直近の配当については、まだ有効期限が残っているので、振り込みはそれが切れてからになるということでした。
少なくとも、配当金をもらい損ねるということはないようで良かったのですが、同じことをほかの信託銀行でも繰り返すのは、ちょっと馬鹿らしいですね。
どの信託銀行が名義管理をしているのか
銘柄ごとに名義を管理する信託銀行は決まっています。じゃあ簡単に調べられるだろう……と思ったのですが、なんとヤフーファイナンスには名義管理信託銀行の記載がありません。なら日経会社情報なら!と思ったのですが、こちらにもありません。四季報オンラインは?と思うも、こちらも無料で見られる中にはなし。
結局、どこかの証券会社にログインして「四季報」の項目を開くと、こんな感じに名義管理信託銀行が掲載されています。まぁ普通は気にすることもない、マイナー情報ということなんでしょうね。
ちなみに、日本の証券の名義を管理している信託銀行というのは4つしかないようです。三菱UFJ信託、三井住友信託、みずほ信託、そして日本証券代行です。
そして、みずほ信託と日本証券代行のページを見たところ、自社で扱っている銘柄の一覧は掲載されていました。三菱と三井住友は面倒なので見ていません。というか、この銘柄を取り扱っている信託銀行は?という形で調べたいんですよね。。。
2つ目の信託銀行
どの銘柄がどの信託銀行の扱いなのか、楽天証券で調べた後に、2つ目の信託銀行、3つ目の信託銀行にも連絡したところ、同じ流れでスムーズに話が進みました。いずれも、振り込み用紙を送ってくれるそうです。
領収書方式の配当金は期限が約1カ月で、その間に郵便局にもっていけば現金で受け取ることができます。ただし、この期限を過ぎたからといって権利が失効するわけではなく、通常は3年間は受け取りが可能なようです。また企業によっては「5年」をうたっているところもあり、書類を捨ててしまったからといって諦める必要はないようです。
ただし、「この配当金を受け取っていませんよ」 と信託銀行から連絡が来るようなことはないようです。唯一、転居などで配当金領収書が入った郵便が届かなかった場合は再度連絡がくるようですが、そうでなければ放置という感じのようです。
まぁ、普通は比例配分方式にしているでしょうから、受け取っていなかったら連絡してくれ!というのはちょっと期待しすぎですね。
確定申告に向けて配当額の計算が厄介だぞ
さて、これで無事に配当金を振り込んでもらったら終わりかといえば、実はそうではありません。確定申告があるからです。
配当金は20.315%の税金が源泉徴収された形で受け取ることになります。しかし、今回は確定申告を行い、株式売却損との損益通算、総合課税選択による配当控除、基礎控除などを使うことでの分離課税の課税所得の控除が見込めると考えているからです。
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このあと、受け取った配当金の額を集計する作業があると考えるとちょっとウンザリしますが、これも配当金受け取り方法を正しく設定しておかなかったミスが原因。頑張って取り組みたいと思います。