FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

電気代がヤバいのでマネーフォワード電気から東電従量電灯Bに戻した

ニュースでは「電気料金が上昇」とよく聞きますが、実は電気料金がどんな構造になっていて、どこがどう値上がっているのか、理解していませんでした。これを調べたところ、なかなかに新電力はヤバい。大慌てで、東京電力の従量電灯Bに戻しました。

直近の電気代の内訳

まず、ぼくの自宅のリアルな電気料金を見てみましょう。マネーフォワードのでんきに入って、シン・エナジーからサービスを受けているのですが、次のようになっています。

  • 基本料金(固定)
  • 従量料金(従量)
    • 1段
    • 2段
    • 3段
  • 燃料費調整額(従量x係数変動)
  • 再エネ発電賦課金(従量x係数、年1くらいで変動)

これを元に電気代がどう決まるのかを見ていきます。まず容量(アンペア)によって決まる基本料金。これは基本的に変動しません。続いて、1段料金、2段料金、3段料金。こちらは使った量に応じてかかる従量料金です。なぜ3段階になっているかといえば、使うほど単価がアップする仕組みだからです。

そしてこの単価も基本的に変動するものではありません。では、なぜ最近電気料金高騰がいわれるのか。それは、その下にある「燃料費調整」と「再エネ発電賦課金」のためです。まず再エネ発電賦課金は、下記のように年間で決まっています。

直近はkWhあたり3.45円。従量料金が3段階目で30円57銭ですから、再エネ発電賦課金で10%マシという感じです。こちらは、基本的に再エネの補助金の額によって変わってきます。

 

そして実はもう一つの燃料費調整額が、今回の電気代高騰の犯人です。これは電力会社の経営を安定させるために、燃料費の変動を反映させるもの。航空会社の燃油サーチャージのようなものですね。

燃料費調整額が爆上がり

この燃料費調整額、実はマイナスになることも多く、ちょっと前まではマイナスで推移していました。下記を見ると、2022年1月まで東京電力でも燃料費調整額はマイナスだったことが分かります。ところが、それが急激に上昇しているのです。

燃料費調整単価の推移|新電力ネット

9月の段階で、実にkWhあたり6.5円。再エネ発電賦課金の2倍程度のプラスが乗ってきています。そして10月は8.07円、11月は9.72円と激しく上昇しているのです。

 

ぼくの9月の電気代の内訳を見ると次の通り。すでに全体の17.5%を占めています。

この半年で、ここまで上昇したわけです。

正直、これはヤバい。原油がさらに上昇し、為替も円安が止まらない状況だと、燃料費調整額はどんどん上昇するはず。

救いの手は東京電力従量電灯にあった

しかし、救いの手は東京電力にありました。電力自由化前のおなじみのプラン、従量電灯Bでは、なんと燃料費調整額に上限が設けられているのです。それはなんと5.13円。10月はすでに8円を超えているので、それが5.13円になるだけでも相当抑えられます。

 

従量電灯Bなどの電力小売全面自由化前の電気料金プラン※6については、燃料費調整単価の算定に用いる平均燃料価格に上限を設けており、上限を超えるご負担はいただいておりません。なお、現在、自由料金プランにご契約いただいているお客さまが、従量電灯Bなどをお選びいただくことも可能ですが、今後の燃料価格の動向やお客さまの電気のご使用状況などによって、割安にならない場合もございますので、予めご承知おきください。

燃料価格高騰に伴う自由料金プランの燃料費調整額について|東京電力エナジーパートナー株式会社

ちなみに、上限のあるなしで燃料費調整額がどう推移するか、9月の利用実績330kWhを元に計算したのが下記です。燃料費調整額だけで3200円超ってなかなかハードですね。

結果、9月と同じ電力を10月、11月と使った場合、電気料金は下記のようになります。

ちなみに、マネーフォワードのでんきは、基本料金と従量料金が3%引きで、年額5300円のマネーフォワードME有料プラン特典がついてくるというもの。特典は月間441円相当なので、燃料費調整額でここまで差がつくと、明らかに従量電灯Bが有効です。

どうやって従量電灯Bに変える?

さて、先の東電の記載にもあるように、いまから従量電灯Bに変えることは可能です。ところが、東電のWebからプランを変更しようとすると、下記のスタンダードやプレミアムしかなく、従量電灯Bは選択できないのです。

というわけで電話で連絡すると、従量電灯Bへの変更が簡単にできました。オススメはしていないけど、普通に受け付けているというのが実際のようです。別に裏技というわけではありません。

 

ただし、今日の申込みで切り替えは11月3日。何が逼迫しているので1カ月も遅れるのかは分かりませんが、そのうち変更もできなくなる怖さもあります。とりあえず、現時点では燃料費調整額の高騰による電気代上昇は回避できた形です。

最悪は市場連動価格

もちろん最悪なのは、楽天でんきのように、市場連動価格にすることです。燃料費調整額も上昇していますが、それ以上に価格が跳ね上がります。もちろん、市場価格が安ければ価格も下がりますが、これはボラティリティが激しく高いということ。数倍の電気料金が請求されて困ったというニュースがちょっと前にありましたが、そういうことも起こり得るわけです。

energy.rakuten.co.jp

というわけで、一時節約のためのコストカットとして一世を風靡した新電力ですが、仕入れ価格の上昇で破綻組も出ましたし、今となっては東電よりも高いという洒落にならない状況に陥りました。

 

放っておくと、知らないうちに市場連動に切り替わったりして、大変なことになるリスクさえあります。こうした非常時には、半ば公的な東電に戻すのが王道ということなのでしょう。日本の電力行政の最適解は何だったのか? という問題はおいておくとして。

 

→燃料費調整額に上限のある従量電灯Bだけでなく、燃料費調整額がゼロのプラン「アクアエナジー100」について調べてみました。

www.kuzyofire.com

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