JPモルガン・チェースが、経費率0.02%の株式ETFを用意しているようです。ブルームバーグが伝えました。
記事によると、この株式ETFは1000ドルあたり経費率20セント。率にすると0.02%です。bpsでいうと2bps(ベーシスポイント)ですね。運用会社大手3社の経費率の中央値は、ブラックロック(iシェアーズ)が0.34%、ステート・ストリート(SPDR)が0.30%、バンガードが0.09%です。JPモルガンのETFはこれらを大きく下回ることになります。さらに、0.05%の債券ETFも用意しているということです。
背景には、米国でのインデックスファンド(パッシブ運用)の隆盛があります。「分散」の合言葉とともに、企業を選別するのではなく市場全体に投資するインデックス運用の比率が増加しています。
source:ETF wars heat up as more asset managers try to compete
上記は米国の株式ファンドの状況です。運用資産残高(AUM)は年々増加し、さらにパッシブファンドの比率が増大、2017年には47%に達しています。
そしてパッシブファンドでは、「ファンドマネージャーの腕」というものは関係なく、指数通りに推移するので、自然と低コストのものに資金が集まります。JPモルガンは、低コストのETFを投入することで、この巨大化するパッシブファンド市場を狙っていると思われます。
日本ではすでに日本株運用の投信のうち80%がパッシブ運用だというデータもあります。(指数ビジネスはおいしい - 投資でセミリタイアする九条日記)
記事では、「手数料ゼロのETFが登場するのも時間の問題」としています。米国では売買手数料無料の証券会社Robinhoodが急成長しており、金融ビジネスがシンプルなフィー(手数料)モデルから転換してきていることが分かります。
ともあれ、手数料の低下は投資家にとってうれしいことですね。