FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

金地金(ゴールド)はどこがお得か? スプレッドを比較する

あと2週間で消費増税です。キャッシュレス還元が話題ですが、今回はあまり駆け込み需要はないようですね。でも、ぼく自身は駆け込みで買っておこうかと思っているものがあります。金(ゴールド)です。

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売買に消費税がかかる金

以前書いたように、日本では金の売買に消費税がかかります。100万円の金を買うには108万円が必要です。これが10%に消費税が上がると、110万円必要になります。だから駆け込むのかというと、もう一つからくりがあります。

 

売却時には消費税を払ってもらえるのです。100万円の金を売るとこれまでは108万円払ってもらえました。増税後は、110万円払ってもらえます。

 

つまり、8%で金を買って10%で売れば、それだけで2%儲かるということです。

 

ちなみに、海外では消費税がかからない国もあります。だから、税なしで買って国内で売れば、消費税分だけもうかるわけです。

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2%儲かるかというと、まず500g未満には手数料がかかる

とはいっても、買って増税後に売ればすぐに2%儲かるかというと、そんな簡単な話でもありません。

 

まず国内での業界標準として、500グラム未満の金地金には別途手数料がかかります。500グラム以上ならば、追加の手数料なしです。金は田中貴金属の現在のレートで、1gあたり5678円。500グラムだと283万9000円です。そこそこなロットですね。

 

それ以下の手数料は、例えば田中貴金属の場合、下記のようになります。

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例えば、100gの購入で1万6200円手数料を払うと、手数料コストは実に2.8%にもなります。50gだと3%、5gだとなんと15.2%も手数料がかかるのです。これはけっこう厳しい。できれば500g以上で購入したいですね。

2%儲かるかというと、売り価格と買い価格には差がある

さらに金の売り買いの値段は違う、つまりスプレッドがあります。9月13日末時点での価格とスプレッドを調べてみました。

 

調べたのは、下記の7業者です。

田中金属

 

三菱マテリアル

 

日本マテリアル

第一商品

 

徳力本店

 

カネツ商事 ※記載が税抜なのに注意

 

石福金属興行

 

スプレッドを見ると、最も小さいカネツ商事や第一商品で54円。高い日本マテリアルでは106円です。購入価格に対する率で見ると、1%〜1.5%といったところになります。

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もう少しわかりやすくグラフにすると次のような感じ。

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さすがに、どこかで安いところで買って、高いところで売ったら儲かるというような、アービトラージできるほどの価格乖離はありませんが、意外に差があります。例えば、このレートでは、最も安い三菱マテリアルWebで買うと5632円。そして最も高く売れるカネツ商事で売ると5594円。その差は、38円まで縮まります。その場合、スプレッドは0.67%まで小さくなります。

 

このレートは1時間おきくらいに変わるのと、Web表示は参考価格としているのがほとんどです。しかし、手数料無料の500gで、低スプレッドのところで買えば、コストは0.7%程度となり、増税前→増税後の2%利益を享受できそうです。

金地金の買い方は? 三菱マテリアル

さてではどう買うかです。三菱マテリアルはWeb価格はスプレッドが小さくていいのですが、オンライン登録が必要で、これにはけっこう時間がかかります。10月の増税に間に合わない可能性が高いです。

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ちなみに、年会費として864円がかかるようです。積立のほかスポットでの購入も可能。このときにWeb価格レートが適用になります。購入した金は、基本的には三菱マテリアルに預ける形。引き出す場合、金地金を発送してもらえますが、このとき1620円の配送手数料と、量に応じた引き出し手数料がかかるようです。


預ける方法は2種類あります。「消費寄託」というのは現物の所有権を三菱マテリアルに渡し、三菱マテリアルが運用する方法。保管料はかからず、運用対価として「継続ボーナス」という名前で年0.03%をもらえます。「混蔵寄託」というのは専用の金庫で保管するサービスで、年0.1%(2kg未満の場合)のコストがかかります。

 

あとで考えますが、保管をどうするか? ということを考えると、この消費寄託というのは悪くはないですね。金地金を持っているという実感はわきませんが。

金地金の買い方は? 第一商品

同じくスプレッドの小さい第一商品ですが、実は大きなネックがあります。それは取引単位が1kg単位だということです。つまり、現在のレートで、560万円あまりの資金が必要になります。

 

購入方法には、店頭と通信販売があります。店頭の場合、関東だと渋谷本店、日本橋支店、新宿支店、千葉支店があります。この平日8:45〜15:05に店舗にいって、印鑑と本人確認書類を提示し、書類を記入、代金を預けて、その後のレートで購入となります。

 

そして、現物を持って帰れるということになるようです。

 

通信販売の場合は、本人書類を送付すると、記入すべき書類が簡易書留で送られてきます。それを返送したあと、代金を振り込みます。その後のレートで購入となり、あまった資金は振り込みで返却となります。金地金は宅配便で送付されるということです。

 

金をどこに保管するか

金地金を買った場合、大きな問題がどこに保管するかです。三菱マテリアルのように、預かってくれるところを使うのが一つ。消費寄託を使うと、貸株のようなもので保管料が無料なだけでなく、ボーナスまでもらえます。ただし、引き出し手数料などはかかりますね。

 

銀行の貸し金庫というのも、よく言われる選択肢です。例えば三井住友銀行の場合、最低サイズで6ヶ月の料金が8100円です。これはけっこう高い。1kgの金地金を預けた場合で、年0.289%のコストです。しかも、ちょっと検索すると、貸し金庫というのは満杯のことが多く、都市銀行ではお得意さんではないと借りられないことが多いようです。しかも、預金金額の応じてコストが割り引かれるとか。なんか、透明性がない感じですね。

 

では、自分で金庫を買うのはどうでしょう? 安心といえば安心ですが、盗難を考えると簡単には持ち運びできないような重い金庫が必要です。そうなるとすぐに100kgとかになるんですね。さらにお値段も5万円くらいになります。それなら他の方法を考えたほうがいいかもしれません。防火金庫で手提げものだと、すんなり持ち出されてしまいますから。

金以外のものを一緒に収納できるという点、現物を目で確認できるというメリットはありますが、なかなか難しいところです。

【実際に買ってみました】

www.kuzyofire.com