FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

VisaとMasterとJCBとアメックス、いったいどこに違いがあるのか

クレジットカードには、VisaとかMastercardといった国際ブランドがありますが、どれを選んだらいいのでしょうか。一昔前だと「ブランドによって使える店と使えない店がある」なんてことが言われましたが、現在だとそれはほとんどありません。では、どんな観点で考えるのがいいでしょう。

昔はディズニーランドはJCBオンリーだった

国際ブランドによって使える店と使えない店がある。だからカードは複数持つのがいい。昔はよく言われたことばです。実際、その昔々は東京ディズニーランドではJCBカードしか利用できない時代がありました。もう20年も前のことですが。

 

まず意外かもしれませんが、「使える店の多寡」ではVisaとMastercardにほぼ差はありません。加盟店はアクワイアラと呼ばれる業者が開拓しますが、かれらはVisaとMastercardをセットで開拓するのが普通です。そのため、Visaが使えればMastercardもだいたいは使えるようになるわけです。

 

またVisaとMastercardが使えるお店は多いけど、JCBは海外では使えないとか、アメックスは使える店が少ないとか、そういったことも言われました。しかし、現在ではJCBとアメックス、ディスカバー、銀聯などが提携したことで、相互に開拓した店舗が利用できるようになってきています。

そうした結果、例えば国内ならJCB加盟店であればほぼ(9割くらい)アメックスやダイナースでも利用できるようになってきました。

 

ECでも、従来は「Visaのみ」というお店も見ることがありました。しかしこれも、キャッシュレス支払い手段の増加に伴って、間に入って複数の方法を取りまとめる決済代行業者を使うのが当たり前になった結果、ほぼどのカードでも利用できるようになってきています。

コストコではMastercardしか使えない

とはいえ、昨今は加盟店開拓とは別の事情で、特定のカードブランドしか使えないという店舗も出てきています。最も有名なのはコストコでしょう。

というのは、コストコとカードブランドは手数料を巡って熾烈な争いをしているからです。元々、低価格をウリにするコストコは現金払いしか使えませんでした。ところが、2008年ころアメックスの利用を可能にします。これにより、アメックスの会員は飛躍的に伸びたと言われます。

 

ところが、決済手数料(加盟店であるコストコが負担する)の交渉でコストコとアメックスは決裂。コストコはアメックスの取り扱いをやめ「シティバンクが発行するビザカード」を唯一のクレジットカードとしました。これによってアメックスは会員の1割を失ったといいます。

手数料が高いため取り扱わない

海外と同様に、加盟店側がブランドと交渉、選別する流れは国内でも起きています。例えばスシローは長らくVisaとMastercardだけでJCBとやアメックスが利用できませんでした。使えるようになったのは2021年7月のことです。

そのほかにも、ラクマも2021年5月までJCBが利用できませんでした。

 

このようにJCBを排除する店舗があるのは、JCBの手数料が高いためだといわれています。手数料は個別で決まることが基本のため詳細は不明ですが、決済代行業者が開示している手数料率を見ると下記のようになっており、それはJCBをいやがるお店があるのも分かります。

誰でもすぐに導入できるSquareの決済

もっとも、Squareについては4月28日からJCBの手数料率を引き下げて、3.25%にするようですけど。

 

また、DMMも2022年8月に「Mastercardの利用を停止」して話題になりました。その理由は定かではありませんが、手数料の可能性だけでなく、国際ブランドが「公序良俗の反する取引」についてサービス提供を停止する例も増加しており、その説も濃厚です。

www.itmedia.co.jp

手数料が最もシビアなプリペイドカード

さて、このあたりからが本題です。実は、特定のブランドが使えないのはプリペイドカードへのチャージで顕著なのです。まぁそれはそうです。物販よりも遥かにプリペイドカードは薄利多売です。手数料の高いところからチャージされたら下手すれば赤字になってしまいます。できればグループ企業が発行するカードのほうがいいわけです。

 

有名な制限はこんな感じです。

  • REVOLUT (Visaのみ)
  • au PAY (Mastercardとアメックスすべて/VisaとMastercardは特定イシュア発行のみ)
  • ファミペイ(JCBのみ)

決済手段への対応に違い

ブランドによって対応が違うのは、加盟店の有無だけではありません。昨今重要になってきているのが、モバイルデバイスやタッチ決済への対応の速さです。

 

例えば、Apple Payには長らくVisaが登録できませんでした。Visaを介したiDなどしかダメだったのです。登録可能になったのは2021年5月のことです。逆にGooglePayに登録できるMastercardは、現在も住信SBIネット銀行のデビットカードだけです。

support.google.com

このあたりは、Apple/Googleと国際ブランドの間で綱引きがされているようで、なかなか歩みが遅いところでもあります。

キャンペーンが違う

実は、ブランドごとに異なる最も大きな違いはキャンペーンではないかと思っています。VisaとMastercardはネットワーク提供だけで、自分たちではカードを発行していません。そのため、キャンペーンの多くはカード発行会社(イシュア)が行い、VisaやMastercardが全面に出ることはないのです。

 

ところがJCBとアメックスは違います。いずれも自社で発行するプロパーカードと他のイシュアが発行する提携カードの2種類があります。そして、プロパーカードではけっこう頻繁にキャンペーンを行い、提携カード向けにも一部のキャンペーンを展開します。

 

傾向としてはJCBは抽選系が多く、アメックスは特定加盟店での割引が多いことでしょうか。もっとも最近はJCBもAmazonでの利用に関するキャンペーンやAppleギフトカードのキャンペーンを行うなど、少し方向が変わってきたのかもしれませんけど。

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こうしたことを考えると、複数カードを使い分ける気があるなら、Visa/Mastercardだけでなく、JCBやアメックスを意識的に用意するのも一案です。特にアメックスのキャンペーンは、先着/30%オフ/上限少なめというものが多く、意外と豪華なので。

 

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