auじぶん銀行がほぼ無条件で、3ヶ月もの円定期0.4%キャンペーンを始めました。上限5億円とかなり本気のキャンペーン。ちょっと前なら喜び勇んで飛びついたのですが、よく考えると個人向け国債10年ものが、金利0.6%まで上がっています。どちらがいいのでしょうか?
3ヶ月もの円定期0.4%キャンペーン auじぶん銀行
正直、0.4%程度の金利は探せば常設でもけっこうあるのですが、auじぶん銀行の利点はネット銀行だということ。地方の信用金庫とか信用組合の店頭専用定期では、0.4%程度の金利では心動きません。
今回のキャンペーンの概要は次のとおりです。
- 他行の同一名義から振り込まれた資金が対象
- 期間は11月6日から11月30日
- 振込額上限は5億円
- 金利は通常通り0.04%、特典分が0.36%
- 特典は2024年3月下旬に現金プレゼント
- 現金プレゼントなのになぜか一時所得ではなく20.315%の源泉分離課税
3ヶ月ものなので、100万円預けると3ヶ月後に797円が入金される形です。上限を活かすなら、1000万円で7970円というと、少しは魅力的かな? 1億入れれば7万9700円ももらえます!
また同時に「阪神タイガース日本一キャンペーン」として1ヶ月もの円定期3.8%キャンペーンもやっていて、こちらの上限は下記のとおりです。
- 要エントリー
- 期間は11月6日から11月26日
- 上限金額は50万円
50万円預けた場合、1244円が受取利息してもらえます。
0.6%の個人向け国債の実際の利回り
両方ともなかなか面白いキャンペーンだなと思いつつ、ちょっと気になるのが個人向け国債です。11月7日から募集が始まった164回の個人向け国債変動10年は、ついに利率が0.6%まで上がってきました。前回は0.51%でしたから急ピッチで金利が上昇中です。
一見、0.6%の定期預金と同じようなものだと思いがちですが、個人向け国債は、1年を経過すると中途解約可能で、その際のコストは直前2回の利子(1年分)という特徴があります。つまり、中途解約を前提とすると実質的な利回りは下記の3パターンの組み合わせになります。
- 最初の1年間 解約不可
- 2年〜10年目 解約できるが直近2回(1年分)の利子がもらえない
- 10年満期 元本+10年分の利子全体を受け取れる
またSBI証券をはじめ複数の証券会社では、個人向け国債を購入すると0.1%分程度のプレゼントを渡すのが通常です(残念ながら楽天証券はやっていない)。このキャンペーンも考慮する必要があります。
その前提で、いつ中途解約したら実際の利回りがどれだけになるのか計算してみました。なお定期預金とは違い、国債の利払は再投資はされないので、ここでは単利で計算しています。
さて意外でしょうか? 満期まで持てば年あたり0.6%の利回りになるのは当然として、それまでの期間は平均利回りが低くなります。中途解約時に1年分の利子が受け取れなくなるからです。その効果をざっとならすと、0.5%程度に集中しています。また4年半を超えるまでは0.5%を切っていて、2年で解約すると0.325%しか得られません。
auじぶん銀行のキャンペーンと個人向け国債とどっちがいいか?
このように見ると、auじぶん銀行の0.4%の利回りを個人向け国債が超えるのは、少なくとも3年保有する必要があることが分かります。表面では個人向け国債のほうが利回りが高いのですが、その対価は3年間資金がロックされることです。
もちろん個人向け国債は変動金利なので、今後金利が上昇すれば3年経たずに平均利回りが0.4%を超えるかもしれません。また、個人向け国債は担保にもできるので、資金を借りることができます。これは資金がロックされるといっても定期預金よりも有利な点でもあります。
と、いくつかのことを考えた結果、auじぶん銀行のタイガース優勝キャンペーンには参加することにします。
0.4%のほうは3ヶ月ものなので、2月9日まで資金がロックされます。11月末、12月末、1月末の優待クロスに影響が出ますが、実質的に影響があるのは12月末のみ。今年は逆日歩日数6日=借り入れ日数も6日なので、借り入れで対応するのもよし。
というわけで、12月のクロスに影響があまりない範囲で、0.4%キャンペーンにも参戦しようかなと思っています。