不定期連載として、現在保有しているポートフォリオの中身を紹介していきます。現在ポートフォリオ内のシェアが最も大きいのが、こちらS&P500に連動するインデックスETFのIVVです。
- S&P500 ETF IVV
- Amazon テンバガー銘柄
- 新興国 ETF EEM
- ゴールド 金
- 全世界株式VT
- 総合債券ETF BND
- 未来の勝者Google
- 今でもチャレンジャーFacebook
- 孤高の高配当 ARCC
- 北米除く先進国インデックスのEFA
- ワールドコンピュータ、Ethereum
2000年5月設定の老舗ETF
いまでこそ、S&P500インデックス連動ETFは、インデックス投資の定番中の定番で、各証券会社でいろいろと取り扱っていますが、ぼくが投資を始めた頃はまだまだレアな存在でした。
当時の米国株は一般口座のみ。また低コストなインデックスETFで知られるバンガードがS&P500連動ETFのVOOを国内で設定したのが2010年9月です(楽天証券取り扱いは10年12月)。ということで、当時S&P500にドル建てで投資しようとしたら、ステート・ストリートのSPYか、ブラックロックiシェアーズのIVVという感じ。SPYは1993年設定と歴史のあるETFで純資産額も大きいのですが、経費率の高さがちょっとネックでした。
「インデックス投資なら経費率重視」という当時でも定番の考えから、IVVを選択しました。当初はそこそこの高さだったIVVの経費率もバンガードVOOと競う形で下がってきており、2020年6月末には0.03%まで小さくなっています。ちなみにSPYは現時点でも0.0945%とライバルより3倍近いコストです。
たぶん、IVVを持ち続けている人は、初期からインデックス投資をやっていたベテラン勢が多いんじゃないかと思います。
リーマンショック直前と回復期に買付
ではこのIVVをどんなタイミングで買ったのか。現在330ドルを超えているIVVの価格ですが、買付タイミングとそのときの価格は次の通りです。
- 2008年4月 133ドルで買付
- 2011年8月 116.6ドルで買付
- 2012年11月 140.28ドルで買付
- 2013年11月 178.16ドルで買付
- 2013年11月 177.32ドルで買付
- 2013年11月 179.54ドルで買付
約10年でちょうど2倍に
ばらつきはあれど、だいたい10年弱保有してきているわけですが、現在までの評価損益は+102.54%。つまりちょうど2倍になりました。ざっくり年率(CAGR)7%ちょっとで成長してきたことになります。まさに手本となるようなインデックス投資ですね。全額ではないですがリーマンショックもコロナショックも含めての成績なので、インデックス投資を目指す人には心強いのではないでしょうか。
もちろんこれは基準価格の変化であり、別に配当も受け取っています。この期間に受け取った配当額の累計は、現時点のIVV評価額の11.5%。それほど大きくはありませんが、小さくもありません。受け取った配当はIVVには再投資せず、別の銘柄を買い付けてきました。
なぜ売らないで来れたのか
さて、インデックス投資の最大の難しさは投資し続けることです。タイミングも図らない、ひたすら買うだけ、売らない。これは言葉だけ見ると簡単なように感じますが、実際は非常に難しいんですね。
S&P500インデックス投資のように、リーマンショック以降ずっと右肩上がりで増加している場合でさえ、タイミングによっては怖くなって売ってしまう人が多いものです。ではなぜ売らないでここまで来れたのか。
1つはこれが一般口座だということです。自動的に税務処理をしてくれる特定口座とは違い、一般口座の場合、売買の損益は自分で確定申告する必要があります。この数年こそ毎年確定申告をしていますが、2000年代はそれが面倒&怖かった。そのために、つい売るのが億劫になってしまい、今に至るというわけです。
2つ目は、そうはいっても金額がそこまで大きくなかったということ。ポートフォリオの中で最大の規模だとはいっても、全体の10%にも達していません。例えインデックスであっても、1つの銘柄の比率があまりに大きくなると怖くなるものです。ぼくの場合、比率というよりも絶対額なのですが、増加しすぎると、ちょっと売っておこうかという気持ちになります。
3つ目は、それなりに配当が出ていることです。論理的にはキャピタルゲインとインカムゲインを区別する必要はないと考えていますが、それはつまり、売却しなくても利益を配当として少しずつ受け取っているということでもあります。現時点での過去12ヶ月配当利回りは1.93%。投資額の約2倍に規模が成長しているので、投資額から見ると約4%の配当を受け取り続けている状況です。売却して利益を確定しなくても、自動的にこれだけの利益を配当として受け取っているわけです。
IVVの中身を改めて
IVVはいわずとしれたS&P500インデックスです。つまり、その中身は米国を代表する500社を、時価総額加重平均で集めたものになります。その中身はどのようなものでしょうか。
トップはAppleの6.5%、続いてMicrosoftの5.8%、そしてAmazon4.8%、Google3.2%、Facebook2.3%、そしてバークシャー・ハザウェイ1.5%です。上位22.5%はいわゆるGAFAM。ぼくはAmazon、Google、Facebookは単体で持っていますが、AppleとMicrosoftは保有していません。このIVVを介して、この2社にも投資しているということになります。
持っていない、ということはつまりAppleとMicrosoftについては、ここまで成長するとは思っていなかった、ということです。にも関わらず、これだけの量を保有できている。それはひとえにインデックス投資だからなし得たことだということです。
今後のIVV
正直、VOOの取り扱いが始まったときには、より経費率の安いVOOへ乗り換えの誘惑もありました。でも、ふたをあけてみれば、IVVもしっかりと追随して、0.03%という低コストな経費率になってきています。これは、100万円投資して年間300円というコストです。自動的に買付をして時価総額に合わせて調整もしてくれて、このコスト。あり得ないくらい低コストですね。
先にも書いたように、それなりの配当も出し続けています。そして米国経済の未来を楽観はしていませんが、暴落するという未来も想像はしていません。そして何よりIVVが壊滅したとしても、ポートフォリオに占める割合は10%を切っています。
一方で、IVVへの新規投資もおそらくしないでしょう。インデックス投資を始めた当初から、米国集中型ではなく全世界インデックス志向でした。そのため、この何年かは基本的にVTを買い付けており、今後も新規買付はVTになる見込みです。
ということで、ほかの資産の多くを取り崩したあと、最後の最後に売ることになるのがこのIVVでしょう。バフェットじゃないですが、永久保有銘柄だということです。