FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

初めての青色決算の確定申告

今年(令和5年分)の確定申告は、初めて個人事業主の青色申告となりました。いろいろ学ぶことがあったので、ざっくりまとめておきます。

初めての青色申告

これまでもずっと確定申告をしてきましたが、それは医療費控除/寄付金(ふるさと納税)控除/雑所得/株式の損益通算/外国税額控除が目的でした。国税庁の確定申告書作成コーナーにおける「所得税」の申告書です。

 

ただし令和5年(2023年)分は、退職して個人事業を開始したため、所得税だけでなく決算書も作成する必要があります。確定申告書作成コーナーにおける「決算書・収支内訳書(+所得税)」です。

つまり、これまでに加えて、青色申告に必要な決算書が必要になるというわけです。ちなみに、ぼくは免税事業者なので「消費税」の申告書は作成不要です。よかった。

なぜ青色申告?

まず給与所得ではない所得を得たら、何らか確定申告をする必要があります。1つ目の分岐点は「雑所得」か「事業所得」かです。この2つの違いは、事業所得のほうが税務上の優遇策がいろいろとあること。

  • 青色申告による最大65万円の控除
  • 家族を従業員にできる青色専従者給与
  • 赤字の3年間の繰越
  • 30万円未満の少額減価償却資産の特例

これらのメリットがあるので、雑所得よりは事業所得のほうがいいわけです。ただし何でもかんでも事業所得にできるわけではなく、下記のような条件があります。なので、例えば仮想通貨取引などは基本的に雑所得です。

  • 営利を目的としている
  • 独立・継続・反復して行われる

さて、僕は退職にあたり開業届を出して事業所得として事業を進めてきました。ただ事業所得の中でも申告方法と税務上の利点にはいくつか種類があります。

ああ、ややこしい。要するに最大の税務上のメリットを得ようと思ったら、青色申告承認申請書と開業届を出して、複式簿記で記帳して帳簿をたくさん保存して、確定申告のときには決算書と貸借対照表+損益計算書を提出する必要があるということです。

 

また正確にはこの条件だと控除は55万円で、65万円にするには電子申告を行う必要があります。いまはマイナンバーカードがあるので、スマホで読み取って簡単に行えます。

会計ソフトで複式簿記を作成

貸借対照表とか損益計算書はある程度見慣れているのですが、それを作成するもととなる複式簿記については、ほとんど全く理解していません。そもそも概念がよく分かっていないのです。

 

ただ最近は概念がよく分からなくても、お小遣い帳的に入力していけば必要書類ができがると聞いた、クラウド会計ソフトがあるといいます。そこで、マネーフォワードクラウド確定申告を使って帳簿+提出書類づくりを行いました。入ったプランは月額1408円のパーソナルミニ。経営分析もできなければ消費税関係の機能もありませんが、とりあえず安いのが特徴です。

 

確かに必要な項目を入力していけば、決算書はできあがり。これは簡単でした。次は、これと合わせて確定申告書を作成して電子申告です。と、ここで躓きました。マネーフォワード確定申告にも、通常の確定申告機能はあるのですが、正直機能不足。例えば、外国税額控除の入力項目がなかったり、株式の特定口座年間取引報告書の入力画面が書類と異なるレイアウトだったりと、今一つなのです。

もちろん慣れもあるのでしょうが、これはフル機能で無料で使い慣れた国税庁の確定申告コーナーアプリのほうがいい。なら、マネーフォワードからデータを出力して国税庁のアプリで取り込もう……と思ったら、あら。出力もできないし、取り込みもできません。なんてこった。

 

元データ、例えば仕訳帳とか総勘定元帳とかも、PDFの出力はできてもCSVは出力できません。MF形式のデータエクスポートもできません。というわけでミニマムプランでは実質的ロックインです。

仕方がないので、PDF出力した決算書を見て、国税庁のアプリ側で数字を入力しました。まぁ超面倒?かというとそうでもなくて、特に貸借対照表なんて、超シンプル。

 

資産の部は全部「事業主貸」だし、負債・資本の部は全部「事業主借」です。その差が今期の所得になるわけで、これはこれでシンプルですね。なので、転記もそれほど大変ではありませんでした。

要するに下記のような流れになったわけです。

国税庁のアプリ側での注意点

一つだけ、重要かつ忘れがちなのが源泉徴収への対応です。決算書の数字を入力すると、事業所得の内容は確定申告書に自動的に取り込まれますが、源泉徴収額については別途入力する必要があります。

青色申告決算書には、源泉徴収額を記入する欄はありません。あくまで確定申告書のところで集計して入力する必要があります。端的には取引先からもらった支払調書を転記すればOKなのですが、最初これを失念していて、危うく電子申告してしまうところでした。

 

当然ですが源泉徴収された分の税金はまるまる還付されるので、ここは重要です。

来年の青色申告はどうするか?

さて、今回マネーフォワードを使ってみましたが、いろいろ問題が多いことが分かりました。有料なのに確定申告の機能については国税庁のアプリに劣る感じです。とはいえ、決算書を作成するアプリは何らか必要です。

 

今回のぼくの決算書のように、売上は「事業主貸」、費用は「事業主借」とすれば現金の行方を追わないですみます。だって売り上げた入金は全部事業主に貸してしまうし、使う費用は全部事業主から借りるんですから。

 

僕のような個人事業は、仕入れも在庫も設備もありません。減価償却もありません。売り掛けはありますが、役務基準じゃなくて現金の入出金基準で処理してしまえば、これも何も悩むところはありません。はっきりいって、決算書というよりお小遣い帳レベルです。

 

これならわざわざちゃんとしたら会計ソフトを使わなくても、Excelでも処理可能な感じがします。または無料の会計ソフトという手もあります。ちょっと調べると、「円簿会計」や「ちまたの会計」がクラウド型で無料の会計ソフトのようです。

 

仕訳のもととなる現金出納帳データは、マネーフォワードMEのものを使うので、これをうまく読み込ませれば会計ソフトは何でもいいともいえます。1年後になるので、そのときどう考えるかわかりませんが、来年は無料会計ソフトに手を出してみようかなとも思っています。

 

www.kuzyofire.com

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