12月の優待クロスではけっこうな資金が必要になります。例えば、すかいらーくなら1000株で210万円、マクドナルドなら500株で300万円、ロイホなら250万。それぞれ7名義で取れば、それだけで5300万円あまり必要になります。12月は銘柄豊富なこともあって、優待も配当もクロスできる銘柄はたくさん。
となると問題は現金です。今回は現金を確保する方法がなにかないか、考えてみます。
既存の資産を活用する
現金を確保するというと、キャッシングのような無担保ローンも思い浮かびますが、それらはしょせん100万、200万の世界。また金利も15%とか、けっこう取られます。そして信用情報も汚れるというデメリットがありますね。
そこで手持ちの資産を活用して現金を確保できないか、考えてみます。
- 東証上場株式
- 米国上場株式
- 投資信託
- 債券
東証上場株式
東証上場株式については、現物保有を信用保有に一時的に切り替える方法があります。現物を売却すると同時に、同じ銘柄の信用買いをするという方法です。信用は、現物の30%の証拠金があればいいので、その分現金が手に入ります。100万円の価値の現物は30万円の信用保証金でいいので、70万円が手に入ることになります。
また代用有価証券があれば、それを現金代わりにできるので、その場合は100万円がまるまる現金として手に入ります。かかるコストは2.8%(楽天証券の場合)の金利です。100万円に対して年率2.8%なので、1日あたり76.7円になります。
方法としては、売り注文と信用買い注文を寄付や引けの成行きで入れて、同値で約定させる形。特定口座の中で同日に売りと買いを行うと、先に買いがあったとして計算されるので、同値のポジションになりません。しかし、片方が現物で特定口座、他方が信用取引なら別々で計算されるので問題ありません。
この手法で気をつけなくてはいけないのは含み益です。いったん現物を売却するので、その時点での含み益が確定されます。他で十分に損失があればいいのですが、そうでなければここで課税が発生してしまいます。
米国上場株式
米国上場株式も、現物を信用に切り替える方法がありますが、売るときに手数料がかかり(0.495%、上限22ドル)、信用買いのほうも0.33%/上限16.5ドルの手数料かかります。かつ信用買いポジションにかかる金利が4.5%かかります。信用から現物に戻すときは現引きすればいいのでノーコストですが、ドルと円のやりくりがちょっと面倒です。合計で、0.825%/38.5ドル+金利がかかる計算です。
正直、これはコスト負けするように思います。
そのため、野村證券のWebローンなどの担保に入れて(掛け目50%)、金利1.5%でお金を借りるほうがリーゾナブルでしょう。ただし、担保に入れられる銘柄はかなり限定されるので、そこは注意です。
投資信託
投資信託は、同じ値動きの東証上場銘柄があれば、その信用買いに乗り換えることで、現金化ができそうです。例えば、「eMAXIS Slimオールカントリー」はMSCI ACWIに連動しているので、同じ「eMAXIS全世界株式オールカントリー(2559)」ETFの信用に乗り換えればいけそうです。
一応、eMAXIS Slimオルカンのような海外投資する投信は、翌日の朝の段階で海外資産の価格が算出されるので、15時までに投信の売り注文を入れたら、翌日朝の寄付でETFの買い注文を入れればだいたい同値にはなりそうです。一応日本市場分はその日の終値だし為替はその日の午前に決まるので、そこはブレそうですけど。
ただ1日1回基準価格が設定されて、その金額で売りも買いも約定する投資信託と違い、ETFは市場取引なので売りと買いでスプレッドが発生します。さらに寄付や引けの成行きでは、妙に上ブレたり下ぶれたりする傾向があるようです。つまり、成行きだと同値での乗り換えがけっこうむずかしそう。
というわけで、eMAXIS Slimオルカンを2559ETFの信用ポジションに乗り換えるということを検討はしましたが、これはちょっと控えたほうがいいかも。
となると、投信は信用ポジションのための代用有価証券として使うのがベストな感じです。
債券
国債などの債券は、信用ポジションに切り替えるわけにいかないので、素直に証券担保ローンの担保として使い、お金を借りるのに使うのがよさそうです。
具体的な手法
当初、積み立ててきた投資信託を売却して2559ETFの信用買いポジションに変更しようかと考えました。それを再度投信に戻すときに、一つの証券会社を使えば、投信を集約することにもつながるからです。
ところが2559ETFの板がどうにも怪しい。投信とETFを同値で行き来するのは、同じマザーファンドを使っている商品でも、テクニカルに難しいという感じです。そこで、現物→信用の置き換えを行うのは東証上場ETFだけにして、投信はこれを機に、A証券で売却すると同時にB証券で購入するという形で、B証券に移し替え、集約することにします。
SBI証券ならば投信の移管手数料を負担してくるので、売買せずに移管手続きを取るのもありなのですが、実はクレカ積立中のファンドについては移管手続きを走らせられるタイミングがたいへん厳しく、実際カブコムからの移管は言われたとおりに書類を書いたのに失敗したという過去があります。これなら多少の含み益確定になっても、売買で移し替えたほういいという判断です。
ただ現在代用有価証券に使えるものはたっぷりとあって、信用新規建余力は十分な状態。足りないのは現金で、とにかく現金がほしい!野村のWebローンも限界まで使うつもりですが、いくらカネがあっても足りないのが12月なわけです。