FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

太陽光土地の決済実行 土地売買契約の注意点

太陽光発電所1号基の建設が近づいています。そのために、契約済みの土地の決済を済ませてきました。あまり土地の売買は慣れていないので、都度新鮮です。どんな流れで、注意点はどこにあるのかを調べてみました。

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決済当日の流れ

決済当日は、土地近くに出向いてやりとりするのが一般的なようです。メンツは、売り主、買い主(ぼく)、仲介不動産屋、司法書士。売り主は、権利書や印鑑証明、契約書などを持ち寄り、それを司法書士がチェックします。

 

買い主は、現金を用意して、売り主が本当にその土地の所有者だということを確認(実際は司法書士がチェック)した上で、現金を手渡します。司法書士に、登記移転の委任状を書いて渡し、これで終わり、という感じ。

 

司法書士が、登記移転の手続きを行い、権利書と登記簿をあとで郵送してくれるという流れです。

なぜか現金?

世間のサイトを見ると、現金手渡しは盗難リスク、数え間違いなども発生するので、銀行振込が増えている、とあります。が、今回は現金指定。ATMは1日の引き出し限度額が定められているので、なかなか多額の現金を引き出すのはやっかいです。正直ちょっと面倒。

 

ただ話を聞くと、売り主の権利書などを確認する前に現金を振り込むとトラブルになることがあるということ。権利を持っていないのに売って、現金を振り込んでしまったら、これってただの詐欺じゃん? と思いますが、こういうトラブルを避けるために、同時決済をするのだそうです。

 

そのため、振り込みを使う場合も、権利書の確認を終えたあと、銀行振り込みを行い、売り主の口座に着金を確認してからその後の処理を行うということでした。うーん。面倒。エスクローサービスとかないのでしょうか。仮想通貨の送金なら、その場で10分もすれば確認できるのに。

土地売買契約の注意点

今回複数の太陽光発電所の建設にあたり、土地契約書も複数やりとりしています。それを見ると、意外にそれぞれの契約内容が違っていることに気づきます。よくある違いを簡単にまとめました。

 

公租公課の精算

契約書にあったりなかったりするのが、公租公課の精算です。土地には固定資産税がかかりますが、これは毎年1月1日の所有者に支払い義務があり、請求書が送られます。

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通常は、「所有権移転までに抵当権などの担保権・賃借権などの用益権などの一切の負担消除を約束」する条項が入っていると思います。その土地に担保が設定されていれば、買い主は困りますし、固定資産税が未払いだと差し押さえられてしまいます。まぁここは一般的に契約書で保証されているでしょう。

 

しかしあったりなかったりするのが、その年の固定資産税などの公租公課の精算です。例えば、7月1日に決済、引き渡しを行う場合、その年の固定資産税は売り主と買い主のどちらが支払うのかという点です。特に書いてなければ、売り主が支払ってあり、それで終わりでしょう。「日割りで按分して精算」などとある場合、7月1日ならちょうど半年ですから、固定資産税などを両者で折半、つまり、買い主が半分支払うことになります。

手付解除のペナルティ

不動産の売買は、契約を結ぶとともに、だいたい売買価格の1割程度の手付金を支払います。そのまま決済に進めば、残りの9割を払って終わりなのですが、意外とキャンセルしたいという場合があるものです。

 

ぼくの場合も、農転許可が下りずに売買がキャンセルとなり(特約事項で記載してある)、手付金が返ってきたことがあります。また、一時は売り主が「やっぱり売らない」と言い出して、キャンセルになりかけた土地もあります。

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買い主がキャンセルする場合は手付金の放棄、売り主がキャンセルする場合は手付金の倍返しが一般的なのですが、これは通例であって、契約書に記載がない場合もあります。

 

さらに、「手付解除の期限」が定められている契約書もあります。これは、上記の手付放棄/手付倍返しで解除できる期限に制限を設けるものです。民法では、手付解除について、次のように定めています。

買主が売主に手付を交付したときは、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。(民法557条 第一項)

しかし、「契約の履行」が何を意味するかは不明瞭なので、売り主に不利だという話です。

 

ある不動産会社のサイトには、一般的な手付解除の期限を次のように記載しています。これを過ぎての契約解除には、別途定めたペナルティ(代金の2割など)を定めることが多いようです。

  • 契約から決済まで1ヶ月以内  決済の1週間から10日前
  • 契約から決済まで〜3ヶ月 契約日から1ヶ月前後
  • 契約から決済まで〜6ヶ月 契約日から2〜3ヶ月

しかし、太陽光発電については決済まで長い長い時間がかかることが頻繁にあります。1年、2年ということも多いんですね。その間には買い手の事情も大きく変わる可能性があります。それを考えると、手付解除期限をなくすか、決済予定日の1ヶ月前くらいにするなどが、リスクコントロールとしては大事なように思います。

 

ただもちろん、これは双方に影響するものです。手付解除期限を設けなければ、「やっぱり土地は売らん!」という場合に倍返しで終わってしまうこともあるので、売りたい気持ちが強いのか、買いたい気持ちが強いのかで考えることも大事そうです。

 

いやはや不動産売買は奥が深いものです