FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。投資歴20年以上。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

290万突破のBitcoin 2020年の仮想通貨とこれから

Bitcoin価格が12月27日朝に290万円を一時、超えました。28日夕方時点では276万円。17年のバブル期につけた過去最高値を更新してから、その勢いはとどまることを知りません。今年の仮想通貨の状況を簡単に振り返って、これからの未来を考えてみます。

 100万円から急上昇

3月のコロナ禍ではBitcoinも急落し50万円台まで下落しました。そしてそこからの回復は株価の上昇を超えて、11月から始まった上昇気流は12月末には290万円まで、価格を押し上げました。

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この勢いは17年のバブル期を思い出させます。このときは春からじわりじわりと上昇が始まり、国内でも認知が急拡大。取引所がTV CMをバンバン打って、仮想通貨どころか投資さえしたことのない人が雪崩を打ってBitcoinを買った結果、12月には一気に200万円を超えました。このときのチャートがこちらです。

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果たしてこれは再びのバブルなのでしょうか? 実体価値から乖離して価格が上昇することを指すのならバブルですが、そもそも仮想通貨には「実体価格」というものがありません。それは、金(ゴールド)などと同じです。短期長期入り乱れた需給のみが、価格を決定するわけです。

 

そして今回の需要は、コロナ禍に伴う金融緩和がもたらしたインフレ懸念をヘッジするために、機関投資家や米企業などが買い付けたという説が濃厚です。短期売買ではなく長期保有前提のため、価格は上昇しつつも崩れませんし、秋以降はBitcoin一人勝ちで、アルトコインはそれほど買われていないということも、この説を裏付けています。

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グローバルチャート | CoinMarketCap

2020年はBitcoin価格が暴騰しただけではありません。さまざまな変化の兆しがありました。2020年の仮想通貨を振り返ってみましょう。

LibraはDiemへ

19年6月にFacebook主導のもと、突如発表されたステーブルコイン、Libra。これはBitcoinから始まった仮想通貨の流れが、Ethereumのようなスマートコントラクトに広がり、続いてステーブルコインに動くことを予見させました。

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しかし、Libraは各国中銀の強硬な抵抗に会い、通貨バスケット連動、いずれはパブリックネットワーク、といったオリジナリティを放棄することになります。12月には、名称も新たに「Diem」と変え、単一通貨、例えばドル建てのステーブルコインとして再出発することになりました。

 

Libraが当初の目論見通りローンチすれば、それは古臭い各国の通貨ネットワークをディスラプトし、現代的なデジタルで低コストな、ユーザビリティを重視した決済送金が実現したでしょう。しかし、それが潰されたことは、この領域に大きなチャンスがあることを逆説的に示しました。

 

Libraに危機感を抱いた各国中銀は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発とテストを加速させます。世界の送金と決済をディスラプトするのは、Libraではなく、ほかの何かかもしれませんが、世界を前進させる一歩をもたらしたのがLibraだったということです。

DeFiの勃興

この夏、たいへん盛り上がったのがDeFiです。分散型金融と呼ばれるDeFiは、基本的にはEthereumのネットワークを使い、

  1. 指定されたETHのコントラクトアドレスに送金し、それはプログラム上でデポジット(ロックアップ)される
  2. ETHのスマートコントラクトは、このデポジットされた入金に対し、さまざまなサービスを提供する

という仕組みになっています。送金するのはプログラム上のアドレスで、そこには企業も人もいるわけではありません。そしてプログラムはEthereum上で走るため、どこかに特定のサーバがあるわけでもなく、規制不能というのがポイントです。

 

提供されるサービスには、次のようなものがあります。

  • 仮想通貨交換所
  • レンディング/貸し出しサービス
  • 証券発行
  • 債券発行
  • ステーブルコイン

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夏に爆発的に盛り上がったのは、DeFiサービスのいくつかがガバナンストークンと呼ばれる独自トークンを利用者に配布し始めたからです。DeFiが便利なサービスなのは事実で、その議決権株式に当たるガバナンストークンを貰えるとなれば、値上がりを期待してサービスに殺到します。さらに、将来的には配当に相当するものももらえるかもしれない……という期待からも、独自トークンが爆発的に伸びました。

 

DeFiのコントラクトアドレスにロックアップされた仮想通貨の合計額(LVL)の推移を見ると、その盛り上がりっぷりが分かります。

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現時点では、DeFiはブームでしかありません。ほぼすべて英語のサービスで、実際のお金(仮想通貨)を使うということもあり、ごく一部の人しか使っていないのが実情でしょう。ただし、このブームは、来年以降、きっと花開き、硬直的な金融業界に激変をもたらすと感じています。

Ethereum2.0ローンチ

EthreumはBitcoinに次ぐ時価総額第2位の仮想通貨であり、ブロックチェーン上でプログラムを動かすという「グローバルコンピュータ」のコンセプトをもたらした革命的なコインです。実際、17年のICO、20年のDeFiは、実質ほぼそのすべてがEthereumのチェーンの上で動いており、ETHチェーン上で発行されるトークン規格ERC20は、そこかしこに出てくるワードになりました。

