FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

初めての仮想通貨 何を買う? どこで買う?

ビットコインが750万円を超えてきました770万円を突破しました。ドル建てだと5万ドル突破。いずれも最高値まではまだ遠いものの、4月に見込まれる半減期に向けてぐんぐん上昇が期待されます。そんな中、「ビットコインを買いたい!」という声をちらほら聞くようになりました。

 

もし今から初めてビットコイン(または仮想通貨)を買うなら、どこでどのように買うのがいいのでしょうか。考えてみました。

何を買うのか

未だに仮想通貨=怪しいと思う人がたくさんいると思います。だからすべてダメ!と短絡的に考える前に、仮想通貨にはいくつかの種類があることを押さえておきたいところです。安心確実な順に、下記のようになります。

  1. すべての仮想通貨の起源であるビットコイン
  2. CFTCがコモディティ(商品)だと認めたビットコインとイーサリアム
  3. 国内取引所に上場している仮想通貨
  4. Binanceなど海外取引所に上場している仮想通貨
  5. 未上場仮想通貨

ビットコインはすべての仮想通貨の起源であり、仮想通貨全体の時価総額の約半分を占めています。初心者は特に、仮想通貨を買うならビットコイン一択だと考えていいと思います。100倍、1000倍は狙えなくても、今からでも長期で10倍くらいは十分に可能性があるのではないでしょうか。

 

(2)のコモディティかどうかというのは、運営が分散化されているかどうかに近しい内容になります。よく仮想通貨は分散化されていて運営者がいない……なんて喧伝されますが、実態としては運営しているグループがいるものがほとんどです。その中で、ビットコインとイーサリアムだけが、特定の運営する団体は存在しないとの見方が強くなっています。

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運営者がいるということは、それが詐欺にも使われるということを意味します。投資家にコインを売りつけて、そのお金を得た運営者が逃げる。典型的な仮想通貨詐欺ですが、少なくともビットコインとイーサリアムについては、それは考えなくて大丈夫でしょう。

 

次に安心できるのは(3)の国内取引所に上場している仮想通貨です。これは日本暗号資産取引業協会(JVCEA)が自主審査した仮想通貨で、グリーンリストとしてまとめられています。27種類が国内で取り扱われています。ここに載っているからといって安心だとは言い切れないし、リストから落ちる銘柄もあります。ただ現時点では他の仮想通貨に比べれば、怪しさはましだと考えていいでしょう。

 

最後に(4)の海外の取引所に上場している仮想通貨です。これはもう、数限りなく上場されています。海外取引所でさえ取り扱われていない仮想通貨は、ほぼ間違いなく触らないほうがいいという感じ。100%詐欺だとはいいませんが、詐欺の可能性が高いものが数多く含まれていると考えていいと想います。

 

というわけでまとめると、

  1. 何はともあれビットコイン
  2. それ以外ならイーサリアム
  3. もっとマイナーなものがよければ国内取引所で扱われている27種
  4. さらに変わったものがいいなら、せめて海外取引所で扱われているもの

ということになります。仮想通貨の詐欺は、何を買うかによってほぼ未然に防げます。少なくともビットコイン/イーサリアムであれば、詐欺ということはないので、まずはこれを候補にするのがいいでしょう。

どこで買うか

続いてどこで買うかです。これもいくつか選択肢があります。

  1. 国内取引所
  2. 海外取引所
  3. DeFi

海外取引所を使う場合、日本円では買えないのでクレジットカードを使うか、手元の仮想通貨を送金しなくてはなりません。ただ、金融庁は日本人が海外取引所を使うことがないよう、常時取引所に圧力をかけています。以前は使えた多くの海外取引所が、最近は日本人の締め出しを始めています。またクレカ利用もどんどん制限が課されてきています。もはや海外取引所をファーストステップとして使うのは現実的ではなくなってきました。

 

DeFiの場合はもっと厄介です。例えばDeFiのUniswapはクレカ使った仮想通貨の購入サービスを始めましたが、日本からは利用できなくなっています。

そんなわけで、日本人にとっては国内取引所に口座を開き、日本円を入金して購入するというのがほぼ唯一の選択肢となってしまいました。

 

