FIer: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIerを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

郵政の3次PO、初心者実践記

日本郵政がPOを実施しました。政府が保有する株式の第3次売り出しです。POには、増資して新たな株を売り出すパターンと、大口保有者が売却するパターンがありますが、今回は後者。売り出し価格は、その当時の株価よりもディスカウントされるので、差額が利益になる感じです。

 

実はPOへの本格参戦は今回が初めて。というわけで、どのような顛末だったのかを記しておきます。

まずはブックビルディング(BB)に申し込む

IPOと同じくPOも、ほしい人はまずブックビルディング(BB)に申し込む必要があります。その後、抽選を経て購入、そして受け渡しが行われると市場で売却できるという流れです。

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このPOのBB参加は、証券会社ごとに定められた締め切りの前に申し込む必要があります。今回が特別なのか、いつもそうなのかは分かりませんが、けっこう証券会社によって日程はバラバラでした。

  • ブックビルディング 10/12 00:00~10/27 11:00(最短で10/25 11:00締め切り)
  • 抽選日 10/25~10/27のいずれか
  • 抽選日=価格決定日
  • 売却可能 10/29
  • 株券交付 11/2

こんなスケジュールです。今回は抽選日がいつになるのか直前まで分からない形。この抽選日の引け値からディスカウントして、POの割り当て価格が決まります。

 

さて、このPOの申し込み、「株数」「価格」を入れて申し込む必要がありますが、何を入れればいいのでしょうか? まず株数は当然ほしい株数を入れるわけですが、証券会社によって上限が決まっていたりもします。そして、抽選の結果、ゼロ〜記入株数の間の株数が割り当てられる仕組みです。

 

価格は、このような仕組みだそうです。今回はBB結果の投資家需要にもとづいて2%と決まりましたが、「4%」とか入力していると抽選以前に付与がない場合があるということですね。

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公募・売出(PO)に募集・売出価格より低いディスカウント率で申告した場合、必ず買えますか? | マネックス証券

今回申し込んだのは、下記の証券会社で、その後は株数です。

  • 楽天 7000株
  • 野村 200株(固定)
  • SBI 1000株
  • 松井 1000株

いつどのタイミングで資金が必要になるのかは、証券会社ごとに異なっていて、けっこう複雑なので、あとでしっかりと調べておこうと思います。

楽天証券 7000株申し込み

まずは楽天証券です。

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  • 10/26 14:00 購入申込期限
  • 抽選 10/26
  • 売買開始 10/29

抽選後、割り当てられたのは1300株でした。そして拘束されていた資金のうち、外れた分は拘束が解かれて戻ってきました。

野村200株

野村證券は、最後のタイミングまで資金拘束はないようですね。そして申し込み可能株数は200株。一応、申し込んでおきます。

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  • 10/26 15:00 購入申込期限
  • 売買開始 10/29
  • 申し込み完了

結局、こちらは外れてしまいました。

松井証券1000株

松井証券では100株を申し込みました。資金が必要になるのは「10/27の15:30時点」ということだったので、楽天証券で外れて余った資金をすぐに松井証券に回しました。

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  • 10/27 15:00 申し込み期限
  • 10/27 15:30時点で余力が必要

こちらはなんと1000株が当選。当たり外れはけっこう証券会社によって違います。

 

さらに、なんと追加抽選もありました。27日の15:00までに購入申込をすると追加で当たるということなので、計1000株申し込み。ただし、こちらはさすがに多くの人が申し込んだようで、当選したのは100株でした。

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当選は2400株

結局、当選したのは2400株です。もっとガンガン当選するかと身構えていたのですが、意外に当たらないものなんですね。

  • 楽天 7000 →1300株
  • 野村 200 落選
  • SBI 1000 落選
  • 日興 まだ
  • 松井 1000 →1000株
  •  お代わり  +100株
  • 合計 2400株

割り当て価格は、抽選が行われた25日の引け値である837.4円の2%引き。820.6円に決まりました。POが発表されたのは10月6日ですので、そこから抽選日に向けて急速に下落した形です。

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受け取った郵政株を売り出し可能な29日の寄付で処分した場合、株価は870円。ぼくはなんと、売るのを忘れて、翌週まで持ち越しになってしまいました。で、11月1日の寄付で売ったわけですが、結果的には875.8円で売却でき、結果オーライとなりました。

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820.6円の割り当てで875.8円で売却でしたので、55.2円差。100株あたり5520円で、2400なので13万2480円の利益となりました。

 

POは割り当て時に手数料はかからず、売却時も100万円以下なら無料(松井証券と楽天証券)なので、コストがかかっていません。ここだけ見れば、まぁまぁ美味しい投資でした。

ヘッジで大失敗

問題はこれのヘッジです。POはディスカウント分だけ儲かる投資ですが、割り当て後に、株価がそれを下回ってしまうリスクがあります。これを避けるのが空売りによるヘッジです。ただし、これは平成23年(2011年)の政令で禁止されました。

今回の改正により、何人も、増資公表後、新株等の発行価格決定までの間に空売りを行った場合には、当該増資に応じて取得した新株等により空売りに係る借入れポジションの解消を行ってはならず、これに違反した場合には処罰されることとなりました。

といっても、これは証券会社側に求める規制で、POを申し込みかつそのPO銘柄を空売りするのはダメよ、という話で、実際、そうした注文はできないようになっています。

 

ただし、価格が決定したあとの空売りは禁止されていません。つまり、25日の注文後の空売りはOKというわけです。実は、抽選後の意思表示期間の間は、証券会社が値下がりしないように買い支えるという慣習があるそうです。安定操作期間ともいいます。

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また、払い込み期日の大引けには、インデックス投信の買いのタイミングでもあります。そのため、この間は価格が高止まりしやすく、そしてPO割り当て株が売却可能になると、急落するという形になりやすいというわけです。

 

実際、株価の推移をみても、25日のPO価格決定から値上がりし、27日は890円まで上昇しました。そこから売却可能な29日朝には860円まで下落するという値動きです。

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問題は、ここからです。なんと、PO価格決定直後に、「ヘッジ!」とか考えて、860円で空売りを入れてしまったのです。しかも、その数8200株。「どうせ全部当たるだろう」みたいに考えてしまったんですね……。なんてこった。

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その後の価格上昇で、空売りはひたすら含み損に。しかも当たったのは2400株なのに対して、空売りは8200株。証拠金もたくさん必要だし、貸株料もかさみます。これはえらいことだ……と頭を抱えました。

 

結局、11月1日指値を入れておいたところ、幸いにして下落してくれたおかげで、860〜862円で買い戻し。一応、空売り側では1289円のプラスと相成りました。

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教訓

ほぼ初めてのPO参戦となりましたが、いくつか教訓があります。まず、POを取りたければ、各社の資金拘束がどうなっているのかをしっかり考えて、適切にBBに臨むこと。そして、価格決定後の株価の推移を見て、ヘッジするならするということです。

 

今回は幸いにして、売り忘れたことも後から値上がりによってラッキーでしたし、その後株価が下落してくれたことでヘッジポジションも大損害にはなりませんでした。しかし、低リスク投資だと思っていても、思わぬ損害を被るリスクがあるわけです。

 

こんな、その後の株価動向に一喜一憂するようなトレードがしたかったわけではありません。調査とシミュレーション、そしてシナリオ作りが大切だと実感したトライでした。いやはや株式投資は難しい。

 

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