FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

インフレ、利上げ、円安。この状況での投資手法を考える(1)

米国株絶好調だった数年前とはうって変わり、株式投資が厳しい状況になりました。リーマンショック後に投資を始めた人の中には、どんな投資をしたらいいのか悩む人もいるかもしれません。いや、リーマンショック前から投資をしている僕も、悩み人の一人。どんな選択肢があって、どう悩んでいるのか、まとめてみたいと思います。

1 インデックスを黙々と積立

まず1つ目の選択肢が、株式インデックスを黙々と積み立てる方法です。米国株か世界株かの選択はありますが、世界株の5割以上が米国株であることを考えると、この2つは似たりよったり。基本的には、全世界的な長期の経済成長に伴う株式成長にベットするものになります。

 

まずメリットは、今はそこそこ株価水準が安いということ。まぁそこそこと書くには理由があって、高値水準ではなくなりましたが安いというほどではなく、株価が高値から底へ振れるという観点からいうと、まだけっこう高いともいえるのです。

上記はS&P500のPER。平均は15.98で中央値は14.91。対して現在は19.52です。まだまだここから下がるともいえますし、「株式が安くなったから買おう!」と感じるほどの水準ではありません。

 

でも株式インデックスというのは、今が高かろうか安かろうがそういう判断を挟まずに定期的に買い付けることで、最大の効果を発揮するものです。インデックス黙々派が見つめるべきはPERのチャートではなく、下記のチャートでしょう。

2 債券などフィクスドインカムを買う

フィクスドインカムは利率が固定された投資先です。国債や社債がメジャーな商品になります。なぜこれにいま関心が集まるかというと、非常に利回りが上昇しているからです。

 

米国債のYIELD(利回り)を見ると、短期から長期までことごとく4%を超えています。つまり、今米国債を買えば満期まで4%リターンが保証されているというわけです。

さらに、社債などではそこに信用スプレッドが乗って、もっとリターンが上がります。4%超のリターンが保証されているって、なかなかよくありませんか?

 

もちろんリスクもあります。名目の国債利回りは、インフレ率+実質金利で表されます。つまり現在の米国債は高いインフレ率に支えられているわけで、上がったとはいえ購買力としての実質金利は1.6%程度でしかありません。

実質金利(米国・アメリカ)の推移とチャート・速報

でもここで気になるのは、その実質金利は米国内の話だということです。米国では国債金利が高くても、インフレで物価も上昇するので、実質利回りは1.6%だという話です。これが日本から見たらどうでしょう? 良くも悪くも日本はインフレではなく物価はまだ安定しているほうです。なので、為替が一定ならば4%超の利回りをそのまま購買力の増加として享受できる環境です。

 

当然、こんな美味しい話が続くはずはなく、通常これは為替によって調整されると経済の教科書は語ります。つまり円高になることで、ドルの日本での購買力が落ちて、米インフレ分が調整されるということです。

 

ところがこれは本当に長期の話です。購買力平価でいったらドル円50円でもおかしくないと言われたのは、この円安が始まる前でした。今はさらにインフレ率に差があり、金利差もあるので、長期で見れば円高が進行するはずなのです。

 

ところが短期では、円高どころか金利差を理由に円安が進んでいます。つまり、ドルを買って米国債に投資すると、一石二鳥というわけです。

 

もっとも国債のリスクはインフレと為替だけではありません。それは金利変化によって債券価値も変わる点です。いまなぜこんなに国債利回りが上昇したかといえば、シンプルに国債価格が下落したからです。今後も、FRBによって金利が上がり続けるならば、債券価格は引き続き下落します。

 

下記は期間の異なる3種の米国債ETFの年初来価格の推移です。急速に価格が下落し、期間が長いほど下落率が大きいことがわかります。

なぜそうなるのかは下記の記事でも読んで頂くとして、このまま利上げが継続するなら引き続き債券価格も落ちていきます。4%程度の利回りを得ても、年間20%とか40%近く元本が減少しては元の木阿弥というわけです。

 

そのため、債券投資の場合、利上げがいつ止まっていつ利下げに入るかを見極めることが重要だったりします。僕は下記の記事のような金利見通しを持っているので、債券投資をするにせよ、まだもう少し先かな? という思いもあります。

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さて、インデックス投資とフィクスドインカム(米国債)投資について検討してみました。長くなりましたので、そのほかの投資手法については、次回(2)にて考えてみます。

 

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