ビットコインが好調です。12月6日には一時650万円をつけました。年初は217万円であり、+196%。約3倍になっています。21年11月に付けた高値は733万円。その更新も視野に入ってきました。
ぐんぐん上場するビットコイン
個別株(Metaとか)を除けば、今年最も上昇しているアセットクラスは仮想通貨、そしてその時価総額の半分を占めるビットコインでしょう。年初来3倍です。
日本円では650万円といったところですが、ドル建てでは4万4000ドル。下記は直近5年のビットコイン円建て/ドル建てのチャートです。途中から線が乖離しているのは、為替レートが大きく円安に動いたから。
これを見ると、日本円では最高値である21年11月の730万円まであと一歩ですが、ドル建てでは最高値6万5000ドルまでは道半ば。あと2万1000ドル上乗せ、つまり1.5倍になる必要があることが分かります。
逆に、もしドル建てで最高値を更新したら、現在の為替レートなら950万円超えとなり、1000万円が視野に入ってくることになります。
目指すは来年2024年春の半減期
さてビットコインの価格トレンドといえば半減期です。
仮想通貨ヘッジファンドPantera Capitalのレポートに掲載されたこの図は、半減期の説明のときによく出てくるものです。約4年おきに、マイニング報酬が半分になることを半減期といいます。英語では「Halving」上のチャートで白い縦線が半減期です。
これを見ると、半減期を堺として半減期前の480日ほどで2〜5倍程度の価格上昇、半減期後に7〜100倍の上昇をしてきたという、ビットコインのトレンドが見て取れます。実際、今回の上昇も2022年11月が底となっており、半減期である2024年4月までは1年と6ヶ月、つまり約400日。だいたい過去のアノマリどおりの展開だということです。
ならば、半減期を迎えたビットコインはさらに上昇ペースを上げることになります。ここから4倍になれば、16万ドル。このあたりはあり得る数字でしょう。
半減期がどうして価格上昇をもたらすかはいろいろな説がありますが、一つは売り圧力の低下です。ビットコインのマイナーは報酬を継続的に受け取っていますが、マイニング費用を賄うためには売却が必要です。つまりビットコインエコシステムにおいては継続的に売却が発生しており、売り圧力があるわけです。
ところが半減期になると、その売り圧力が文字通り半減します。買い圧力が同じなら売り圧力が半分になれば、価格は上昇する。これが半減期で価格が上昇する一つの説明です。
ビットコインの後はアルトのターン
もう一つ、面白いのはビットコインの価格が上昇したあとは、アルトコインと呼ばれるビットコイン以外の仮想通貨の価格が上昇するということです。
下記は、ビットコイン価格(オレンジ)とビットコインドミナンス(青いエリア)を重ねたものです。ビットコインドミナンスとは、仮想通貨全体の時価総額の中でビットコインが占める比率のことです。
これを見ると、当初ほぼ100%を占めていたビットコインドミナンスが、2017年に急降下し40%を割ったことが分かります。ICOバブルと呼ばれた時期で、さまざまな仮想通貨が誕生し、アルトコインが隆盛を誇りました。
その後、コインチェック事件などを経てビットコイン価格は下落しますが、逆にドミナンスは上昇します。これはビットコイン以上にアルトコイン全体の価格が下がったことを意味しています。
その後2021年の上昇において、ビットコイン価格が過去最高値をつけるとともに、実はドミナンスは低下しました。つまりビットコイン以上にアルトコインの価格が上昇したのです。
そして今は、ビットコイン価格が上昇するとともに、ドミナンスも上がり始めたタイミングとなっています。これまで、ビットコインが上昇トレンドに乗ると、さらに早いペースでアルトコインが上昇するということが繰り返されてきました。今回も、ビットコイン上昇を追う形でアルトが上昇する可能性は高いと思います。
ただし、なんのアルトが上昇するかはわかりません。2017年に旬だったアルトは、Ripple、NEM、Dash、Ethereumなど。それぞれ1000%近い上昇となりました。そして次の2021年のアルトブームでは、SHIBAINU、アクシー・インフィニティ、SAND、ポリゴン、テラ、などがやはり1000%以上になっています。NFTゲームトークンだったり、DeFi銘柄だったり、ステーブルコインだったりします。やはりその時々でテーマは異なるわけです。
2023年は、ソラナ(SOL)やアバランチ(AVAX)などが大きく上昇しました。これらはレイヤー1ブロックチェーンと呼ばれ、ざっくりいうとEthereumの代替を目指すブロクチェーンです。DeFiのプラットフォームでもあるレイヤー1は、まだEthereumがシェア50%程度とトップですが、シェアは低下しつつあります。こうしたレイヤー1ブロックチェーンが一つのテーマでしょう。