FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

ブラックロックがビットコイン現物ETFを申請 先物ETFと何が違うのか?


6月15日に米資産運用最大手のブラックロックが、ビットコイン現物ETFの承認申請を米証券取引委員会(SEC)に提出しました。ビットコイン現物ETFは、これまで数多くの運用会社が申請していますが、いずれも認可が降りていません。一方、ブラックロックの過去の申請は、576中575個が承認されています。

 

SECの仮想通貨に対する逆風が吹き荒れる中ではありますが、今回はビットコイン現物ETFが承認される可能性は高いと見られています。これで何が変わるのでしょうか?

先物ETFは多数承認、現物ETFはこれまでゼロ

まずビットコインについては、グレイスケールなどが大規模な投資信託を運用しているほか、先物ETFについては多数承認されています。では、今回”現物ETF”が承認されるとしたら、その意味は何なのでしょうか。

 

SECは、先物ベースのビットコインETFを数多く承認しているものの、グレイスケール(Grayscale)、ヴァンエック(VanEck)、ウィズダムツリー(WisdomTree)など複数の資産運用会社のビットコインETFの申請を却下している。

ブラックロックのビットコインETF申請、これまでとの違い | CoinDesk JAPAN | コインデスク・ジャパン

一つは現物ETFが直接ビットコインに投資することです。先物価格はいろいろな要因で現物価格と乖離しますが、現物ETFならば現物価格を直接反映します。また、先物には満期が存在するため、先物ETFには満期を乗り換えるロールオーバーという操作が発生します。このロールオーバーコストがかかるほか、限月ごとの価格の違いによって、コンタンゴによる減価が発生する可能性があります。要するに先物運用はコスト高なのです。

 

もう一つはリスクです。先物契約は相手先がある契約になるため、相手が契約を履行しないカウンターパーティリスクが存在します。現物ETFではそれはありません。

なぜ先物ETFだけが承認されてきたのか

ではなぜ現物ETFは承認されず先物ETFが承認されてきたのでしょうか。理由は大きく3つ考えられます。

 

1つは適切に規制された市場かどうかです。FTXの破綻もあり、SECは仮想通貨取引所への規制が適切とは考えていない節があります。一方でビットコイン先物は伝統のあるシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)で取引されており、市場に対して高い信頼性を持っています。

 

2つ目は価格操作です。SECは現物ETFの却下理由として価格操作の可能性をあげています。CMEにはサーキットブレイカーの仕組みがあり、極端な価格変動を抑えることで価格操作を防止できます。

 

3つ目は投資家保護です。先物契約は他の商品や株式にも使われている仕組みで、基本的に差金決済であり、他の先物と同様のレベルで安心です。一方で、現物ビットコインは、秘密鍵で管理され、ハッキングや紛失のリスクを本質的に持っています。

 

現物ビットコインはこうした問題を抱えているため、SECはETF承認に消極的だったと考えられます。

ブラックロックが出てくることの意味

ところが、今回現物ETFを申請したのはブラックロックです。ブラックロックは世界最大の資産運用会社であり、2020年秋の段階で運用資産額は10兆ドル(1400兆円)に達しています。

この最大手の運用会社が、米取引所大手のコインベースをカストディおよび価格データ取得先として利用します。これはブラックロックがコインベースを一定、信頼できるものとして認めたということでもあります。

 

つまり、今回はブラックロックだからこそ申請が通る可能性があり、そしてブラックロックがビットコイン現物ETFを実現したら、ビットコインについては大きなポジティブ材料になるということです。

冬の時代を脱するか

現在仮想通貨は冬の時代にあります。昨年のTera/Luna、セルシウス、そしてFTXという3たびのクラッシュによって、規制は強化され、仮想通貨への信頼は落ち込みました。しかし、2024年の春にビットコインは4度目の半減期を迎えます。

 

ビットコインはその半減期サイクルにおいて、半減期の前の年で数倍に上昇し、半減期後急激に価格が上昇するという動きを繰り返してきました。

このトレンドからいうと2023年は来年春の半減期に向けて価格が上昇し、2024年は大きな価格上昇が見込める年だということになります。果たしてビットコインは”冬”を乗り越えて次なる上昇に乗れるか? それを占うのが今回のブラックロックによるビットコイン現物ETFの申請だといえるのでしょう。

 

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