日経マネー2023年12月号にて、取材いただき、別冊「がっちり儲かるETFガイド」に掲載いただきました。
個人投資家のETF活用事例
「個人投資家のETF活用事例」ということで、インデックスETFから債券ETFまで、取材いただいた内容をまとめていただきました。感謝です!
ただ申し訳ないことに、米国債の近況は酷いものです。記事では「米国債上昇にロックオン中」と見出しをつけていただいているのですが、実際には"米国金利が上昇中”。つまり、米国債はガンガン値下がりしています。
実際にぼくが持っているIEF(7-10年債ETF)、TLT(20年+債ETF)、TMF(TLTの3倍レバ)の年初来推移を見ると、すごい感じ。特にTMFは年初からちょうど半額です。
価格で見ると
これは純粋な株価推移なのですが、もう少し実際の投資家にとっての意味合いを表す数字として、配当再投資+円建てで見るとどうなるでしょう? それがこちら。IEFは配当のプラス効果と円安効果のダブルで、+2.8%とプラス圏に浮上しています。TLTとTMFは相変わらずダメですね。
3倍レバは増価している
さて、ここでちょっとおもしろい話を。インバースETFとかレバETFは減価するから不利だとよく言われます。これはこの手のETFが先物を使い、日次で(順張りの)リバランスを行っていることから起こることです。
逆張りのリバランス(ポートフォリオ比率を一定にあわせる)が、レンジ相場でプラス効果をもたらすのと同様に、順張りのリバランスはレンジ相場では減価します。逆に、一方向に動く相場では、順張りのリバランスはプラス効果をもたらすのです。
つまりレバETFは順張りのリバランスを日次でやっているので、直近のような一方向に相場が動く場合は、投資家にとってポジティブな影響をもたらします。
下記は直近6カ月のTLTとTMFの推移です。TLTが▲19.39%に対し、TMFは▲53.12%。2.73倍にしかなっていません! まさに減価しないでプラスの効果が確認できました(配当調整後)。焼け石に水のような気もしますけど。
ほかの期間も計算してみると、このように一方向へトレンドが形成されるとレバは3倍よりも小さくなることが分かります。逆に、レンジが続くと倍率はマイナス方向に大きくなるわけです。