この12月はさまざまな資産クラスが暴落しました。その中で、米国のBDC企業であるAres Capital Corporation(NASDAQ:ARCC)はどんな状況だったでしょうか。直近の価格は15.58ドル。年間で、最安値は15.03ドル、最高値は17.59ドルでした。
★コロナショックでのARCC最新情報を書きました。
株価下落で利回り向上のARCC
上記のグラフは、この1年のS&P500と比較したものです。値動きとしてはそれほど穏やかではなく、S&P500並です。年初から7%安ということで、S&P500よりも下がっています。
しかし、ARCCの最大の特徴である配当は、0.38ドルから0.39ドルとこの1年安定しています。年4回なので、合計すると1.54ドルでした。現在の15.58ドルで見ると配当利回り9.88%です。最安値の15.03ドルで計算すると、利回りは10.25%と10%を超えます。
債券のように安定はしていないものの、配当利回りが下値をサポートしているのがわかります。
ただし、S&P500と連動して動き、債券のように逆相関はしていません。そのためポートフォリオに組み入れた場合は、打ち消し合うこともなく、ポートフォリオ全体のリスクは下がりません。
この12月の暴落は、株価上のものでリーマンショックの際のように実物経済にはいまのところ波及していません。そのためARCCは株価に連動して値を下げましたが、投資先企業の破綻などが増加するわけでもなく、業績には影響はないと考えられます。
S&P500と同様の値動きではありますが、インカムゲインとして9%近い配当が出ているため、ARCCホルダーにとっては実質的にはこの1年は悪くない年だったといえます。