FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

急激な円高進む 147→141円に

昨日7日の為替相場は大混乱でした。何が起きたかといえば、急激な円高です。昼の147円台から急降下し、8日深夜には一時141円台まで下がりました。状況と背景をまとめておきます。

長期金利急騰→円高へ

今回の円高は、円金利がもたらしたと見るのがいいでしょう。下記はドル円と長期金利(10年もの日本国債金利)の推移です。7日朝、長期金利は0.63%から0.76%へと13bpsも急上昇。それに伴い円高が進んだ形です。

さて何が起きたのでしょうか?

日銀総裁の「年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況になる」

発端は日銀の植田和男総裁の発言です。参院財政金融委員会で7日答弁し、次のように語ったとされています。

  植田総裁は4月の就任以降の金融政策運営は、さまざまな不確実性が高い状況の下で「チャレンジングな状況が続いているが、年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況になる」と語った。その上で、「丁寧な説明、適切な政策に努めていきたい」と語った。

金融政策運営、年末から来年かけ一段とチャレンジングに-日銀総裁 - Bloomberg

何がどうチャレンジングなのか? この意味深な発言を市場は「マイナス金利からの脱却がチャレンジング」だと読み取ったようです。布石としては6日に、氷見野良三副総裁が金融緩和からの正常化について講演した内容があります。

 

氷見野良三副総裁はタイミングこそ明言しませんでしたが、賃金と物価の好循環(=適切なインフレ)が強まっていること自体のメリットは幅広い家計と企業に及ぶと語りました。企業の賃金・価格設定行動の変化を輸入物価の上昇、物価上昇の賃金への反映、賃上げコストの価格反映、生産性向上という4段階で、好循環としてのインフレを説明しています。

 

つまり、

  1. 賃上げが確認できたら
  2. 賃金も含んだ物価の上昇=デフレ脱却が定着
  3. 金融緩和の正常化=マイナス金利からの脱却

というロジックだと考えられます。

 

では賃上げを何で判断するかというと、来年の春闘賃上げ率で判断するという見方が強く、そのためマイナス金利解除は来年4月になるのではないか? というエコノミストが増加しています。

日銀マイナス金利の早期解除観測強まる、来年4月まで7割-調査 - Bloomberg

米国の利下げと日本の利上げ

ドル円は150円定着……そんな話も聞こえてくる中、今後の日米中央銀行の行動はいずれも円高方向に追い風だとぼくは何度も書いてきました。そもそも今回の円安は、上がり続ける米金利と、一向に上がらない円金利の差が拡大していったことが背景にあります。

 

であれば、米利下げと円利上げは円高以外の何者でもありません。実際、日米10年金利差とドル円為替を並べると、とてもきれいな相関が出ていることが分かります。12年あたりのドル円が80円を切っていた時期は、日米金利差も1%を切っていたわけです。

J.P.Morganレポート

 

そんなわけで、円高方向に振れる圧力が続くことは間違いないでしょう。ただし来年半ばまでドルの利下げはないだろうというのがコンセンサス。そして現在0.7%の円長期金利ですが、マイナス金利解除があっても2%まで達するかどうか。そうすると日米金利差は3〜4%はあるわけで、来年春の春闘後に日銀がマイナス金利解除をしたとして、ドル円は130〜140円というのが妥当な見立てではないかと見ています。

 

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