FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

ビットコイン、4回目の半減期突破は「システム正常動作を確認する儀式」

2024年4月20日、日本時間午前9時10分ころ、ビットコインが半減期を無事に通過しました。これはビットコインのマイニングに対する報酬が半分になるイベントで、ほぼ4年毎にやってきます。今回は4回目。これまでとの違いは何でしょうか。

これまでの半減期

ぼくが初めてビットコインを買ったのは、取引所の記録によると2016年3月のこと。5万円ほど入金して、計1BTCくらいを買ったようです。2回目の半減期は7月9日だったようなので、どうやら経験しているようなのですが、そこについては記憶もメモもありません。

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そこから4年。3回目の半減期は5月12日でした。当時のビットコイン価格は約100万円。2回目の半減期=5万円→3回めの半減期100万円と、約20倍になりました。そして4回目の半減期となる今日のBTC価格は1000万円。この4年間でだいたい10倍になったことになります。

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  • 2回目→3回目 20倍
  • 3回目→4回目 10倍
  • 4回目→5回目 ?倍

このように、半減期を超える度にビットコイン価格は大きく上昇してきました。これをチャートにすると下記の通り。縦軸対数には注意が必要ですが、要するにこれまでのトレンドでは、ここから500日で4.2倍くらいになることが見込まれています。

How Bitcoin Halving Can Affect the Crypto Stocks’ Bottom Line | Investing.com

半減期でなぜ価格が上昇する?

ではなぜ半減期で価格が上昇するのでしょうか? よく言われるのが「マイナーの売り圧力が減少するか」です。ビットコインの新規供給元はマイニングによる報酬ですが、これを受け取ったマイナーは売却して法定通貨を得ます。マイニングには機材や電力などを買う必要があるからです。つまりマイナーは恒常的にビットコインを売る側なわけです。

 

ところが半減期が来ると、マイナーが売れるビットコインが半分になります。これまで100受け取っていたものが50しか受け取れなくなるわけで、売れる最大量も半分になってしまいます。となると売り圧力が減り、需給バランスから価格が上昇するというものです。

 

マイナーから見ると、半減期を超えると一気に売上はほぼ半減するわけで、その前に手持ちのBTCを現金化するというニーズもあるでしょう。つまり半減期までの間は売り圧力が増大するというものです。下記は、マイナーから取引所へのBTC送金量の推移をプロットしたものです。黒がBTC価格、黄色が送金量です。

前回の2020年の半減期の直前に、マイナーから取引所への送金が急上昇していることが分かります。つまりこれによって、半減期前のBTCは売り超過になり、価格が抑えられていたようです。そして半減期後には、徐々に送金量が減少しています。売り圧力が減り、それに伴ってBTC価格が上昇していることがよく分かります*1

 

ただ半減期というのは4年ごとに確実に起こる出来事です。定められた未来です。経済学的には、将来起こるとわかっている出来事は、事前に価格に織り込まれると考えるほうが自然です。

 

では半減期到来の意味とは何か? ある国内取引所は「ビットコイン半減期とは、ビットコインシステムが正常に動いていることを確認する儀式だ」といいます。ビットコインの価値は、アルゴリズム通り半減期を迎えて増加量が半減するという点に支えられています。ところがマイナーからすると、売上が半減するわけで困った仕様。そしてビットコインのアルゴリズムは、かかわる人の合意があれば変更できるものでもあるのです。

 

そんな中、アルゴリズムが改変されることなく、みんなの想定通りに供給量が半減することを確認するイベント。つまりビットコインシステムが正しく動いていることを確認するのが半減期の意義だというわけです。これによって、わずかでもあった不安要素が払拭され、ビットコインの未来が価格に織り込まれていく。こんなふうに思うこともできそうです。

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*1:なお4回目の今回は、マイナーからの売り増加が起こっていません。これはこれまでとの大きな違いでしょう。