FIer: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIerを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

毎月のCFは10万円超 オプションから不動産まで手がけるとみますさん:個人投資家ファイル

自分が取材を受けている中で、ぼくもほかの人を取材してみようかな?と思い立ってはじめてみたのが、この企画「個人投資家ファイル」。パイロット版となる第1回は、ブロガーのとみますさん(@20tomimasu)です。

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20代会社員からの身銭を切った投資ブログ

とみますさんの投資遍歴と目標

現在32歳のとみますさんが投資を始めたのは大学生のころ。ちょうどリーマンショック直後の頃だったといいます。この年にして10年以上の投資歴をお持ちなんですね。「アルバイトで稼いだ50万円を元手に、ソニー株などを買いました」と言います。

 

しかし、その後株価下落を機に持ち株は売却。今考えれば、損失額はかわいい数字だといいますが、その後は国内株はほとんどやっていません。株式はつみたてNISAなどでのインデックス投資に限り、幅広い投資手法へのチャレンジを続けてきました。

 

目標は「月利2%、年間で24%のリターン」。そのために「毎月入ってくるインカムゲインが好きで、そのために投資のスキルを磨いてきた」そうです。インカムゲインが好きな人は、債券系やクラウドファンディング、または高配当銘柄などに行く人が多い印象だったのですが、短期のポジションを1カ月単位で回すことで、月利2%にあたるCF(キャッシュフロー)を得るという発想は、目からウロコでした。

 

経済的自立が投資の目標で、例えば770万円の資産から月利2.4%のCFを得られれば17万円。これだけあれば独身ならそれだけで生活していけるというプランです。実際ブログで毎月のCFを公開されていますが、ここ1年では安定的に10万から20万円を獲得し続けています。

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【21年04月】32歳サラリーマンの収益まとめ | 20代会社員からの身銭を切った投資ブログ

不動産とオプション

毎月継続的なCFを得るにあたり、とみますさんが試行錯誤の上にたどり着いたのは、ブログと不動産、そして日経225オプション取引でした。不動産は、もともと区分マンションを2部屋保有していましたが、表面利回りは4〜5%程度。「区分では目標とする月間2.3%の利回りは達成できない」(とみますさん)ということで売却し、自宅近くに木造築古アパート一棟を購入します。

 

築32年の一棟8戸アパートは、購入当初空室だった3室をリフォームし、現在は満室。表面でなんと17%の利回りを稼ぐようになりました。現在のCFの柱の1つが、こちらです。

 

そしてもう1つが日経225オプション。「副業の一つとして調べていて関心を持ち、5年前に松井証券でオプション口座を開いてみました。しっかり始めたのは3年前からで、去年から勝てるようになってきました」といいます。オプションは勝ったり負けたりはありますが、「月利2.3%の目標は達成」できているとということで、得られた投資スキルの1つになっています。

日経225オプション実践をさわりだけ

実は今回の取材で楽しみにしていたのが、日経225オプションの話を聞くことでした。そこそこ以前から僕もオプション取引はやっているのですが、対象は銀か為替、そして手法はCSP(キャッシュ・セキュアード・プット売り)とCCR(カバードコール)だけ。

 

でも国内でちゃんとオプション取引をしようと思ったら、やはり王道は日経225で、合成ポジションを使うことです。でも、最初の一歩がどうしても踏み出せなかったんですね。とみますさんは、試行錯誤しながら継続的なリターンを出せるようになったといいます。

 

オプションには、損失限定で利益は青天井の「買い」と、利益は限定で損失は青天井の「売り」がありますが、安定的なCFを目指すとみますさんが選択したのは「売り」のほう。オプションを売ることで最初にキャッシュが得られ、あとは日経平均がターゲット価格を超えなければ、それがそのまま利益になるという手法です。

 

ただし、売りの難点は想定とは逆に日経平均が動くとどこまでも損失が膨らむこと。そのため、「買い」のポジションと組み合わせて、ヘッジするのが基本となります。初心者におすすめなのが、「バーティカルスプレッド」というポジションだととみますさんはいいます。

バーティカルスプレッド

これはバーティカル・ブル(日経平均上昇に賭ける)ですが、下図のように、OTMの近い方を売り、一方でもっと遠いほうを買う合成ポジションです。この例でいうと、日経平均が2万7500円を割らなければ利益。それ以上に下がると損失が発生しますが、買いのオプションがあるために、2万7375円よりも下は損失が変わらない形になります。

