FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

三井住友カードの「選べる無料保険」にスマホ保険登場 使えるか分析

三井住友カードが「選べる無料保険」を9月1日から強化し、スマホ保険や弁護士保険、ゴルフ保険を追加しました。どのカードでどの保険を選ぶのがいいか、考えてみます。

カード付帯保険を選択できる

「選べる無料保険」とは、クレジットカードに付帯する保険をユーザーが選べるようにしたものです。普通のカードは「海外・国内旅行保険」が付いていることが多いのですが、別の保険に変更できるようにした仕組みです。

 

海外・国内旅行保険は便利なのですが、ぼくのようにあまり旅行に行かない人にとっては無用の保険だったりします。また、複数カードを保有している場合保険金額が合算される項目もあり、オーバースペックになってしまうことも。一方で、スマホ保険や個人賠償責任保険などは、昨今必須の保険になってきていて、別途保険料を払っている人も多いハズです。というわけで、「選べる無料保険」はいい取り組みだと思っています。

スマホ保険、弁護士保険、ゴルフ保険

これまでも「海外・国内旅行保険」「個人賠償責任保険」「携行品損害保険」「交通事故限定入院保険」の中から、好きな保険を1つ選ぶことができました。今回ここに、「スマホ保険」「弁護士保険」「ゴルフ保険」が追加になりました。

ゴルフ保険は、打球をほかのプレーヤーに当ててしまった場合などの法律上の損害賠償責任、ゴルフクラブの破損などを補償する保険です。ホールインワン保険も入っています。

 

弁護士保険は、他人にケガを負わされた、モノを壊されたなどの事故により被害に遭った際に、弁護士費用などや法律相談費用を補償する保険です。損害賠償請求の相談、実施の場合の費用が対象で、弁護士がらみすべてが対象ではないのは注意が必要です。

 

スマホ保険は、破損・故障・盗難にあった場合に補償される保険です。内容はほかのスマホ保険とだいたい同じですが「購入から2年以内」のスマホが対象で、事前登録は不要ですが、補償対象は1台だけ。つまり一度保険金を請求したら、そのスマホ以外は請求できなくなる点は注意でしょうか。

カード種別ごとの違い

これらの保険は、カード種別によって補償金額が違います。大枠をまとめました。

三井住友カードのランクは、大きく3つに分かれることに注意が必要です。まぁ年会費の差ですね。年会費無料(にできる)カードはすべて最下位ランクになります。

  1. 最上位:プラチナカード
  2. 中央 :プラチナプリファード、素のゴールド
  3. 最下位:ゴールド(NL)、ノーマルカード

その上で、ランクごとの補償状況を見てみると、プラチナカード以外はけっこう微妙なことが分かります。

弁護士費用は20万でギリギリか?

まず弁護士保険です。法律相談についてはカードランクに差がなく10万円ですが、弁護士費用は5万から300万円と幅があります。こちらの「弁護士費用はどのくらい?」の記事によると、まず相談料は30分~1時間あたり5000円程度が多いということで、10万円あればまぁ足りそうです。

 

一方で、損害賠償請求実務については相場が下記だそうです。

  • 交渉請求 着手金10万円、成功報酬賠償金の16%程度
  • 民事訴訟請求 着手金20万円、成功報酬賠償金の16%程度

となると、プラチナプリファードの20万円がギリギリで、最低ランクのカードの場合すべてを保険で賄うというわけにはいかなそうです。ちなみに、最高ランクのプラチナカードの300万円は、自動車保険に付帯の弁護士特約と同レベルの金額です。

スマホ保険は意外と使える?

スマホ保険は意外と使えるという印象を持ちました。というのも、最も利用頻度が多い請求は画面割れだろうからです。iPhone14の場合の画面割れ修理費用はAppleの場合で下記の通りです。

  • iPhone14 42,800円
  • iPhone14 Pro 50,800円
  • iPhone14 ProMax 56,800円

最高ランクカードなら上限10万円なので十分に足りますし、プラチナプリファードレベルでも5万円出ます。最下位ランクのカードでも3万円(免責1万円)が出るので、実質2万円引きで修理できることになります。

 

ただし、スマホ保険については注意点があります。

個人賠償責任が意味があるのは最上位ランクだけ

個人賠償責任保険はというと、意味があるのは最上位ランクカードだけかと思っています。というのも、自転車事故で他人を死亡させてしまうというあり得るリスクを考えると、最低1億円の個人賠償保険に加入すべきです。

 

個人賠償保険は、単体/家財保険特約/自動車保険特約などがありますが、いずれも普通は1億円以上です。そして家族全員が対象になります。

 

