FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

BlockFi破綻でGOXした債権が一部回収できた一部始終

クリプトのレンディングサービスBlockFiに預けていて失われたステーブルコインの一部が、なんと戻ってきました。その一部始終を記録しておきます。

FTX破綻の煽りを喰って破産したBlockFi

BlockFiというのは仮想通貨を預かって、一定の利子を付けて返す、いわゆるレンディングサービスを行っていた米大手です。かなり盛況で、USDTやUSDCなどのドル連動ステーブルコインについては年利8%を提供していました。そこに魅力を感じて、ぼくも資金を預けていました。

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ところが、FTX破綻に連鎖してBlockFiも破綻。米Chapter11ということになりました。クリプトのレンディングは、政府保証が付く銀行預金などとは違い、運営者が倒産したらそれっきり。これは当初から分かっていたリスクの一つであり、仕方ありません。

当時、いったんは「やばいかな?」と思って資金を引き上げたものの、「当時世界最大の取引所だったFTXが救済」というニュースを聞いて資金を再び戻したところ、今度はまさかのFTXが破綻してしまったわけです。

 

一応、ニュースを聞いてすぐにWithdrawを掛けたのですが、ペンディングのまま結局引き出しはできませんでした。これによって、ぼくは債権者としてBlockFiの資産分配を待つ形になりました。

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2022年12月28日、正式にBankrupt

2022年末にはこんなメールが届きました。「BlockFi破産のお知らせ」。Chapter11訴訟の書類をここからDLできるよ、というものです。

その後23年2月に入って、Chapter11が承認、代理人から連絡がいくよーという案内が。

3月にはNYの弁護士事務所から郵便が来ます。「Legal Notice」って書いてあって一体何だよ? と思ったら長い文書が。。。同じ内容をメールで送ってくれたら読むのも楽なのに。。。

 

その後、5月になって、破産手続き中のBlockFiが裁判所の許可を得て、一定の条件の下で顧客資産の引き出しを順次再開する旨を伝えるメールが届きます。これを初めて見たときはちょっと期待したんですよね。

8月には、BlockFi債権管理者による計画に対し、債権者が承認の投票を行うよう促すメールが来ます。どうせ小口だし、これはパスしちゃいましたけど。

10月には、資産をウォレットに引き出せるようになったよ!というメールが。でもアクセスしても、僕の資産は動かせないですよね。。。。

性格にはよくわからないのですが、ここまでの間ウォレットにあったクリプトの返還をしていて、ぼくのようにレンディングにかけているものはこれからということのようです。24年1月、レンディング中のInterest Account(BIA)も2月から返還対象になるという連絡が来ました。

Beginning in February, clients in BlockFi’s remaining products including BlockFi Interest Account (BIA), loans clients and private clients, may be able to initiate withdrawal requests.

やっと引き出せる???

そして3月9日、ついに引き出しの準備が整ったというメール。

ただ、かなりタイトなスケジュールを提示しています。

  • 2024 年 3 月 31 日午後 11 時 59 分 (UTC) まで、遺産資金の引き出しを開始する資格があります。本人確認手続きには時間がかかる場合があるため、すぐに出金手続きを開始することをお勧めします。
  • 本人確認情報リクエストは、2024 年 4 月 10 日午後 11 時 59 分 (UTC) までに正常に完了する必要があります。

提示されたのは預けてあるクリプト資産の約半額くらい。でも、全額GOXだと思っていたので、そのうち一部でも戻ってくるのはありがたい限りです。具体的に引き出し可能な額は下記の通りでした。

 

ちなみに引き出しには手数料50ドルがかかるため、USDCとUSDTで合計100ドルも取られました。少額だったらこれで諦めてますね。

ちなみに、USDCもUSDTも国内の取引所ではサポートしていません。日本人がBinanceグローバルにアクセスできなくなったところなので、最近使っていた取引所では引き出しを受けることができません。仕方なく、大昔に使っていたPoloniexに久しぶりにログインしてみました。すると、まだちょっとだけBTCが残ってるじゃないですか。

このPoloniex口座宛に、出金依頼をかけます。

 その日中に手続きを行い、「引き出しを受け付けた」と返信はあったものの、しばらく音沙汰なし。3月19日になってKYCをやれという連絡があり、免許証を使ったeKYCを実施しました。

 

そして3月20日に入ってやっと「本人確認が完了」という連絡。そしてPoloniexにも入庫が完了です。

薄い板で売却は難しい

一部ではありますが、BlockFiから資金を回収できてほくほく。約8000ドルは決して小さい金額ではありませんから。ただ、USDT/USDCのままでは国内に送金できません。昨今は海外取引所は日本人締め出し(金融庁の方針で)ばっかりで、逆に安心して使えないので、国内取引所かノンカストディアルウォレットで保管するのが吉。

 

どうせERC20なんでウォレットに入れてもよかったのですが、現在はクリプトの上げ潮タイミングなので、次のETFが期待されるEthereumに替えて送金することにしました。

 

Poloniexの取引を見ると、USDT/ETHの板はないんですね。USDC/USDTとUSDC/ETHはあります。USDTというのはBTCに続く基軸通貨だと思っていたのですが、いつの間にかその座はUSDCに取って代わられたようです。

 

というわけで、USDTをまずUSDCに替え、それをETHに替えます。手数料もかさむし板は薄くて面倒だし。下手に大きめのロットで成行注文入れると簡単に自分の注文で値を動かしてしまいます。Binanceのときはこんなに板が閑散としていることはないし、AMMで売買も可能だったので苦しんだことはないのですが、マイナーな取引所はきついものです。誰かうまい板取引の方法を教えてほしい。。。

 

けっこう悩んだのですが、さっさとETHに返還して、SBI VCに送金。これで2つ目のハードルを超え、やっと自分の資金として安全確保できた気持ち。長いオペレーションでした。もう一つ面倒なのは、このステーブルコイン、いったん貸倒として減損処理しちゃったので、無償で入手した扱いになるのかな? 税務的にはややこしそうです。

 

あとは残ったBlockFiの債権ですね。これも小さな額ではないのですが、まぁこちらではなにもできることはないので、続報を待ちたいと思います。

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