FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

コロナショックで何に追加投資するか(米国編)

連日、株価も為替もジェットコースターのようです。これだけ上がり下がりすると、ロスカットしてポジションを減らしたり、今こそ買い場ということで買い進んだり、何も気にしないとバイ&ホールドだったり、いろいろな考え方があるものです。

 

ぼくの場合は、基本的にバイ&ホールドで、たまにリバランスなわけですが、やっぱりファンダメンタルズ的に割安になっているのならば、追加で買ってもいいかなという気持ちもあります。

 

つまり、こういうことです。

www.financialpointer.com

最も下がったのはどのETFか?

暴落時に買うことが正当化されるロジックは、みんながパニックに陥ってトレンドフォローし、本質的価値よりも株価が下がっているだろうというところにあります。または、直近まで本質的価値よりも高い割高状態だったのが、コロナショックで正常化したのかもしれません。

 

では、これまでどのくらい株価は上昇してきて、コロナショックでどのくらい下がったのでしょうか?*1 ぼくのメイン株式資産は、IVV(S&P500)、EFA(北米除く先進国)、EEM(新興国)、VT(全世界)、XLP(生活必需品セクター)になります。

f:id:kuzyo:20200307002040p:plain

まずはその1年間の騰落を見てみましょう。あれ? 1年で見るとトータルリターンがマイナスになっているのはEEM(新興国)だけです。ほかはプラス。XLP(生活必需品)なんて、今回の暴落後でも18%も上昇しているじゃないですか。

f:id:kuzyo:20200307001942p:plain

では、年初来(YTD)ではどうでしょうか? こちらはさすがにすべてマイナスですが、XLPは立派ですね。▲1.5%です。そして最もダメダメなのはEFA(北米除く先進国)でした。

f:id:kuzyo:20200307002335p:plain

今度は最大ドローダウン(Mad Drawdown)も入れています。それを見ると、最も下がったのはIVV(S&P500)で12.9%。次がEEM(新興国)という形です。

実はこの6ヶ月の上昇を吐き出しただけ

このグラフ、過去6カ月の期間で見てみると、面白いことが分かります。実はいずれもほぼ6カ月前の株価に戻った感じなのです。年間リターンでは優秀だったXLPですが、6カ月で見ると、昨年10月からの上昇に乗れなかったのも分かります。

f:id:kuzyo:20200307002941p:plain

なんというか、パニック売りで下がったというより、こうして見るとやはりちょっとした調整に見えます。ただし、VIXの上がりっぷりや世間の騒ぎ方を見ると、このあとも下がり続ける形になるのでしょうか?

個別株の状況は?

では続いて個別株の状況はどうでしょう。ぼくのポートフォリオだと、Google、Amazon、Facebook、そしてARCCがメインです。まずは直近1年間です。あら、ARCCこそ2.72%のマイナスですが、GAFA銘柄は二桁パーセントのプラス維持です。

f:id:kuzyo:20200307005619p:plain

より厳しいであろう、年初来(YTD)ではどうでしょう。Facebookこそ11.7%の下落ですが、GoogleとARCCは4〜5%程度の下落。Amazonはかろうじてプラスとなっています。

f:id:kuzyo:20200307005738p:plain

うーん。暴落というには程遠いですね。

債券の状況は?

こうした調整時に逆に上昇するのが債券です。ぼくのメイン債券資産は、BND(総合債券)、IEF(米中期国債)、MBB(モーゲージ債)、PFF(優先株)です。

f:id:kuzyo:20200307003531p:plain

それぞれ年間リターンを見てみましょう。地味に見えることの多い債券ですが、まぁ立派ですね。IEF(米中期国債)の年間リターンはIVV(S&P500)を上回っています。BND(総合債券)もかろうじてIVVに勝ちました。MBB(モーゲージ債)は地味ですが、ボラティリティの低さは際立っています。

f:id:kuzyo:20200307003453p:plain

では年初来(YTD)ではどうでしょう。IEFの強さがさらに際立ちます。年率換算(CAGR)でなんと58.8%の上昇です。FOMCの利下げに先行して、米国債10年ものの利回りは0.7%割れです。IEFが上がるわけです。

f:id:kuzyo:20200307003739p:plain

www.bloomberg.co.jp

このまま下がり続ければ別だが、現時点ではただの調整

さて、改めてチェックしてみての結論です。日々のニュースを見ていると、「過去最大の下落」とか「感染拡大」とかパニックを感じさせる表現が多いですが、現時点では単なる調整で、しかも6ヶ月分の上昇を吹き飛ばしただけです。

 

不調だった2018年を入れて、2年と2ヶ月のリターンを見ても、S&P500はCAGRで7.5%のリターン。VTも2.2%のリターンです。

f:id:kuzyo:20200307010343p:plain

ここからさらに下げが続くようなら別ですが、S&P500を見る限り、歴史的に年平均6%のリターンというトレンドラインからまったく外れていません。敢えて不調といえば、-2.7%の北米除く先進国や-4.9%の新興国といったところでしょうか。中長期的にはこのあたりが盛り返してくると踏んでいます。

 

そしてぼくのポートフォリオでは、いずれもそこそこの比率で入っているので、特に買い増しが必要な感じでもありません。

 

というわけで、現時点では割安になったと判断できるほどの下げではないので、そのままホールド。さらに10%程度下げるようなら、パニック売りになってきていると踏んで、追加購入を考えようと思います。ジム・ロジャーズ氏がよく言うように、「災害は買い」ですから。

www.nikkei.com

*1:データは3月5日末時点