FIer: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIerを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

楽天ポイント利息は使えるか? 5つの疑問

f:id:kuzyo:20211019153418p:plain国内で最も人気のあるポイントサービス「楽天ポイント」に利息が付く新サービス「楽天ポイント利息」が始まりました。これは使えるサービスなのでしょうか?

利息は0.108%

楽天ポイント利息は、保有しているだけではダメで、明示的に預け入れをする必要があります。すると、月末時点の残高の0.009%が、翌月5日に付与されるというものです。12カ月を合算すると0.108%。ただし、実際はこれは複利で付与されるので、正確には0.10805348%になります。まぁ複利といっても、これだけ利率が低いとほぼ誤差ではあります。

 

年間1万ポイントを預けっぱなしにして、年に10円ちょっとなので、銀行の利息よりはいいとしても、まぁ実質的に意味があるほどの額ではありません。

端数はどうなるか?

これだけの低利息だと、端数が気になるところです。例えば、1000ポイントを預けても、月間利息は0.09ポイント。1ポイントさえも増えません。銀行預金の利息だと、計算は半年に一回が普通で、端数は切り捨て。つまり、金利0.001%とすると、10万円を1年預けてやっと1円の利息が付くことになります。10万円以下なら全く利息が付きません。

 

楽天ポイント利息については、「端数は翌月繰り越しとなり、1ポイント以上となった時点で進呈されます」という仕組み。つまり、1000ポイントであっても、1年経つと0.09ポイントx12で1.08ポイントとなり、1ポイントが付与されることになります。

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税金はかかるのか?

銀行預金の利息には20.315%の税金がかかり、予め差し引いた金額が入金(源泉徴収)されます。楽天ポイント利息の場合、「金融サービスではありません」というところが重要で、つまりこれに対して税金はかかりません。

 

いわゆる銀行預金よりも約2割、実質的な利息は多いということになります。

リスクは何か?

ではどんなリスクがあるのでしょうか。お金を預かるサービスには複数の種類があって、下記のように元本保全が図られています。

  • PayPayなどの残高 資金移動業 基本的に全額を法務局に供託
  • Suicaなどの電子マネー 資金決済法 預かり金合計が1000万円以上の場合、1/2を法務局に供託
  • 銀行などの預金 銀行法 1人あたり1000万円までは預金保険機構による保証(ペイオフ)
  • ポイント 保全なし

つまり、PayPayなどの残高や電子マネーは運営業者が潰れても基本的に元本については戻ってきますが、ポイントについては発行事業者、つまり楽天次第ということです。

 

ただしこれは楽天ポイント利息に限らず、楽天ポイント全般に言えることなので、「楽天が潰れたら終わり」というのは変わりません。このように、ポイントは法律で守られていない価値ではありますが、実運用上はかなり重視されていたりします。

 

ポイントの走りといえば航空会社のマイルです。さて、以前JALが破綻したときに、マイルはどうなったでしょうか? 法律上は、返済の強さはこうなっています。債務>株式>ポイント。しかし、実際には株式は100%減価となり価値がゼロ、銀行は総額5215億円の債務放棄、ところがマイルはそのまま保全されたのです。

 

これはいったん倒産したとはいえ、会社更生法適用となり業務を継続しながら再生を図る中で、ユーザーからマイルを奪ってしまえば再生ができなくなると考えてのことでしょう。

 

これと同じことが楽天ポイントにもいえます。楽天の強みは、自身も認めるようにポイントを使ったエコシステムです。楽天ポイントがなければ、楽天の強みのほとんどは失われます。そのため、債務放棄をしてもらい、株主には価値ゼロになってもらっても、楽天ポイントだけは価値を残すだろう、というのがぼくの見立てです。

そもそもメリットはあるのか?

さて、この楽天ポイント利息、0.108%というのがくせ者です。銀行預金金利の0.001%に比べれば108倍。また、楽天銀行と楽天証券の口座を連携させたマネーブリッジの0.1%よりもわずかに高くなっています。

 

一方で、それでもわずか0.108%。1万ポイント預けても年に10円というのは高い低いというよりも誤差だともいえます。Twitterでは、「ポイント運用に入れた方がリターンが大きい」「投信買付に使ってしまった方が良い」という声もあります。

 

正直、この利回りでは使いようがないというが実際のところ。ただ、これは2つの意味合いを持つと考えています。1つは、これがけっこうなニュースバリューを持って楽天ポイントユーザーに受け入れられたこと。改悪ばかりが目立った楽天ポイントですが、「使うかどうかは怪しいけど、なかなかやるじゃん、楽天」という感じです。宣伝効果は大きいものがありました。

 

2つ目は、金利アップをインセンティブにつなげる道が開けたことです。今回は、0.108%ですが、今後例えば、「楽天モバイルに契約したら、利息が10倍の1.08%」なんてことが実現できるでしょう。さすがに1%台の利息となると、これは目の色を変える人が出てくるかもしれません。ベース金利は0.108%として、販促に使いたいときにキャンペーン金利を打ち出すということも可能でしょう。

 

1%の利息というとすごそうですが、ポイント付与率を1倍アップさせて1%上乗せするよりも、マーケティングコストが小さくて済むのはすぐに分かります。今後、これをやってこないわけはないと思っています。

 

www.kuzyofire.com

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