FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

1株単位で日経225を全部買うといくらかかるのか

日本の代表的な株価指数といえば日経225。よく、これを全部買うことはできないので日経225指数連動の投資信託やETFを買う、とかいいます。でも、現在は1株単位で売買できる証券会社が増えてきました。なら、225銘柄を1株単位で全部買ったらどうなるでしょう?

日経225の仕組み

東証一部上場企業全体の株を対象にしたTOPIXでは、時価総額加重平均という手法が使われています。これは、すべての株を1株買うのではなく、時価総額の比率に応じて買うという方法です。

  • 時価総額100億円のA株
  • 時価総額1000億円のB株

があったら、A1株に対してB10株を買うという形で、時価総額に応じてウエイトをつけるやり方ですね。

 

一方で日経225は、ダウ工業株30種平均と同じ、単純平均が基本です。つまり、指数を構成する225銘柄を1株ずつ買えば、基本的にOKとなる……はずですね。

225銘柄の合計金額は700,257.20円

では6月15日時点の株価で、225銘柄をすべて1株ずつ買った場合の合計金額はいくらでしょう。ずばり、70万0257.2円となりました。あれ、いくつか不思議な点がありますね。

 

まず小数点はなんでしょう? これは2014年からTOPIX1000を構成する大型株について、株価に小数点が導入されたせいです。

  • 株価 1000円以下 0.1円単位
  • 株価 〜5000円 0.5円単位

となっています。こんな制度変更をするなら、早く1株単位での売買ができるように切り替えればいいとも思いますが、いろいろと複雑なものです。TOPI1000Xに含まれない小型株では、例えば株価30円の株でも1円単位なので、歪みが生じていたりもしますし。

 

ちなみに、ネオモバで小数点付き株価の銘柄を1株単位で購入する場合、端数は切り捨てになるようです。

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国内株式の買い注文を出す|かんたんガイド|SBIネオモバイル証券~Tポイントで株取引・資産運用ができる|ネオモバ

日経平均株価は2万2000円ちょっとなのに、なぜ70万円?

さて日経平均株価は単純平均なので、この70万0257.2円を225で割れば、出てくるはずです。だいたい2万2000円ちょっとのはずですね。ところが実際に割ってみると、3112円になってしまいます。全然違います。

 

これはなぜか。日経平均株価の算出には、銘柄数の225ではなく「除数」と呼ばれる数字で割って算出することになっています。現在の除数は、27.76。70万0257を27.76で割ると、2万5225円になって、たしかに日経平均に近づきました。

 

もともとは合計額を225で割っていたようなのですが、銘柄入れ替えや増資、減資、新株落ち(旧株に割り当てられる増資新株の取得権利が、株主割り当て日が過ぎたため、なくなること)の影響を除外して、連続性を保つために、除数という概念を入れたそうです。

たとえば、A株 100円、B株 200円、C株 300円 が3銘柄で指数を構成していると仮定する。このC株が10割分割(増資)を行ない、翌日の株価が、150円になった場合、算出式にあてはめると、新除数は、450÷200で2.25となる。

除数|証券用語解説集|野村證券

確かに除数を入れれば、増資や減資があっても指数自体は変わりません。ただ、上記の例だと、C株が10%動くと30/600で指数は5%動きますが(指数は200→210)、除数方式で補正すると、増資後は15/450(指数は200→206.6)で、3.3%しか動かないことになります。

 

増資や減資などによって、銘柄ごとのウエイトが変わってしまうわけですね。ダウ方式というらしいですが、時価総額加重平均に比べてなんともざっくりな方式です。

225銘柄全部を買ったときのウエイト

さて、そんなわけで時価総額の大きさよりも額面の大きさが、日経225では色濃くでます。では225銘柄を全部買ったときの各銘柄のウエイトはどのようになるのでしょうか?

 

1株買うのに最も資金が必要なのは、ファーストリテイリング(9983)です。実に6万円あまり。これは225銘柄全体を購入したときの8.7%にあたります。そこから単価が高い順にならべて、全体に対する比率を見ていくと、次のグラフのようになります。

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上位35銘柄で全体の50%を占めます。さらに、上位87銘柄で全体の75%です。もし各銘柄のウエイトが等しければ、これは右肩上がりの直線になるわけで、曲がっている分の歪みがあることが分かります。

 

今度は各銘柄の株価がどのように分布しているのか、ヒストグラムで見てみます。単位は千円です。ファーストリテイリングがポツンと右に飛び出ているのが分かります。ほとんどの銘柄は、4000円以下に集中しています。

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実際の日経平均ではウエイトはさらに違う

さて実際の日経平均ではウエイトはさらに違います。これは銘柄入れ替えなどの影響も加味したせいでしょう。大きめのところだと、下記が実際のウエイトです。

  • ファーストリテイリング(9983) 10.45%
  • ソフトバンクG(9984) 4.26%
  • KDDI(9437) 2.8%
  • 京セラ(6971) 2.22%
  • ファナック(6954) 3.37%
  • ダイキン工業(6367) 2.33%
  • テルモ(4543) 2.24%

ちなみにトヨタ自動車(7203)は1.19%に過ぎませんし、みずほFG(8411)は0.03%です。企業の大きさではなく、額面株価が大きく影響しているのがよく分かります。

70万円で日経225全銘柄を買ってみるのも面白いかも

少し調べてみて、70万円なら日経225銘柄を全部買ってみるのもちょっとおもしろいかもしれないと思いました。投資信託やETFと違い、信託報酬もかかりませんし、業績報告書も225社から届きますから、「持っている」感は強いですね。

 

ただ225社分も買付操作をすると思うとうんざりですし、売却もうんざりです。自分でパッケージを作って、パッケージ単位で売買できる仕組みとかがあれば、マイ投資信託を作ることもでき面白そうなのですが、1株系証券会社でそういう仕組みを持っているところはなさそうです。

 

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