FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

良い節約と悪い節約 節約とは消費の先送りである

「良い節約と悪い節約」というお題がどっかで出ていたので、今日はそれに乗っかって、節約について考えてみたいと思います。といっても僕がFP資格を持っているからと行って、「スマホは格安SIMにしましょう」「無駄な保険は解約しましょう」「大きな支出や固定支出から手を付けましょう」なんていっても全然おもしろくありません。

 

そうではなく、実のところ「今使う」を諦めて「将来使う」に変換することが節約であるということを、書いてみます。

節約とは実際のところ何か?

40歳の人が飲み会にいくかどうか迷っています。予算は1万円。これを節約すれば1万円貯金でき、来年の新NISAの足しになります。行ったら飲み会は面白そう。でも行かないからといって、何かまずいわけでもありません。さあどうするか?

 

これを「飲み会」か「貯金」か? と捉えるとちょっとよろしくありません。これは「今日の飲み会」か「30年後の飲み会」か? と考えればいいのです。単純に、今使うか将来使うか。節約するかどうかというのは、結局のところこういう話です。

 

少し違うのはそこに時間価値が発生すること。現在の1万円と未来の1万円は同価値ではありません。未来は不確実であるがために、そこには時間的価値が乗っかり、実際には金利という形で額面が増加します。ざっくり現在の1万円は15年後の2万円と等価なわけです*1

ちょっと近未来なら

もしかしたら「今日の飲み会」と迷う対象は「15年後の飲み会」ではなく、マイホーム(の一部)かもしれません。家のような大きな買い物は、時間価値を体感できるいい例です。

 

金利が1%だとすれば5000万円の家の時間価値は、1年あたり50万円です。今日の飲み会を諦めて1万円を家購入のために節約すれば、それは7.3日分=約一週間、家を手に入れるのが早くなることを意味するでしょう。

 

飲み会に行けば、家を手に入れるのが一週間遅くなる。飲み会を諦めれば一週間早く家を手に入れられる。このどちらを選ぶか? というのが節約が意味していることです。

老後も働きたい?

「今日の飲み会」と「30年後の労働」を迷ってもいいでしょう。今日の飲み会代1万円を使って、30年後の自分の労働だって買えるからです。会社を退職後、アルバイトなどで働くか、それとも節約した1万円でその労働を買って自由な時間を過ごすか。

 

1万円は時間的価値を考えると30年後の4万円といったところでしょうか。退職後のシニアが働く時給が1500円だとすると、これは26時間分の労働と等価です。つまりだいたい一週間働くことに相当します。

 

「1万円で飲み会に行く」というのは「70歳のときに1週間働くこと」を意味します。年取ったときにアルバイトで働いてもいいから、今しかできない飲み会でパーッと飲みたい。これも一つの選択です。逆に、今は飲み会を諦めて、70歳のときにのんびりしたい。これも考え方でしょう。

悪い節約は「将来使わない」こと

節約が、「今使う」を諦めて「将来使う」に変換する行為だというふうに捉えると、悪い節約が何なのかも見えてきます。それはせっかく消費したい気持ちを我慢した貯めたお金を、将来も使うことなく死んでしまうことです。

 

現在も将来も結局、そのお金を使うことがなく終わってしまうからです。もちろん、そのお金は子孫に(または税金として国に)渡されるので、「自分が今使う」のを諦めて「将来子孫が使う」に変換することだと思っても構わないでしょう。個人には「節約したくてする人はいない」と思うので、その理由が子孫に使ってもらうためだというのはどうも釈然としませんが。

 

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*1:逆に「将来使う」のを諦めて「今使う」のが借金です。この場合も時間価値が乗っかって、その分金利を払うことになります。