新NISAを見据えて、低コストインデックス競争が激しさを増しています。楽天投信投資顧問が新たに設定した「楽天・オールカントリー」と「楽天・S&P500」はいずれも他社同等の低コストに信託報酬を抑えてきました。
さらに、この2本のファンドを対象に、保有残高に対してポイント還元も復活させます。気になるのはSBI証券とどっちが有利か? というところです。
楽天低コストインデックス・ファンド2種
楽天投信投資顧問が新たに設定したインデックスファンドは、MSCIオールカントリー連動の全世界株式インデックス「楽天・オールカントリー」と、S&P500連動の「楽天・S&P500」です。
それぞれ信託報酬は次の通りで、楽天版オルカンでは同じMSCIオールカントリーをベンチマークとする全世界株式インデックス、eMAXIS Slimや野村初めてのNISA、日興Tracersなどと信託報酬を揃えてきました。最安値圏です。S&P500のほうも、他社の最安値にそろえてきました。
- 楽天・オールカントリー 0.05775%
- 楽天・S&P500 0.09372%
面白いことに、この2本のファンドについて、
業界最低水準の運用コストを目指す※1以下のインデックスファンド2本を対象とします。
と三菱UFJアセットマネジメントと同様の文言の記載もあります。
ポイント還元も復活
併せて、一時終了していたポイント還元も復活させます。この2本のファンドを対象に、預かり資産残高に応じてポイント還元を行います。
となると、気になるのは、SBI証券の投信マイレージとどっちが有利か? でしょう。SBI証券ではファンドごとにポイント付与率を変えており、SBI証券内のファンドページかこちらの一覧ページで確認できます。
そこで、各低価格インデックスファンドの信託報酬と、そこからポイント還元率を差し引いた「ポイント還元後コスト」をまとめてみました。楽天の2本のファンドは楽天のポイント還元、そのほかはSBI証券の投信マイレージを使った前提です。
すると信託報酬ではほぼ横並びですがポイント還元率の差で、わずかに違いが出ていることが分かります。
実際のところどれを選ぶか?
実際のところ、オルカンにしてもS&P500にしても、コスト競争はいくところまでいった感もあります。この信託報酬の額は、100万円投資してオルカンの場合で年578円、S&P500で937円。そこに、ポイントで175年とか420円とかが還元されるというレベル感です。もちろん、金額が2000万円くらいになれば、年11,550円とかになるので、違いも感じられますが、ボリュームがあって初めて差が出るという感じです。
そもそも信託報酬はすべての費用を含んでいるわけではなく、隠れコストというものも存在します。そして運用の巧拙で、多少のコスト差は吹き飛んでしまいます。今後は、運用の巧拙がそろそろ重要になってきそうな感じもしますね。