8月から完全FIREしたため、収入が途絶えました。つまりここからは、資産の取り崩しで生活するモードに移行するわけです。世の中に、お金の貯め方と投資による資産形成の仕方についての情報はいろいろありますが、残念ながらお金の取り崩し方と守りの資産運用についての情報はほとんどありません。
さて取り崩し方をいろいろと考えるに当たっても、重要なのはその管理方法です。いったい一ヶ月でいくら使ったかを把握できなければ、取り崩し法を評価することだってできません。
一ヶ月の生活費はいくらなのか、いったい資産からどれだけ取り崩したのか。これをどう管理して把握するかについて考えてみます。
マネフォではダメなのか
生活費の把握というとマネーフォワードMEが最初に頭に浮かびます。いわゆるクラウド家計簿ソフトです。もちろんこれは必携のソフトであって、これまでも細かな分析に利用してきましたし、法人の経費集計にも活用してきました。
ただ分析にはいいのですが大雑把な把握という意味では別のやり方も模索したい。考えているのは、銀行口座の残高を見て生活費を管理するという古典的な方法です。いわば、財布の中に現金を入れておいてこれで一ヶ月生活するよう管理するみたいなやり方です。
口座残高を常に100万円に保つ
生活費口座としては住信SBIネット銀行を引き続き使う予定です。アプリのUIが優れていて使いやすいのと、カードレスでATMが使えること、そして月間無料振込回数が20回もあるのが理由です。
まず月末に残高が100万円になるように、資産運用用の銀行口座から振り込みます。この100万円というのが毎月のスタートになるようにするわけです。100万円は区切りのいい分かりやすさと、海外旅行にでも行かない限りは月間生活費としては十分だろうということから設定しています。
生活費は全部この生活費口座である住信SBIネット銀行から引き落とします。また現金もアプリATM機能を使って引き出します。月末に40万円になっていたら、その月の生活費は60万円だったということです。シンプルでたいへん分かりやすい。
投資/法人/個人事業主の収入
使う方はそれでいいとして、入ってくる方も考えておく必要があります。今後、現金が入ってくる道は大きく3つあります。
- 投資からの収入(配当や売却益など)
- 法人事業からの収入(太陽光売電代や不動産賃料)
- 個人事業主の収入(ブログ広告、メディア取材報酬など)
今回、個人としては開業届を出しており「個人事業主」としてわずかですが収入を得るつもりでいます。そしてこの収入については、住信SBIネット銀行の生活費口座に入金するようにします。
投資収益と労働収益(+生活費)を切り分けるという考え方です。今後、年金を受給するようになったら、それも生活費口座に入金するようにする考えです。
これにより、次の計算になるでしょう
- 生活費=労働収益(年金収入)+資産からの取り崩し
月末に100万に不足している分を入金するわけですが、これがちょうど「資産からの取り崩し額」になるわけです。
逆に、優待クロスでもらったクオカードの売却益などは、今後は生活費口座ではなく投資用口座に入金することになります。これによって、資産からの取り崩し額を正確に把握しようというわけです。
建て替え経費の送金が必要
もう一つ、支出面でも調整しなくてはいけない点があります。投資や法人の費用を個人側で建て替えた場合、その分を入金してあげなくてはいけません。いわば建て替え経費の精算です。これは次のようなものが考えられます。
- 法人の固定資産税の立て替え払い(都度)
- 仮想通貨やFXなどの所得税の立て替え払い(年1回)
- 毎月のクレカ積立の立て替え払い(毎月固定額)
逆に、個人の支払いを投資口座(法人口座)側で建て替えるものもあります。主にあるのは、健康保険料と厚生年金保険料です。これは事業主側と折半となっていますが、個人側の支払いも給与天引きが基本でしょうから、いずれにしても法人側の口座で全額を支払うことになります。これは個人の支払い額を法人が建て替えているわけですから、これも精算しなくてはなりません。
また一応法人から毎月給与(役員報酬)を出すのですが、これは生活費口座に払い込むのではなく、投資用の個人口座に払い込む形にする予定です。お金をグルグル回すだけの形ですね。
投資損益の精度アップにも
このように投資/法人口座と、個人の生活費口座のお金の流れを完全に分けることで、別のメリットもあります。投資における現金同等物を扱う「オルタナティブセグメント」のリターン精緻化です。
オルタナティブセグメントのリターンがおかしなことになって久しいのですが、おそらく個人口座とのお金のやりとりが少しルーズになっているせいではないかと考えています。建て替え経費の相互の精算は厳密にはやっていなかったからです。
今回、このようにルールを決めて現金の動きを管理することで、生活費にしても現金同等物の運用パフォーマンスにしても、もう少し精緻に把握できるのではないかと考えています。