11月10日にイーサリアムが11%近い急騰を見せました。日本円で価格は31万7000円程度となっており、年初来99.3%の上昇。今年大きく上昇したビットコインを追って、2023年はクリプトの年になりそうです。
イーサリアムETF申請期待がきっかけ
イーサリアム急騰のきっかけとなったのは、米ブラックロックがイーサリアムの信託を登録したことです。これがイーサリアムETFの申請準備ではないかと見られたことが、価格上昇期待につながりました。
これはビットコインETFと全く同じ構図です。ビットコインETFはこれまで先物ベースのものしか認められていませんでしたが、伝統的な資産運用会社大手が相次いでビットコインETFの申請を出したことで、価格が急上昇しました。
米国ではビットコインやイーサリアムは「商品=コモディティ」という位置づけですが、これが信託にくるまれてETFとなり株式市場に上場すれば、株式と同様に取り扱うことができるようになります。つまり株式以外投資できなかった機関投資家も、ETFを通じてクリプトに投資できるようになるわけです。
企業収益などから本質的な価格を計算できる株式などとは違い、クリプトは金と同じく本質価格が計算できません。基本的には需給と思惑で価格が決まるわけで、機関投資家マネーが流入すれば需給が大きく変わり、価格上昇圧力が生まれます。そしてその思惑から、ETF申請が見込まれるだけで価格が上昇するという構図です。
22年5月以来の高値
とはいえイーサリアム価格は、過去最高値を付けた2021年11月の52万8000円の6割でしかありません。最高値を超えるには、さらに倍になる必要があります。
下記はビットコインとイーサリアムの年初来価格推移です。現在のクリプトはETF期待を軸に価格が動いており、先行したビットコインを追う形でイーサリアムの価格が動いているのが分かります。
一方で現在のクリプトは、完全にビットコインとイーサリアムです。現在のビットコインドミナンスは51.52%と、21年4月ぶりに過半となりました。直近1年のビットコインドミナンスを見ると、ビットコインとイーサリアムの比率が増え続けた1年だったということが分かります。
時価総額3位のUSDT、BNBはともに比率を落としており、クリプト冬の時代には、やはりビットコイン・イーサリアムという本家本元が強いということを再確認させてくれました。
ただし仮想通貨が活況を帯びると、ビットコイン・イーサリアムよりもアルトコインが優勢になってきたのが過去です。17-18年が典型ですが、クリプト市場が盛り上がるとビットコイン以上にアルトコインに投資が入って百花繚乱となり、バブル市場となります。
NHK 市民X 謎の天才「サトシ・ナカモト」
そういえば、週明け月曜日13日にNHKで「市民X 謎の天才「サトシ・ナカモト」」が放映されます。
名前も、金も、名誉も要らぬ──。正体不明、動機不明の謎の存在「市民X」が社会を揺り動かした出来事の真相に迫る新シリーズ▼今世紀最大級の技術革新、ブロックチェーン(事実上、改ざん不可能な分散記録システム)を世に放ったビットコインの生みの親「サトシ・ナカモト」。2008年、世界金融危機の中、突如現れ、こつ然と姿を消した存在は何者か?“現代社会、最大のミステリー”とされる謎めいた存在の光と影、功罪に迫る
ということで、リバタリアンとしてサトシ・ナカモトの思想に共感する身としては、これは見逃せません♪