本日10月24日、ビットコインの価格が急上昇し日本円で500万円を超えました。2022年4月ぶりです。年初からの上昇率は+132%。株式が不調な中、素晴らしい上昇を見せてくれました。
ビットコインETF承認期待が後押し
仮想通貨の価格を動かすネタは常にいろいろとありますが、この数ヶ月ほどは「ビットコインETF」の話題ばっかりです。今回、グレースケールの主張を高裁が支持し、またBlackRockが申請中のビットコインETFのティッカー(IBTC)がナスダックに精算業務を提供するDTCCの管理リストに掲載されたことで、登場が間近だという期待が価格を押し上げました。
年初から+132%
2023年のビットコインは好調です。年初から大きな下げもなく右肩上がりで価格が上昇し、リターンは+132%にも達しています。
これは最高値700万円を付けたあと、ずっと下り坂となった2022年とは対照的です。
年初からのビットコインの価格推移を、日経平均、S&P500、そして金と比較してみましょう。日経平均はかなり好調で+38.15%。S&P500は+10.2%ですが円安効果があり円建てだと+26.5%です。このところ好調な金も+23.8%。しかし、これらとは別格のリターンを出したのがビットコインだったわけです。
仮想通貨をポートフォリオに組み入れる意味
ぼくはポートフォリオの一部にビットコインを組み入れています。正確には
- ビットコイン 約3%
- イーサリアム 約3%
- 金インゴット 約3%
をオルタナティブ投資先として保有しています。これの意味は大きく2つあります。一つは、ポートフォリオのリスクを下げ、シャープレシオを改善する効果があること。現代ポートフォリオ理論は、あるアセットクラスと逆相関・無相関のアセットをポートフォリオに組み込むと、全体のリスクを減少させられることを示しています。
では、ビットコインと株式の相関はどうだったのでしょうか。直近1年の相関を示したのが下記です。ナスダック(赤)とS&P500(緑)は比較的似た動きですが、ビットコインとの相関は、1に近い強い相関から、-1に近い逆相関までを行ったり来たりしています。全体で見れば相関は小さいということです。
さらに、金(黒)との相関もプラスだったりマイナスだったりバラバラです。そしてもちろん、株式と金も相関はバラバラ。つまり、ビットコイン/金/株式という3つのアセットを保有することで、分散がうまく働き、ポートフォリオのリスクを軽減させられるということです。
もう一つはシンプルなリターンです。下記は、よくあるアセットクラス別の年次リターン一覧です。一番上にあるのが、各年で最も高いリターンを出したアセットクラスです。
ではここにビットコインも並べてみましょう。
- 2014年 ▲58%
- 2015年 +35%
- 2016年 +125%
- 2017年 +1331%
- 2018年 ▲73%
- 2019年 +95%
- 2020年 +301%
- 2021年 +90%
- 2022年 ▲81%
ものすごいボラティリティではありますが、年平均リターンを計算すると33.98%になります。つまり様々なアセットクラスの中で、10年以上に渡ってトップクラスのリターンを出しているアセットだということです。
下記は、2011年から12年間のビットコイン価格の推移です。ただし縦軸が対数であることには注意してください。見事な右肩上がりの価格推移だと思いませんか?
ビットコインについては、現実世界で何も生み出さないとか、特に伝統的なアセットクラスを好む投資家からは非難されることも多々あります。それでも特異なトレードテクニックや銘柄選定眼を必要とせず、最もメジャーな仮想通貨を保有していただけで、数多くの億り人を生み出してきたのがビットコインです。ボラティリティの激しさにさえ目をつぶることができれば、たいへん有望なアセットクラスです。
ポートフォリオの分散に貢献すること、最も過去リターンが高いアセットクラスであること。この2つの観点から、ポートフォリオにわずかにビットコインを入れることは効果的だと考えているわけです。