FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

価格ゼロになった仮想通貨にも「価値」がある FTX破綻の貸倒損失もお忘れなく

世の中には面白いビジネスもあるものです。「無価値になった仮想通貨を、有料で引き取る」というサービスです。これはどのようなものでしょうか。

不要な通貨を0円売却して損失を出す

世の中には草コインというものがあって、うまく行けば何千倍にもなりますが、ほとんどの場合無価値になるという、宝くじのような性質を持っています。でも宝くじははずれたら単なるハズレですが、無価値になった仮想通貨は、実は「価値」があります。

 

そう、他の仮想通貨との損益通算です。例えば10万円で買った草コインが無価値になったら、10万円の損失です。これを別の仮想通貨の10万円の利益と相殺すれば、税金がかからなくなります。税率が20%なら、無価値になった仮想通貨も2万円の価値があるというわけです。

 

ところが株と同じく含み損は確定させて初めて損益通算できます。つまり取引所などで売却が必要なわけですが、草コインの中には取引所に上場していなかったり、取引量が少なすぎて、つまり誰も買う人がいなくて売却できないものも存在します。

 

こうした仮想通貨について、0円で買い取ってくれるというのが、このサービスの趣旨です。

 

これにより、「0円で購入した」という証明書を発行してもらい、節税に生かすわけです。そしてこの買い取りは、仮想通貨1種類あたり8800円の費用を支払う必要があります。なかなかに美味しいビジネスです。

FTX破綻の損失もお忘れなく

さて、同じように取引所の破綻で失った仮想通貨も、「貸倒損失」として損益通算が可能です。FTXに預けていた仮想通貨が100万円分あったら、FTXはChapter11を出して破綻したので、貸倒損失として損失計上できるわけです。

 

ただしややこしいのは倒産していないとダメだということ。例えばFTX JapanはグローバルFTX傘下でChapter11の対象だといっても、実質的に金融庁の監督下にあり、顧客資産は分別されて取り扱われています。これはグローバルFTXがJapanの資産を持っていってしまうことはない一方で、返金処理(いつになるのか分からないけど)が予定されているので損失計上はできないということです。

貸倒損失と貸倒引当金にかかる税務上の留意点について① | 内田洋行ITソリューションズ

また貸倒損失には任意性があることには注意が必要です。(1)の法律上の貸倒については、例えば会社更生法、民事再生法の適用があった期に損金算入となります。しかし、(2)(3)の事実上の貸倒や形式上の貸倒の場合、損金算入「できる」もので、必須ではありません。

 

いやはや、ややこしいですね。しかもよくわからないのは、いったいいつの時価で損金算入するべきか?ということです。さらに、これが米国企業の破綻の影響となると、ますますやっかいです。

 

どこか税理士の先生が、Twitterとかブログで書いていないでしょうか。ほんと*1

 

www.kuzyofire.com

www.kuzyofire.com

www.kuzyofire.com

*1:ちなみに、ぼくはFTX傘下でChapter11したBlockFiに債権を持っています。FTXグローバルとFTX Japanには債権はありません。