FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

「freee開業」を使って開業届と青色申告申請書を出してみた 完全FIREへの道(8)

経済的に自立(FI)した上で、退職に限定せず好きな仕事で働く(RE)ことがFIREだと思っていますが、今回サラリーマンも退職し、世間的な意味で完全FIREすることにしました。

 

完全FIREして大きく変えられる、自分の思ったとおりにデザインできるのは税金対策です。そこで考えたグランドデザインに基づき、個人としては開業届を出して青色申告申請書を出してみることにしました。使ったツールは無料で使える「freee開業」です。

無料で使えるfreee開業

開業届や青色申告申請書などの書類を無料で作れるだけでなく、税務署にいかなくても提出ができるという「freee開業」。いや本当にありがたいツールですね。実際に使って申請をしてみました。

www.freee.co.jp

 

自分の名前や住所のほか、開業届を出すにあたって必要な項目を埋めていくと、申請書ができあがるというのがfreee開業の流れです。

仕事の概要は事業税に注意

入力項目の中に「仕事の概要」というものがあります。ここには副業としたい仕事を入れるわけですが、業種によって税金がかかることには注意が必要です。290万円の控除枠がありますが、それを超えた分には一定率の税金がかかってきます。

 

個人事業税のややこしいところは、業種によって税率が変わるだけではなく、そもそも税金がかからない業種があることです。フリーランスの場合、例えばライターならば、その人にしか書けない独自性・芸術性がある文筆活動であれば個人事業税はかかりません。しかし、商品やサービス販売のWeb広告やランディングページなどを請け負って作成するコピーライターであれば、「広告業」として5%の事業税を課される可能性があります。また、Webデザイナーやイラストレーターも、「デザイン業」として5%が課されます。

というわけで、ぼくの場合はライター業にしておきました。税率は0%です。

屋号は個人名とは別の口座を作れる

屋号も開業届に記載します。屋号があるとどんな実利的なメリットがあるかというと、屋号名義の銀行口座を作れることです。現在も匿名でブログを書いているわけですが、出演や取材に対する謝礼などをいただくことがありました。そんなときも、屋号名の口座があれば、匿名で受け取れます。なお、完全匿名にできる口座はいろいろ制約があるので、それはまた後ほど。

確定申告はもちろん青色申告55万円控除

青色申告申請書は当然55万円控除です。ここで「10万円控除」を選ぶ理由はあまりありません。さらに、電子申告を行えば10万円控除追加なので、合わせて65万円控除になります。

書類の提出

これだけで書類は完成のようです。ぼくの場合は、

  • 個人事業の開業・廃業等届出書
  • 所得税の青色申告承認申請書

の2つが作成されました。

 

続いて書類提出ですが、印刷して郵送……ではなく、いまは電子申請が可能です。マイナンバーカードとスマホがあれば、それでいけます。

まず「マイナポータル」アプリを開き、マイナポータルと「国税電子申告・納税システム(e-Tax)」を「つなぐ」必要があります。画面のメッセージに従い接続を完了したら次に進みます。

 

マイナンバーをWeb画面に入力します。続いて「freee電子申告・申請」アプリをダウンロードして、開いてIDとパスワードを入力しますが、エラーになります。実は、下記のWeb画面から「提出」ボタンを押すとQRコードが表示され、それをスマホで読み取ると「freee電子申告・申請」アプリが起動し、そこでIDとパスワードを入力すると、ちゃんとデータが読み込まれるという仕様です。この順序が重要です。

正しい流れで進むと、アプリが申請書をダウンロードします。ここで、マイナンバーカードの「利用者証明書用パスワード」(4桁のもの)と「署名用パスワード」(英数字の長いもの)を入力し、マイナンバーカードを読み取ります。すると、電子申請が行われます。

 

申告の受付が完了すると、状況も確認できるようになります。

しかし、これ「受付完了」で終わりなのか、そのあと別のステータスがあるのか、そこはよくわからないですね。ともあれ、これにて開業届と青色申告申請書の提出は完了。紙の書類控えも、freee開業からダウンロードしたものとe-Taxサイトのメッセージボックスの内容を合わせれば正式な控えになるそうです。

 

あっけないほど簡単だった

このようにしてfreee開業を使って開業届と青色申告申請書を出してみました。感想としては「あっけないほど簡単」というものです。

 

面白いのは、今回、実際の書類を一度も目にしてないということ。freee開業へのフォーム入力のあとは、アプリで電子申請しているので、裏側では紙の書類らしきフォーマットも存在しているのでしょうが、それを見ることなく完了しました。これが紙からの脱却、本当の意味でのデジタル化なのでしょう。

 

またマイナンバーカードの有り難みを改めて感じました。ハンコでも免許証のコピーでも、住所とか生年月日を答えるとかでもなく、ICチップ読み取りと暗証番号で本人確認できるのは大変に便利。このこの本人確認と当人認証がもっと民間のサービスでも広がればいいのにと思うところです*1

*1:ちなみに「マイナンバー制度」には反対の立場ですが、「マイナンバーカード」には賛成派です。身分証明書を一元化し、オンラインで本人確認/当人認証できるように整備するのは国が行うべきことで大事。ただし国民の資産を把握して、対応を変えようと目論むマイナンバー制度については、プライバシーとリバタリアンとしての立場から反対です。