FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

【ガチ計算】メルカリの売上金、手数料払っても出金したほうがいいの?

メルカリで不用品を売却していると売上金が貯まります。しかしこれを銀行口座に出金するには手数料が必要になります。果たして、手数料を払っても急ぎ出金したほうがいいのでしょうか? 判断にはどんなパラメータがあるのでしょうか。考えてみました。

手数料200円の意味

メルカリの売上金を出金するには手数料200円がかかります。手数料がもしゼロ円なら、すぐに出金したほうがいいのは間違いありません。売上金よりも銀行口座の円のほうが、柔軟で保護されており、すべてにおいて勝っているからです。

 

この200円がかかることが、検討を難しくしています。200円かかって出金したほうがいいのか? でも売上金が300円だったら手数料200円払うのはもったいない。1000円だったらいいのか? それとも1万円が貯まるまで待つべきなのか?

 

それを合理的に考えてみようというのが今回の趣旨です。

機会損失で考える

こういうことを考える場合、いくつかアプローチがありますが、今回は機会損失で考えてみます。もし200円をケチって売上金をメルカリに置きっぱなしにしていたら、どんな損失があるか? という考え方です。

 

銀行口座にお金が全然なくて、生活のためにメルカリからお金を引き出す必要があったとします。この場合手数料200円を仕方ないと考えがちですが、実はそうでもありません。200円を払う代わりに借金をするという手があるからです。

 

仮に売上金が10万円、生活のために必要なお金も約10万円だとしましょう。この10万円を得るために、売上金を出金するコストは手数料の200円です。一方で、10万円をキャッシングやカードローンで借りた場合、15%ほどの金利がかかるでしょうか。これを比較するわけです。

 

10万円に対する金利15%は、年間で1万5000円。1日あたりにすると約41円です。これが10万円を入手するためのコストだということです。メルカリ出金手数料200円と比較すると、5日間借りるならメルカリに手数料を払って出金したほうが良いということになります。

 

別の視点でも考えてみましょう。メルカリの売上金には利息は付きませんが、出金すれば運用が可能になり一定のリターンが期待できます。期待リターンを仮に6%と置いてみましょう。

 

10万円を6%で運用すると年間で6000円、1日あたり16.4円が得られます。つまり、10万円を出金しないで13日おいておくなら、200円払っても出金して運用したほうがよいということです。

一般化してみる

ではこれを一般化してみましょう。金額がx円として、期待リターンが6%のとき、収支が均衡する、つまりこの日数を超えるなら200円を払っても出金したほうが得だという日数は、次の式で表されます。

均衡日数 =(200円 x 365日)/(6% x X円)

グラフにするとこうなります。金額が大きくなるほど、均衡までの日数が短くなることが分かります。

どうやら変節点は数万円のあたりにありそうです。ズームアップしてみましょう。このとおり、金額が2万円を超えたあたりから200円を払っても出金したほうがいい日数が急速に短くなっていくことが分かります。

具体的には、下記のような日数が均衡点です。

  • 1万円 約122日
  • 5万円 約25日
  • 10万円 約12.7日
  • 20万円 約6.08日

なおこれらの計算は6%で運用できるという期待値の場合でした。最初に出した15%で借金するのと200円払って出金するのとどちらがいいか? と比較するとどうでしょう。この利回りが大きくなると、均衡日数が小さくなります。具体的には下記のようになります。

  • 1万円 約49日
  • 5万円 約9.7日
  • 10万円 約4.87日
  • 20万円 約2.43日

逆に期待利回りが小さくなれば、均衡までの日数は長くなります。例えば現在の銀行預金利回りである0.001%の場合はどうなるでしょうか。

  • 1万円 約73万日 ≒ 2000年
  • 5万円 約14万6000日 ≒400年
  • 10万円 約7万3000日 ≒200年
  • 20万円 約3万6500日 ≒100年

とんでもない日数になりました。銀行預金の利息をあてにしてメルカリから出金するのは、200円の手数料をカバーするのに天文学的な日数が必要だということです。

 

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