FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

水瀬さんの改訂版『お金は寝かせて増やしなさい』拝読

インデックス投資における日本の元祖ブロガーである水瀬ケンイチさんから、改訂版の著書『お金は寝かせて増やしなさい』をいただきました。インデックス投資のキモがググッと詰まった一冊でした。

『お金は寝かせて増やしなさい』

本書『お金は寝かせて増やしなさい』の初版は2017年12月の発売です。この本が出たときのことはよく覚えていて、出てちょっとしてから初めて水瀬さんにお会いしたのです。

 

このときぼくはセミリタイア実行直後で、水瀬さんはじめ、たぱぞうさんとか尊敬する先輩投資家の方々に会って回り始めたころでした。あれからもう5年あまりが経過したんですね。

2021年に億り人に

水瀬さんは、本書で実際の投資元本と運用結果の額についても公開しています。2017年の頃には6500万円程度だった資産額が、コロナショックを経て2021年にはついに億を超えたことが明かされています。そして2023年末には1億3000万円まで増加しているということです。

ぼく自身は資産額を公開していないのですが、やはり具体的な金額を見ると肌感覚が得られます。ここまでの年平均リターンは6%だということですから、まさに王道のインデックス投資だといえるのではないでしょうか。

 

ちなみに本書内ではポートフォリオの考え方、作り方をツールも合わせて詳細に説明していますが、水瀬さん自身の具体的なポートフォリオは載せていません。水瀬さんのブログから引用すると、このようなPFが最新のようです。

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インデックス投資に誘ってくれた

ぼくの投資についての考え方を形作った人は3人います。『ウォール街のランダム・ウォーカー』を書いたバートン・マルキール氏、元「海外投資を楽しむ会」の橘玲氏、そして先日死去された山崎元氏です。

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一方で、ぼくを実際の投資に誘ってくれた人は4人います。まずオプション始めデリバティブからARCCなど独特なETF、さらに不動産投資を始めたきっかけは玉川陽介さんです。そして米国株や太陽光などに誘ってくれたのがたぱぞうさん。仮想通貨に投資する勇気を与えてくれた野口悠紀雄先生。そしてインデックス投資に導いてくれたのが、水瀬さんです。

 

水瀬さんのブログ『梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー』を見て、どのETFを選ぶか参考にし(当時はまともな投資信託はまだ売っていなかったのです)、投資信託からETFのスイッチ投資を「なるほど〜!」と思いながら見ていました。

 

水瀬さんは「『ウォール街のランダム・ウォーカー』に書かれていることをやってるだけですよ」といいますが、日本でインデックス投資が定着し、これだけブームになったのは、水瀬さんの貢献が大きいとぼくは思っています。

 

なにより、ぼくがインデックス投資に足を踏み入れたこと、そしてその後リーマンショックが起こっても売らずに買い増しを続けられたのは、水瀬さんが精神的な支柱になってくれたからです。

今後やってくる暴落が試金石

昨今は日経平均が最高値更新するなど、日米で株高が続いています。インデックス投資家は大いに潤っていると思いますし、ある意味投資なんて簡単だと思われている人も多いでしょう。

 

でも投資の本当の難しさは、暴落時です。特にインデックス投資は、ここで踏ん張れるかどうかでパフォーマンスが天と地ほど変わります。そして、実際に暴落が起こってみると、売らずに平然と持ち続けるのは思うよりも難しいのです。

 

インデックス投資の普及に尽力してきた水瀬さんのブログでも、リーマンショック時はたいへんなことになりました。

私のブログにも、インデックス投資を紹介してきたことに対する誹謗中傷の嵐が吹き荒れました。

「梅屋敷は死ね!」

「今後10年間はマイナスだろうね」

「ぶっ殺すぞ」

「退職金全部パーじゃねえか、どうしてくれるんだ」

インターネットの掲示板2ちゃんねるに私を罵倒する投稿が連投されていると、読者さんが教えてくれました。

自分の資産も半減近くしているのに、さらにこんな目にまで会うなんて、本当に苦労が偲ばれます。インデックス投資は、放ったらかしでOKなのでお気楽な投資のように感じるかもしれませんが、実際はとても強いメンタルを必要とする投資なのです。

 

先の水瀬さんの資産額のグラフを見れば分かるように、リーマンショックで落ち込んだ資産額が含み益まで回復するには数年かかっています。この間は、入金しても入金しても資産が減ってしまうという、まるで穴の空いたバケツに水を組み入れるような恐ろしい期間だったのです。

 

本書には、そうした暴落時にどうやって心を落ち着かせるかの方法も、一章を割いて記されています。理論は誰でも語れますが、実際に大きな資産を運用して暴落を乗り切ってきた人だからこそ語れるもの。本書の真髄は、そうした水瀬さんの実体験に基づいた部分にあるのだと思います。

 

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