FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

2021年の投資を振り返る 株式編

米国市場は12月31日もやっているので、日本時間元旦の早朝まで相場は動いているわけですが、まぁだいたい1年が終わったという感じです。この1年の株式相場を振り返ってみたいと思います。

右肩上がりだった米国株価指数

米国株価指数はおどろくほど綺麗な右肩上がりの1年でした。下記グラフの通り、S&P500は29.5%の上昇、ダウも20.7%の上昇となり、コロナ禍が直撃した2020年(S&P500:16%上昇、ダウ:7.2%上昇)と比べても素晴らしい相場でした。

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ボックス相場になってしまった日本株

一方の日本株はどうだったかというと、TOPIXは11%上昇、日経平均は5.6%の上昇に留まりました。上昇……といってもそういうトレンドだったというよりも、激しくボックス圏で上下していて、たまたま年末が上向いているタイミングだったというようにも見えます。

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金利とインフレに踊らされた1年

2020年がコロナ対策とそこからの回復だったならば、2021年は金利の行方とインフレに踊らされた1年だったのではないでしょうか。ワクチン接種が進み、コロナからの回復はある程度見えてきた中で、市場の注目は緩和しまくった金融政策の行く末に向きました。

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金融緩和からの脱出は、まず(1)資産買い入れペースの鈍化=テーパリング(2)資産買い入れの終了=テーパリング終了(3)利上げ(4)資産売却=QT の順で進みます。まず11月に(1)のテーパリングを開始し、12月には、テーパリングが22年3月に早期終了することがアナウンスされました。明らかに引き締めに向けて急いでいます。

 

この後は金利の引き上げが待っていますが、2回ではなく3回を見込んでおり、引き締めペースが早くなっています。

 

背景にあるのは、想定以上に進んだインフレです。日本では輸入原材料の価格上昇によって小売製品にも多少の値上げがありますが、米国では激しいペースでインフレが進み、11月は6.8%にも達しました(エネルギーと食料品を除いたコアは4.9%)。

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どんな銘柄が上がったのか

では、米国のどんな銘柄がこの1年好調だったのかをセクター別に見てみましょう。市場平均を上回ったのは、エネルギーセクター(+48%)、不動産セクター(+41.7%)、ITセクター(34.9%)、金融セクター(33.0%)でした。

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例えば、エクソンモービル(XOM)とシェブロン(CVX)を、S&P500と並べてみると、パフォーマンスの良さがよく分かります。

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GAFA+Teslaでは、Googleの勝利

ではGAFAMにTeslaを加えたハイテクIT大手の株価はどうだったでしょうか。実は、最も好調に推移したのはGoogleで実に69.5%の上昇。続いてMicrosoft(57%)、Tesla(48.8%)、Apple(38.6%)と続きました。極めて不調だったのはAmazonで、わずか6.2%の上昇です。

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もっとも、コロナ前の2020年1月からのパフォーマンスを見ると、1000%を超えているTeslaは別として、Appleが+147.5%でトップ。そこに+115.5%のMicrosoft、+115.3%のGoogleと続きます。2年くらいのスパンでみると、少し出遅れているのはFacebookという感じでしょうか。

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2022年に向けてどうなるか?

ではこれらを踏まえて2022年の状況はどうなるでしょうか。市場のムードを表す「Fear&Greed Index」は、多少グリード(強欲)に傾いています。

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過去3年の状況を見ると、そこそこ高い状態という感じでしょうか。まだ強欲さ極まるというところまではいっていませんが、低い水準ではありません。

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では、シラーPERで市場の熱狂を見てみましょう。うーん。40倍を超え、2000年のITバブル期に近づいています。シラーPERの平均は16.9であり、40超えがいかに大きいかが分かります。ここから平均まで落ちたら、実に58%下落ということになります。

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正直、今回のインフレは原油高とサプライチェーン混乱によるもので、要因のほとんどは原油がらみと自動車の価格上昇です。インフレ数値が一人歩きして、賃上げにつながると、これは本格的にインフレへの歩みが止まらなくなりますが、さてどうでしょう。

 

ただ怖いのは、FRBがインフレを一時的ではないと見なして、引き締め策を固めていることです。企業業績は持ち直しているとはいえ、それを超えて株価が上がっていることはPERが示しています。この状態に金融引き締めが入ると、大きな株価下落がやってくるでしょう。

 

というか、FRBがこれだけ引き締めを示唆しているのに、「FRB方策の不透明感がなくなった」から株価上昇って、あまりに都合のいい解釈だとおもいませんか? いまやトレンドは株価ネガティブなものばかりで、モメンタム以外はあまり株価上昇の理由がないというのがぼくの見立てです。つまり、早晩どこかで大きな下落がくると踏んでいます。

ポジションをどうするか?

さて、ではどうするか? いくつかのオプションがあります。

 

1つは、ぼくはインデックス投資家であり、保有する個別株も長期的な成長を信じているものだけなので、下落があってもまた5年後にはトレンド回帰すると踏んで、そのままにしておく形です。PERのような市場ムードに沿って投資するのはリスクが高すぎます。いまが天井かどうかは誰にも分からないので、ここで売っても、買い戻しのタイミングが分からない。なら、そのままホールドという考え方です。

 

2つ目は、一部の株式ポジションを売却して、リバランスするというもの。この2年間で株式のポーションは大きくなりすぎました。現代ポートフォリオ理論に従うなら、ここは売却して、キャッシュまたは債券ポジションを増やすべきです。今が高値だと感じているならなおさらですね。

 

3つ目は、積極的に下落からリターンを得ようというもの。といっても、現ポジションを売却しては含み益に課税されてしまいます。ということで、各種ショートの出番です。場合によってはプット買いでもいいかもしれません。どこまでポジションを膨らませるかは悩みどころですが、極端な話、ロングと同額のショートを建てて、実質マーケットニュートラル(デルタニュートラル)にしてしまうという方法だってあります。

 

どんなオプションがいいのか。これは年始にかけて、いろいろと考えてみたいと思います。Twitterなどで、ぜひディスカッションできると幸いです。

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