FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

ドル円135円突破 ヘッジ大失敗の顛末

今日はドル円がついに135円を突破しました。13日夕方時点では少し落ち着いて134.5円といったところですが、実に20年4カ月ぶりの円安。すごいことになっています。

135円のチャート

まずは直近1カ月のチャートです。130円近くいったものが、いったんは127円前後まで落ち着いたかと思いきや、再び急上昇。1ヶ月で約5%の価格下落です。

続いて6ヶ月のチャート。115円くらいで落ち着いていた1-3月が懐かしいですね。半年で18%も円は下落しました。

1年で見たのがこちら。昨年2021年はずっと110円くらいで推移していたことが分かります。年間下落率は22%。株式並みの動き方です。

ここ5年を見たのがこちらです。確かに2022年の円安の進行は凄まじいですが、2021年から徐々に円安が進んでいたことが分かります。

最後に、超長期の1993年末からのチャートです。1990年代後半の150円にも近づく超円安が、当時ありました。このときも85円から150円近くまで、1年くらいで下落したんですね。

当時を覚えている識者は、状況が似ていることを指摘します。

前回の長期ドル高局面は90年代後半だった。その時は85年プラザ合意以降の長期

ドル安が、92年の米国での金融不安と欧州での通貨危機の発生で下げ止まり、94―95年の米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めによって上昇局面入り。2001年のITバブル崩壊まで6年ほど、ニューエコノミーをテーマとする長期ドル高が続いた。だいたい過去30年といったところ。

コラム:「98年の悪夢」再来が招く円高余地=高島修氏 | ロイター

為替ヘッジはどうなった?

さて為替といえば、ちょうど127円くらいまで円高方向に振れたタイミングは、ぼくは20万ドルの為替ヘッジオプションを取ってみました。これ以上円高に振れると、せっかく増加したドルの価値が毀損しちゃうじゃん? ということで為替オプションを使って、一部ヘッジしてみたわけです。

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簡単にいうと、ドル資産の円高による目減りをヘッジするために、プットオプションを買って124円より円高部分をヘッジ。一方で、オプション価格を調達するために、128円のコールオプションを売りました。

 

売買の結果、124円以下になっても損失が出ない代わりに、128円を超えても利益が出ません。さらに7万円ほどプレミアムの差額が出て利益が出るというポジションです。

 

ところが、思惑とは相反してドル円は135円まで下落してしまいました。128円の行使価格からいうと7円もディープITMとなったわけです。20万ドルのポジションですから、損失は140万円……かとおもいきや、こうなっています。

コールの損失は97万円程度。これは必ずしも為替が1円動けば1円分の損益になるわけではないという、オプションの特性によるものです。この比率を表すデルタを見ると、7円近いITMになってもまだ100%には至っておらず、20万ドルに対して17万4908ドル。デルタはATMで0.5で、ITMが進むほど1に近づくので、現在はそこそこなITMっぷりという感じです。

これだけ見ると100万円近い損失なので、あちゃーという感じではありますが、もちろんこれはドル資産のヘッジのためのポジションなので、裏側にあるドル資産は価値を増しています。

 

20万ドル分のドル資産は7円近く円安になったことで140万円程度価値が増しています。そのため、両方を差し引きすると、まだ20万円くらいはプラス。でもなんというか、このポジションを取らなければ損失もなかったわけで、ちょっとやるせない気分もあります。

 

何より、当初入れていた証拠金は100万くらいだったのに、損失が積上がることで必要証拠金も増加して、今は240万円以上入っている状況。ここに資金をどんどんロックされるという厳しい状況です。

 

このオプションの満期である7月25日までのシナリオはどうでしょうか。

円安がさらに続き140円突破など

あと1ヶ月で、さらに円安が続くと、オプションの損失はさらに積み上がります。さらに100万円くらいの損失という感じでしょうか。一方で、ドル資産の価値はそれにも増して増加します。総資産全体としてはプラス。オプションでヘッジしなければ追加で100〜200万円増えたんだけど……というイメージです。

 

7月25日前後でこうなっていたら、さらに150円のコールを売って、130円のプットを買うという手もあります。うーん……どうなのかな。

円高に振れて120円まで一気戻し

ここまで円安に振れた要因は日米金利差というのがもっぱらの説明です。ただしそれは、日米金利差があるから円を借りてドルを買うというキャリー・トレードが流行るだろう→するとさらに円安が進むだろう→ならば先回りして円を売ってドルを買おう、という連想ゲームから投機が行われています。

 

為替投機は1年くらい軽くトレンドが続くので、なんとも言えません。ただし、中長期的にいえば、この円安状態が継続すると考えるのもおかしいのです。

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なので、どこかで120円くらいまで戻ることも大いに有り得ると考えています。ただ135円まできちゃうと、「日銀利上げ」とか「米CPIがフラットに」とかいうくらいの出来事が起きないと、7月25日までに120円まで円高はないかな。さすがに。

124円〜128円のレンジに戻る

実は124円〜128円の間に為替が戻ってくれるのが、もっとも僕にとっては望ましい結果です。124円のプットオプションは行使できませんが、円高になりすぎるとドル資産も目減りしてしまいます。128円以下なら、売ったコールオプションが行使されることもなく、無価値で終わります。というわけで、差し引き7万円ほど受け取ったプレミアムが懐に入って終わりというわけです。

 

うーん。なんとか128円くらいまで戻ってくれないものかな。いや、それはそれでドル資産の目減りを意味しているので、微妙ではあるのですが。

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