まぁ一応、ほかにも手に入れる方法はあります。もともとこうした送金が個人間で容易にできるのが仮想通貨の最大の特徴だったのですが、最近ではほとんど見なくなりましたね。もしニーズがあるなら、ぼくに対面で会ったときにご相談ください。

  • ビットコイン自動販売機(国内ではすべて撤去済み)
  • 対面で売ってもらう(または代金を仮想通貨で受け取るという方法も)
  • 自分でマイニングを行う

どの国内取引所を選ぶか

ではどの国内取引所を選ぶかです。正直、検索やブログはこの情報が全くアテになりません。高額なアフィリエイトによる汚染が著しく、取引所の評価ではなく口座開設誘導の報酬目当てのコンテンツばかりになってしまっているからです。

 

本稿ではアフィリエイトは行っておらず、そのため口座開設へのリンクも設置しません。ご自身で検索して口座開設を行ってください。

 

さて考えなくてはいけないのは、次の4点です。

  • 運営の安心度
  • 入出金手数料
  • 手数料と売買スプレッド
  • 入出庫可能な先

運営の安心度

まず国内取引所はいずれも金融庁のとんでもなく面倒な審査をクリアしており、一定のセキュリティと一定の経営安全性は担保されていると考えていいと思います。18年のコインチェック事件のようなことは、起こりづらくなったはずですし、それがもとで顧客資産が戻ってこないということも考えにくい。でも、万が一の際に、母体が十分な体力があることが安心につながります。

  • コインチェック マネックスG(東証上場)
  • bitFlyer bitFlyer社(未上場、独立系)
  • ビットバンク ビットバンク(未上場、独立系)
  • メルコイン メルカリ(東証上場)
  • GMOコイン GMOグループ・GMO(東証上場)
  • DMMビットコイン DMMグループ(未上場)
  • SBI VCトレード SBIグループ(東証上場)
  • 楽天ウォレット 楽天証券グループ(未上場、楽天Gグループ)

bitFlyerの直近(22年12月期)の業績は売上が73億円、純利益は21億円の赤字、純資産は250億円でした。ビットバンク(22年12月期)の業績は売上が9400万円、純利益は19億円の赤字、純資産は107億円でした*1。これら各取引所の業績は、JVCEAで公開されています。

jvcea.or.jp

入出金手数料

続いては手数料を見ていきましょう。ネット証券は日本円の入出金コストゼロが普通ですが、仮想通貨はけっこう費用と取るところが多いのは注意です。

また仮想通貨の最大の特徴は、取引所や金融機関に依存せず、個人で管理(しようと思えば)できることです。それには手元のウォレットに送金する必要があるのですが、これが意外と高い。例えば、コインチェックは0.001BTCの費用がかかります。単価750万円なので、これは7500円に相当すると考えると、その高さが分かるでしょうか。

 

取引所手数料もわかりにくいですね。まず仮想通貨については、取引所との相対取引となる「販売所」とユーザー同士の売買をマッチングさせる「取引所」があります。販売所は、購入価格と売却価格の差、つまりスプレッドが非常に大きく、マイナーな仮想通貨では10%近く離れていることもあります。つまり、取引コストを抑えるなら取引所を使うのが基本です。

 

取引所の手数料はbitFlyerのように約定額の一定率というところもあれば、メイカーとテイカーで変えているところもあります。メイカーというのは指値注文です。そしてその指値にぶつけて購入する=成行注文がテイカーです。つまり指値注文を行えばマイナスの手数料となり、成行注文なら手数料を支払う形です。

 

こうなっているのは、メイカーが指値注文を出すことで板が厚くなり流動性が高まるから。参加者がそれほど多くない取引所では、このようにしてメイカーを優遇し、流動性を高めているわけです。

 

このようにしてみると、そもそも取引額が大きく流動性が高いbitFlyerは一つの選択肢です。ビットコイン送金手数料も3000円程度でそこまで高くはありません。また、それぞれが無料のGMOコインとSBI VCトレードもやはり選択肢です。コストコンシャスでいくならこの2社でしょう。

入出庫可能な先

最後に、ビットコインを送金しようとしたときの送金可能な宛先についてもチェックしておく必要があります。というのも、国際組織FATFが定めたトラベルルールに対して、金融庁はリーダーシップを発揮できず、各取引所が勝手なシステムを実装した結果、国内の取引所間で送金ができなくなってしまったからです。

