FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

「インデックス投資ナイト2023」に行ってきた 新NISAのコードネームは「デス・スター」

「インデックス投資ナイト 2023」に参加してきました。2008年から16回目となる今回ですが、実は参加は初めて。これまでも何度か、行きたいな? と思っていたのですが、チケットが取れたことがなかったのです。

 

直近3年はコロナの影響でオンラインのみだったのですが、今回は4年ぶりのオフライン開催。いやぁプログラムもよければ、二次会も素晴らしいイベントでした。

新NISAのコードネームは「デス・スター」

プログラムで特に面白かったのが、金融庁で新NISAを担当した今井利友氏のセッション。新NISAは、5年ほど前に検討がスタートし、当時のコードネームは「デス・スター」だったとか。

 

というのも、一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAと種類が増えてしまったNISA制度を統合し、「これが完成すれば帝国軍はすべてを統一できる」デス・スターのような制度だということで名付けたそうです。

 

一度は「二階建てのNISA」案も登場し、かなり紆余曲折あった感じでしたが、最終的には、生涯で1800万円の枠を持った仕組みに決まりました。

実は、この総額1800万円というのが難物だったそうです。だってそう、考えてみてください。NISAは1年毎に別の証券会社に口座を変更できます。ところが、以前の投資分は以前の証券会社がそのまま管理するわけです。

 

つまり、

  • 1年目:SBI証券
  • 2年目:楽天証券
  • 3年目:松井証券
  • 4年目:GMOクリック証券

なんてことが起こり得ます。つまり各証券会社とは別に、金融庁管轄でこの人がいま何万円分を保有しているかが管理できなければいけません。さらに、売却があった場合は枠の再利用が可能です。つまり売却額も随時管理しなくてはなりません。

 

正確には金融庁ではなく国税庁が次の図のようなシステムを運営するわけです。

金融庁・国税庁 クラウドで非課税枠管理 新NISA口座変更しやすく | ニッキンONLINE

 

でもこれ、普通に考えてたいへんというか責任重大というか、本当にできるの? って思いますよね。ユーザーごとにユニークなIDを振って、漏れや重複が無いように残高を管理しなくてはなりません。

 

こういうのを国がやってよく失敗してたよな……というので思い出すのは、「消えた年金問題」の公的年金や、他人とひも付けしまくって問題になっているマイナンバーカード。なかなかユーザーごとのIDで管理するというのは難しいのです。

 

でもこれがなんとかできるということで、新NISAの実現に至ったとか。ただ今井氏によれば、3つの制度を統合するはずが、ジュニアNISAが取り残されたのは心残り。ジュニアNISAもなんとかしたいと頑張っているそうです。

 

こうしたNISAのような制度は、要するに税収が減少する制度なので、国としては、特に財務省としてはやりたくありません。毎年各省庁は「税制改正要望」という形で財務省に提案を行い、これが通れば実現するという流れです。例えばつみたてNISAのときは、「総額1200万円の枠(60万x20年)で要望したが、結果600万円になってしまった」など、財務省との綱引きなわけです。

今回は政権の後押しがあったこともあり、かなりの税収減になる=減税になる形で制度の導入が決まりました。総額1800万円は、金融庁から要望したのではなく政治主導で決まったそうで、今井氏も驚いたそうです。

いろんな人に会えた

今回は主催者のみなさんをはじめ、いろいろな方にお会いできたのが本当によかったです。このところ、Twitterでのやり取りも活発になってきていたので、Twitter上でだけやりとりのあった多くの方々に、初めてリアルでお会いしました。

 

優待、太陽光、不動産、日本株、FIRE済み、米国株、オプションなどなど、いろいろな投資家のオフ会に顔を出していますが、それぞれのカラーはかなり違います。一口に投資家といっても、考えていること雰囲気は、投資対象ごとにガラッと異なる感じ。

 

インデックス投資家は、合理的でクレバー、投資自体よりも人生を楽しんでいる人が多い印象でしょうか。だって、二次会でもほとんど投資自体の話は出ないんですよ。もちろん、新制度とか低コストな新商品とか、そういう話題はあるにせよ、各々の意見を戦わせるという雰囲気ではありません。

 

各自合理的に判断してインデックスを投資のメインに据えたけれど、投資手法はいろいろで、別にインデックス以外に投資していてもそれはその人の判断。他人がああだこうだいう必要ないよね、という、まぁ精神的に大人な人が多いのです。

 

年齢層と性別が多様なのもいいですね。優待とかFIRE済みとかのオフ会は、まぁ当たり前といえば当たり前ですが、みなさん相当な資産を持っているので、年齢も相応に上で、男性が多め。年代や境遇が似ているので、それはそれで話が弾むのですが、多様性があるのも楽しいものです。インデックス投資家は、資産額に関係なくインデックス投資家なので、いろいろな方々がいて、これがまたいい。

 

最後に、ガンを患っている山崎元氏が登壇して話してくれた、「自分が合理的な投資家であることに自信とプライドをもって、インデックス投資家でいてほしい」という言葉がとっても胸に染みました。

 

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