FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

インデックス投資の思い出

先日、「eMAXIS Slim米国株S&P500」の純資産総額が2兆円を超えたと話題になっていました。これは国内公募型投信では最大規模です。このニュースを見て「いやぁ本当にインデックス投資は市民権を得たなぁ」と思ったものです。これを機に、インデックス投資をスタートしたころの思い出を考えてみました。

moneyworld.jp

インデックス投資を始めた2007年

ぼくがインデックス投資を始めたのは2007年です。これはリーマンショックが起きた2008年9月のちょうど1年ほど前。「投資を始めたら、いきなり大暴落が来た」というタイミングでしたが、結果的には暴落中も継続して積み立てた結果、資産のベースを築くことができました。

 

当時の楽天証券の口座残高推移が下記です。一気に残高が増えているのは入金力が多かったのではなく、当時国内株式投資をやっていたカブコム証券から、順次資金を移していたせいです。

さて、インデックス投資に傾倒するきっかけとなったのは、下記の本『ウォール街のランダム・ウォーカー』でした。ちょうど2007年7月にこちらの本を購入し、「そうだ、これまでのぼくの投資は間違っていた。これからはインデックス投資だ!」と改心したのです。

ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第12版> 株式投資の不滅の真理 (日本経済新聞出版)

同じ頃、立て続けにインデックス投資関連の書籍を読みます。下記の『図解でわかる ランダムウォーク&行動ファイナンスのすべて』もその一つ。

下記の『人生後半戦のポートフォリオ』は後のFIREのきっかけとなった一冊でもあります。

よく読んでいたブログ

この当時、書籍だけでなくネットでもいろいろ情報収集をしていました。特に愛読していたのが、インデックス投資の導師(グル)、水瀬さんの「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」です。こちらのブログの開設が2005年8月なので、比較的オープン直後から読んでいました。

randomwalker.blog.fc2.com

併せて、今は殆ど更新がありませんが2004年6月開設の「ファンドの海」も愛読していた一つです。イーノさん、たいへんご無沙汰しています。

www.fund-no-umi.com

2007年と2008年、インデックスETFを買い始める

そうした理論的バックボーンの元で、実際に買ったのは米ETFのEEMとEFAでした。新興国インデックスのEEMと北米除く先進国インデックスのEFAです。2007年6月に、EEMを2621ドル分、EFAを2329ドル分買っています。当時の為替は119円でした。

 

さらに2008年4月には、S&P500のETF、IVVを6365ドル分購入しています。為替は100.16ドルでした。

チャートを見ると、上がったのはS&P500だけで、EEMとEFAはひどい成績ではありますが、まぁ別途配当も出ているので、投資して損したというわけではありません。それでも、いかに米国株が強かったかがよく分かります。

 

ただもう少し前、2003年くらいに同じポートフォリオを購入すると、実はEEMが素晴らしいパフォーマンスを出しています。2016年位までは、米国株は最も低パフォーマンスだったのです。これが、ぼくが今でも全世界株式インデックスに熱心な理由です。

さて、なぜわざわざ米国ETFでインデックス投資をしたのか、さらになぜVOOなどの著名ETFではなく、ブラックロックのIVVとかEEMなのでしょうか?

特定口座もまともな投信もなかった

実は2007年当時は、特定口座で外国株式を買うこともできず、まともな投資信託もありませんでした。

 

「初のネット向け、ノーロードインデックス」をうたったeMAXISシリーズが登場したのはなんと2009年です。登場後は、eMAXISで積み立てを続けたのですが、やっぱり僕の原点はIVVとEEM、EFAなのです。

portstation.emaxis.jp

噂に聞くバンガードの低コストETFの登場もこの頃です。

実はVOOよりVTのほうが先なんですよね。そして待ちに待ったVTの登場で、当然ぼくもVTを買い付けました。

 

eMAXISシリーズも、ラインアップが揃ってきたのは2010年を超えてからです。

  • 2011年3月 eMAXIS 新興国株式インデックス
  • 2011年4月 eMAXIS 新興国株式インデックス
  • 2017年4月 eMAXIS Slim先進国株式インデックス
  • 2018年7月 eMAXIS Slim米国株式
  • 2018年10月 eMAXIS Slimオールカントリー 

先の2兆円を超えたeMAXIS Slim米国株式も、登場は2018年。まだ5年しか経っていないのです。

 

この頃も、初期からのインデックス投資家の間では「信託報酬の高い投信を売却してeMAXIS Slimを書い直したほうがいいのか」「税金を払うことを考えるとそのまま持ち続けたほうがいいのか」けっこう議論になったことも覚えています。

 

そして特定口座で外国株式が買えるようになったのは、2013年でした。

  • 2013年12月16日 特定口座開始

ちなみに2014年までは、株式譲渡益に対する税率は10%でした。この当時、10%から20%に税率が倍増するにあたり、「いったん売却して買い直す」「そのまま持ち続ける」のどちらが有利か、かなりブログ界隈で議論があったのを覚えています。いまのNISA制度のスタートに向けて、特定口座のポジションを売却して買い直すか? という議論にも似ていますね。

 

ちなみにぼくは、このときに多くの株を売却して益出しを行い、すぐに買い直しました。理論的には持ち続けたほうが良かったのですが、当時はそういう気分でした。ただ、IVV/EEM/EFAのインデックス3点セットは、そのまま一般口座で持ち続けています。

いい時代になった

ぼくがインデックス投資を始めた当時は、ドル円も100円を切っていて、株価も上昇し始める前で、いま振り返ればインデックス投資を行うには最適なタイミングでした。まぁ完全に後知恵ですけど。

 

ただ商品や制度的には、外国株の売買コストは高いわ、投信の信託報酬は高いわ、NISAどころか一般口座しか使えないわ、かなり厳しい状況でした。

 

それに比べると、ETFを使うまでもなく外国税額控除も考慮され配当も出さないインデックスETFを、超低コストで購入できるようになった現在は隔世の感があります。さらに、新しいNISA口座では年間360万円も購入できる。もうこれがベストソリューションであり、何も議論も悩みも不要です。なんていい時代になったものでしょう。

 

と、そんなことを「eMAXIS Slim米国株S&P500」の純資産総額2兆円超えのニュースを見て思ったのでした。

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