FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

短期運用で東証版PFFD【2866】を買ってみる


7月は優待クロスの枯れる月で、8月も制度クロスがメインになると考えると、けっこうな金額が遊ぶことになります。これを短期間ですが低リスクで運用できないか? ということで考えていたら、Twitterで教えていただいたのが東証版PFFDの【2866】です。

 

グローバルX 米国優先証券ETF 【2866】

こちらは、米国のETF「Global X U.S. Preferred ETF(PFFD)」に投資する東証上場のETFです。PFFDとはなにかといえば、Preferred Stock=優先株に投資するETFです。

 

優先株は、通常の株式よりも配当や倒産時の残余財産の分配などが”優先”される株式です。ちょうど債券と株式の間、メザニンと呼ばれる場所に位置します。ざっくりいえば議決権などに制約がある代わりに、配当額が多くなっている株式だともいえます。

優先株と劣後ローン(劣後債)との違いはこちら

このPFFD、直近の配当利回りは6.51%(YahooFinance)にのぼります。もっとも株価は直近下落しており、YTDのトータルリターン(配当込み収益率)は3.21%です。また毎月分配というのも特徴です。

 

運営はGlobal Xで、似たような銘柄にBlackRockのPFFがあります。2007年組成のPFFに比べると設定は2017年9月で比較的新しく、純資産額(AUM)もPFFが13.2B$なのに対し、2.3B$となっています。PFFに対するアドバンテージは経費率でしょう。PFFは0.45%、PFFDは0.23%です。

 

PFFは米国株として買い付けるしかありませんが、PFFDは東証上場のため円建てで購入できるのも特徴です。

PFFDと2866の違い

そんなPFFDの東証版2866ですが、経費率は0.2575%とPFFDの0.23%と遜色ありません。設定日は2022年9月とまだ登場から1年経っていません。ということで、設定来のチャートをPFFDと並べて置いてみると、少しパフォーマンスに差が出ています。

  • PFFD -5.56%
  • 2866 -7.82%

あれ? と思いましたが、これはどうやら為替ですね。この間、多少の円高が進みましたが、PFFDはドル建てのパフォーマンス、2866は円建てのパフォーマンスだからです。そこで両方とも円建てにそろえてみました。こうするとほぼ同等のパフォーマンス(PFFD:-6.50%、2866:5.65%)だということがわかります。

分配金は毎月

PFFDと同じく、2866も毎月分配です。基準日は毎月10日でこれまで100口あたり400円を継続的に出してきました。ただし7月からは500円にアップしています。1口919円なので、919,00あたり400円、月次利回りは0.54%になります。直近の分配金が12ヶ月続くなら、年間利回りは6.52%となるわけで、なかかなの高配当となります。

 

2866はPFFDに比べてメリットもあって、それは外国税額控除が不要という点です。外国株式からの配当は、現地で10%課税されたあと、さらに(残りに対して)国内で20.315%課税されます。この現地10%課税分は外国税額控除を行うことで、条件付きながら取り返せるのですが、それには確定申告が必要でした。ところが2020年から投資信託の制度が変更され、投信の内部的に外国税額控除に相当する処理が行われ現地課税分が調整されるようになったのです。

 

そのため、下記のようなメリットがあります。

  • PFFD 外国税額控除が必要
  • 2866 自動的に調整される

またPFFDの場合は円をいったんドルに替えてから購入するため、為替手数料がかかります。2866も内部的には同じ処理が行われていると思いますが、個人が証券会社で行うよりも小さな手数料でやりとりされているでしょう。

 

さらに売買手数料にもメリットがあります。楽天証券では2866は手数料無料ETFにあたり手数料無料。これは大きなメリットです。

短期の投資先として?

比較的値動きが大きい2866ですが、短期の資金運用に使ってみようかと思案しています。10日が分配金の基準日ということは、n+2日なので7月8日には保有している必要があるという感じでしょうか。

 

こうした毎月分配銘柄は、毎月基準日に向かってジリジリ株価が上昇し、権利落ちすると分配金の分だけ株価も下落するという動きを見せます。そこに、優先株自体の株価変動が乗る形で値動きが構成されます。さらに2866の場合は為替変動が乗る形になります。

 

さて優先株の動きはどうかというと、比較的株式に連動した動きをしています。配当を再投資した場合、S&P500に近いレベルのリターンを出してきたのですが、株価が大きく上昇するタイミングでは置いていかれる傾向にありました。直近1年間も、3月までは配当再投資の場合で、S&P500と遜色ないパフォーマンスだったのですが、4月以降の上昇にはついていけていません(グラフはSPX、PFF、PFFD、配当金再投資)。

分配金利回り自体は高いので魅力的ではあるものの、今の情勢だとあまり長期で持ちたい感じでもないですね。

 

というわけで、7月の基準日をまたいで少し2866を購入してみようかと思っています。

 

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