 

しかし、こうした盛り上がりによって、Ethereumはパフォーマンスの限界に達しようとしています。下記の日時トランザクション量の推移を見ると、いまや125万トランザクション/日に達していることが分かります。

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この問題を解決するために進められているのがEthereum2.0です。具体的には、Beacon Chainと呼ばれる、これまでのEthereumとは違うブロックチェーンが開発、稼働し、2つは並行して動作します。2つのブロックチェーンは最終的にBeacon Chainに統合されますが、その時期は明記されていません。

 

Ethereum2.0の特徴は大きく2つです。1つは、シャーディングと呼ばれる技術です。Beacon Chainから64のシャードブロックチェーンがつながり、それぞれを並列処理させることで処理性能をアップさせます。

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2つ目は、PoWからPoSへの変更です。Bitcoinなど多くの仮想通貨はPoW(プルーフ・オブ・ワーク)と呼ばれる仕組みで決済を確定させていますが、これは大量の演算能力と電力を無駄に消費すると批判されてきました。そこで近年注目されているのがPoS(プループ・オブ・ステーク)です。

 

PoSでは、演算で勝利した人ではなくETHを持っている人が集まってブロックを承認する仕組みで、承認によって得られるマイニング報酬も、持っているETHに応じて配分されます。実際には、ステーキングといってETHをデポジットしてロックする必要があります。最低32ETHが必要で、利回りは5%〜10%と推計されています。すでにロックされたEthereumは10億ドルを超えたといいます。

 

多くのEthereumがロックされるほど、流通する量は減り、需給の観点からは需要が増します。ステーキング報酬を得られるだけでなく、流通量の減少によって値上がりも期待できるのが、今回のETH2.0だとも考えられます。

謹製ステーブルコイン、CBDCが注目

仮想通貨がとてつもないスピードで進化を続ける裏では、伝統的な通貨もデジタル化を余儀なくされています。2020年には実際にローンチしたり、テストが始まったり、検証が開始されたのが、中央銀行によるデジタル通貨、CBDCです。

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※カンボジアのCBDC バコンを開発した日本企業ソラミツ資料から

 

これは要は紙幣の代わりにデジタルな通貨を発行しようというもの。必ずしもブロックチェーンを使うとは限りませんが、そのセキュリティの高さから採用が予想されています。

 

CBDCは定義上、法定通貨と価値が1対1になります。デジタル円は、円と同じ価値を持つわけです。謹製のステーブルコインであり、そのため、値上がりしたり値下がりすることはありません。そのため投資対象にはなり得ませんが、決済の仕組み、また既存の銀行システムに大きな影響を思す可能性が指摘されています。

 

これだけデジタル化が進んでも、いまだに貨幣については「紙」でした。これが、やっとデジタル化されるなら、大きな変化です。銀行や決済事業者の業績には大きな影響があることが予想されますが、日銀がやることだけに、普及のためのキャンペーンなどはできないでしょうし、完全に利便性の勝負になります。

 

それでも、ATMで現金をおろして使う、というフローから、スマホで銀行口座からCBDC(デジタル円)にチャージして店頭でQRコード決済する――というフローに変わることは、生活に劇的な変化を及ぼすでしょう。送金にも手数料はかからない見込みで、となると振込手数料という概念も、変化せざるを得ないかもしれません。

 

もっとも、リテールCBDCについては小口に限定されるという目算が強く、例えば保有できるCBDCに上限5万円というような制限がかかるのなら、高額送金ニーズは振込として残ることにはなりますが。

2021年の仮想通貨

仮想通貨=暗号資産=クリプト(カレンシー)は、2020年の最後に大きな値上がりを見せましたが、値上がり以上に実際の金融を変革するような出来事が起きました。ステーブルコイン、そしてCBDC、またDeFiなどです。

 

これは海の物とも山の物ともつかない仮想通貨が、金融の、そして経済のメインストリームに近くなってきたことを表しています。また、規模が大きくなった資産は、大きいということ自体で政府による突然のシャットダウンのリスクが減ります。いわゆる「大きすぎて潰せない」というものです。

 

もはや、Bitcoinを禁止するという決断は、大国の政府にはできないでしょう。個人や機関投資家が、無視出来ないレベルで資産として組み入れているからです。そしてEthereumも同様です。より小規模な仮想通貨は、XRPのように規制によって大きなダメージを受ける可能性を残していますが、大手どころはどう共存するかというステージに入りました。

 

Bitcoin価格はファンダメンタルズがないため、いまが上がり過ぎともまだ上がるともなんとも言えません。BTC価格は、1000ドルがいいところだというロジックと同様に、30万ドルだってあり得るわけです。

 

実際にはぼくはDeFiの波には乗れなかったわけですが、現時点でも90%の確信度で、クリプトの隆盛を予想しています。少しでも仮想通貨に触れれば、24/365で送金でき、手数料は一定で、海外にも簡単に送れることの凄さと、なぜ通常の銀行ベースでそれができないのかと理不尽さを感じるはず。クリプトの2021年の発展に期待です。

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