 

システムには「TRUST」と「Sygna Alliance」という2種類があり、互換性がありません。そのためTRUSTを導入した取引所同士、Sygna Allianceを導入した取引所同士でしか送金が行えないのです。

  • TRUST導入取引所
    • Coinbase
    • Binance US
    • BitMEX
    • Kraken
    • Crypto.com
    • GEMINI
    • Coincheck(コインチェック)
    • bitFlyer(ビットフライヤー)
  • Sygna Alliance
    • GMOコイン
    • DMM Bitcoin
    • bitbank(ビットバンク)
    • Zaif(ザイフ)
    • SBI VC Trade
    • LINE BITMAX(ラインビットマックス)
    • Rakuten Wallet(楽天ウォレット)
    • BitTrade(ビットトレード)
    • OKCOIN JAPAN(オーケーコインジャパン)
    • MEXC Global

このトラベルルール、リストに載っている国以外への送金は自由にでき、手元のウォレットへの送金も自由に行えるという、甚だ実効性に疑問しかないダメルールです。

日本、アメリカ合衆国、 アルバニア、 イスラエル、 カナダ、 ケイマン諸島、 ジブラルタル、 シンガポール、スイス、 セルビア、 大韓民国、 ドイツ、 バハマ、 バミューダ諸島、 フィリピン、 ベネズエラ、 香港、マレーシア、 モーリシャス、 リヒテンシュタイン、 ルクセンブルク

トラベルルール対象国

そのため、例えばCoincheckからSBI VCにビットコインを送ろうと思ったら、Binanceグローバルや手元のノンカストディアルウォレットに一旦送金して、そこから再度SBI VCに送るという無駄なことをしなくてはなりません。

 

唯一、SBI VCが「TRUST」と「Sygna Alliance」の両方を導入して、どちらとも送金を可能にすると計画を発表しています。これにはとてもとても好感を持ち、ぼくの資産は随時SBI VCに移すつもりでいます。

結局どうすればいいの?

というわけで、けっこう深く突っ込んだ記事になりましたが、結局初心者が今から仮想通貨に手を出すならどうすればいいのでしょうか。下記は、もし僕がいまから仮想通貨を買うなら? という場合の一案です*2

  • 国内取引所であるSBI VCに口座を開く
  • ビットコインとイーサリアムを半分ずつ買う
  • 少なくとも5年は放っておく

今でこそ年間で倍増しているビットコイン価格ですが、落ちるときの下がり方も半端ありません。3分の1くらいまで平気で下がるのです。ただこれはボラティリティが高いだけで、本質的にビットコインが終わったということを意味しません。

 

というのはビットコインは株式や債券のように収益性は基本的にはなく、つまり収益をベースにした本質的な価値は計算しようがないからです。そのため、需給や思惑で激しく価格は上下します。ただ価格が下がったといっても、通貨の3つの機能と呼ばれる交換機能、価値保存機能、価値尺度機能が失われたわけではありません。単に一時的に下がっただけです。

 

ビットコインの予言の書のストーリーによれば、ビットコインの価格はこれからもどんどん上がり続けます。これが信じられる人だけがビットコインを購入すべきでしょう。数年で売却してはいけません。ビットコインの半減期は4年に1度、やってきます。少なくとも5年間は保有してみましょう。

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逆に、ビットコインが無価値になるシナリオとしては、根幹の暗号やPoWに欠陥が見つかった場合というのが一つ。これは一瞬で無価値になって終了するリスクがあります。もう一つは、利用者が徐々に減って過疎化し、ジリジリ価格が落ち続けるというものです。これはマイナーな仮想通貨でしばしば起こる現象です。ただしビットコインとイーサリアムについては、利用者が増えることはあっても減少することはないと考えていいでしょう。

 

そんなわけで、750万円はまだ過去最高値を更新さえしていません。ここからビットコインの本番です。本質的な価値が測れないものだから、みんながほしいと思えばそれだけ上昇するビットコイン。関心を持っている人の助けになれば幸いです。

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*1:bitFlyerもビットバンクも直近の1年は特に業績が悪かったようです。その1年前はけっこう良かったのにね。

*2:ちょっと前はGMOコインを愛用していました。その前、というか最初期はCoincheckとbitFlyerがメインでした。