つまり、最上位ランクカードなら1億円に達しているので、他の特約を止めて三井住友カードの選べる無料保険に集約するという選択肢がとれます。しかし100万円や10万円の補償額では、個人賠償責任保険の額としては不十分。なのでほかの1億円クラスの保険に入る必要があるので、保険自体の意味がないということです。

携行品は対象となる品物は限られる

携行品損害補償は、自宅外で携行する身の回りの品が、破損や盗難に合ったときに補償してくれるものです。金額は最低ランクから3万/5万/25万と意外と使えそうに思います。

 

ただし、対象外の品がかなりあることに注意です。下記が対象外です。

  • 船舶、航空機、自動車、自転車、ラジコン模型
  • 携帯電話(スマホ)、ノートPC、ウェアラブル端末
  • 義歯、コンタクトレンズ、眼鏡
  • 動物、植物
  • 株式、有価証券、電子マネー
  • 釣具
  • 本などの原稿や設計図
  • 記録媒体に記録されたプログラムやデータ

つまり利用できそうな対象としては、カメラ、衣服、アウトドア用品、カバンくらいでしょうか。こういう保険は、いざ申請してみると「対象外です」と言われることも多く、ちょっと使えるか不安です。

カード1枚ごとに保険を選択できる

低ランクカードにとっては微妙な点もある選べる無料保険ですが、大きな魅了もあります。それは複数カードを保有している場合、そのそれぞれで申し込めるということです。つまり、

  • プラチナプリファード:スマホ保険
  • ゴールド(NL):携行品
  • 一般:弁護士費用

なんてことも可能だということです。ただし同じカード名称でVisaとMastercardの両方を持っている場合、同じ保険になります。ゴールド(NL)Visaとゴールド(NL)Mastercardとか、多そうです。

変更は1年ごと

保険を選べるということで、例えば普段はスマホ保険に入っておき、海外旅行に行く直前に旅行保険に切り替えるということができると便利です。実際はもちろん対策されていて、保険を選択(海外・国内旅行保険から切り替え)した場合、1年間はその保険が継続になるそうです。

(例)
お申し込み日:2022年4月18日
補償開始日:2022年5月1日
補償期間:2022年5月1日~2023年4月30日

そしてその後何も手続きをしなければ、同じ保険が継続になります。変更する場合は補償期間が終わる前月20日までに申し込む必要があります。3ヶ月前から、変更手続きを申し込めるということです。

ぼくはどうするか?

概略的な情報を掴んだうえで、ではぼくはどうするかです。現在僕が持っている三井住友カードは下記の通りです。

  • 三井住友プラチナプリファード
  • 三井住友カードゴールド(NL)Visa・Mastercard
  • 三井住友カード(NL)Visa
  • 三井住友カード ビジネスオーナーズ Visa・Mastercard
  • Oliveフレキシブルペイ
  • Visa LINE Payカード(※選べる保険対象外)
  • Visa LINE Payポイントプラス(※選べる保険対象外)

セカンドランクのカードが1枚、低ランクカードが4枚あることになります。

そして個人賠償保険は自動車保険の特約に入っているので不要です。

 

また、スマホ保険はミライノカードGOLD(JCB)を保有しており*1、年会費CBで無料で補償を受けています。ただしミライノカードGOLDのスマホ保険は、いろいろと制約があるため一つくらいは追加の保険に入っていてもいいですね。

 

では中位ランクのカードはどの保険を選択するか。先日海外に行ったときはプラチナプリファードの利用付帯・障害疾病補償を使ったのですが、現在、ぼくは楽天プレミアムカードがあります。こちらは障害・疾病が自動付帯でそれぞれ300万円付きます。ならば、海外旅行保険はこちらに任せておいてもいい。

 

となると携行品か?弁護士か? 弁護士は一見便利そうですが、損害賠償請求を相手に行うシーンがほとんど想像できません。そして携行品は、カメラが趣味ならありなのでしょうが、壊れたりなくして困るもののほとんどは対象外です。

 

あ、もう一つ注意点がありました。家族カードを発行している家族会員の保険は、本会員と同じものになるのです。そしてぼくはプラチナプリファードの家族カードも発行しています。となると、家族の海外旅行時の保険を考えざるを得ず、ここはそのまま旅行保険でいいような気もしています。

 

なかなか選択が難しいところですが、残った4枚の低ランクカードについては、下記の4つのそれぞれに入っておこうかと思っています。

  • 弁護士保険
  • 携行品損害
  • スマホ保険
  • ケガ安心保険

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*1:そういえばミライノカードGOLD(JCB)は2023年11月で新規申込終了ですね