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青線が最終日の損益曲線ですが、ラインが垂直なのでバーティカルと呼ばれます。白い千が現時点での損益曲線。上記のサンプルは6月限のものになりますが、ほぼ1カ月の期間が残っているため、まだなだらかです。これがSQが近づくにつれて青線に向かっていくわけです。

 

5月頭のように日経平均がレンジ相場のとき、「これ以上にはいかないだろう」という価格を決めて、コールをショート(売る)形でポジションを考えるといいます。例えばこんな感じですね。2万8000円のコールをショートして、2万8125円のコールをロングします。

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損失が出始めるのは2万8060円より上昇したときです。そして、2万8125円以上に上昇しても、損失は拡大しません。ちなみに、現時点の損益である白線は、日経平均2万7550円でマイナス状態にあることが分かります。この白線は、SQに向けて青線に近づくわけですが、これはつまりオプションの時間的価値が次第に剥がれ落ちていく(タイムディケイ)ことを表しています。時間的価値を利益として取るポジションですね。

レシオスプレッド

バーティカルスプレッドは堅いやりかたですが、株価の上がり下がりに賭ける戦略の中ではあまり利益が大きいものではありません。「思った方向に動きそうだな、というときはレシオスプレッドのほうが有利じゃないですか」ととみますさんは言います。当初はバーティカルスプレッドを試していましたが、最近はレシオスプレッドを使う頻度が多いと言います。

 

レシオスプレッドは、バーティカルブルスプレッドの構造はそのまま、ショート(売り)側の枚数を増やしたポジションです。ショートが増えるので、逆に動いたときの損失は大きくなりますが、得られる利益も増加します。

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2万8375円に向かって最終日損益(青線)の傾きが上がり、利益が増加、そこを過ぎると急速に利益が減少するのが分かります。基本的にショートポジションですが、ロングを組み合わせることで少し形状が変わります。「強気相場のとき、あわよくば、最大利益を狙うという意味あって、レシオを好んでいます」ということです。

 

とみますさんは、『カプランのオプション取引売買戦略』をもとに、独学でこうしたポジションの考え方を身につけたとそうです。 

カプランのオプション売買戦略

カプランのオプション売買戦略

 

オプションのタイミング

一方で、どの行使価格のオプションを取引するかはテクニカル分析を使います。投資家仲間から学んだ技術を使って、「アウトのアウトのサポートラインを見て、そこに置きます」(とみますさん)

 

現在、月間2〜3回程度、こうした合成ポジションを建てて、平均10日ほどでクローズしています。特にSQまでの期間は気にせず、チャートのほうを重視してエントリーポイントを決めるそうです。建てたポジションはSQまで持ち続ける場合もあれば、途中で決済することもあるといいます。

 

損切りのラインは、チャートを見ながら随時判断するスタイル。事前に指値を入れておく方法だと、片方だけ決済されたりしてうまくいかない場合が多いそうです。日中は仕事があるため、チャートを見るのは朝晩と昼休みだけ。それでもうまくこうしたポジションをまわしています。

幅広い投資への関心

お話しして感じたのは、オプションやVIXなどのデリバティブから、仮想通貨、そして不動産まで、本当に幅広くさまざまな投資手法を試されていること。ぼく自身も、似たようにさまざまな投資に関心を持っていることもあり、すごく共感しました。

 

また「月間CFをKPIにしている」のはたいへん興味深いですね。あえて長期のキャピタルゲインを取りにくい投資ではなく、毎月定期的に収益を得られるよう、不動産のような仕組みと、日経225オプションのような短期トレードを同列に置いて、取り組まれています。

 

月利2.3%というと、年率でAPYなら30%にも相当するわけですが、実際にそれに近いリターンを出しているのはさすがです。オプションの売りは基本的に勝率が非常に高く、8割とか9割に達するのですが、その代わり負けたときの損失がたいへん大きくなります。いわゆるコツコツドカンです。とみますさんもそれは認識していて、うまくコントロールされているようです。

 

今回の取材は、日経225オプションというぼくにとってもなじみのない投資についてでしたので、たいへん新鮮でした! とみますさん、ありがとうございました。

 

九条日記で、取材してお話をお伺いさせていただく個人投資家の方を募集しています。

特別な投資テクニックを使っていなくても、たくさんの資産を持っている方でなくてもかまいません。マネーについて、こんなふうに考えてます!ということを伺えれば。取材といっていますが、半分くらいは楽しくマネーに関するお話ができればと思っています。

1時間程度、Zoom/電話/対面その他の方法でお話をお聞かせください。

取材に関心があるよ!という方は、ぜひ下記のURLからフォームにご入力ください。拝見して、こちらからオファーさせていただきます。

取材オファー

 

 

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