世界トップの仮想通貨取引所がBinanceなのは揺るがないとして、ここ数年で一気に躍進した取引所FTXが破綻の危機にあります。何が起きたのか、そしてどうなってしまうのでしょうか?
経緯 Twitterや報道から
仮想通貨業界は世界各地に散らばっていて、上場しているわけでもない(米Coinbaseを除くと)ので、記者が入り込んで追いかけている企業はほぼありません。そしてJTCなら当たり前のメディアへのリークなんてこともせず、トップ自らがTwitterで情報を発信するという、イーロン・マスク的なスタイルが当たり前です。
そのため「経緯」といっても、当事者たちが都合のいい情報を流しているだけという見方もできます。とはいえ、ほかに情報がないので、その大本営発表と、対する世間の反応という感じで追ってみます。
- 米メディアCoindeskからAlameda(FTX CEOの運用会社)の運用についてヤバいというリーク記事
- Binance CEOのCZが、FTXの取引所トークンFTTを売ると発言
- FTTが暴落
- FTXユーザーが一気に資金引き上げ(取り付け騒ぎ)
- FTX流動性危機
- FTX、各所に救済要請。Binanceにも
- Binance CZがTwitterで「買収で合意」発言
- Binance CZが翌日Twitterで「問題は我々の管理能力を超えている」と買収撤回
- FTX、1.1兆円の資金投入ないと破産法適用が必要という記事
これらを受けて、FTXのCEOがTwitterでコメントもしています。
【超要約】FTX CEO SBFのBinanceとの買収交渉決裂後、初のTwitterでの発言:
— SOU⚡️全財産ビットコイン (@SOU_BTC) 2022年11月10日
-私は失敗した、申し訳ない。
-FTX USユーザーは無事
-FTX Globalは現在、資産/担保の時価総額が顧客預かり金を上回っており、あくまで手元の流動性が足らないだけ
-資金調達に動いている
-Alameda Researchは取引を縮小 https://t.co/x9mXQKiPzP
ここにいたるちょっと前
この流れを見て、FTX破綻危機の引き金を引いたのは、FTTを暴落に導いたBinanceだという声もあります。というのは、以前からBinanceとFTXには確執があったからです。
- 以前BinanceはFTXを支援し、大量のFTTを購入
- FTXが大きく成長し、競合に
- FTXのCEOアフロは米国で自社に有利になるようロビー活動
- Binance CZが「「他の業界プレイヤーを損なうようなロビー活動を行う人々は支持しない」とツイート
もちろん、こちらについては憶測でしかありません。一方で、BinanceにとってFTXが無視できる存在ではなく、強力なライバルになってきたのも事実でしょう。
仮想通貨暴落?
さてこの騒動を見て、仮想通貨暴落!と煽る人もいますが、うーん。そうでもないですね。BTCは5日間で約19%程度の下落です。
年初来で見ると、BTCJPYで54%、BTCUSDで63%の下落で、Metaの株よりもマイルドだったりします。下落の大きさも、6月などに比べて大きいというほどでもありません
どちらかというと、ステーブルコインのほうに影響があるようで、USDTのチャートはこうです。
これは、LUNA/UST騒動のあった5月と似た状況です。
一方で、USDCは逆にこんなチャートになっていて、ステーブルコインが壊滅というよりも、質への逃避が起きているようにも見えますね。