FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

クルマを高値で売却する方法

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クルマを乗り換えようと思っています。ずっと欲しくて買ったクルマで、5年ほど楽しく乗りましたが、まぁ家族環境も変化するわけで、仕方ありません。となると、いかに今のクルマを高く売って、新しいクルマを安く買うかなわけですが、さていかに。

中古車の流通の状況

普通、クルマを乗り換えるので売るとなると、新しい車を買ったところで下取りに出すか、中古車事業者に買い取ってもらうかです。ところが、この買取価格は相当幅がでるものなのですね。

 

ざっと検索すると、買取価格はそのクルマを販売するときの価格の6割から9割。もちろん、買い取ってからの整備費用もあるでしょうが、10〜40%程度のマージンが乗っていると考えるべきでしょう。

 

なぜここまでマージンが大きいのか。その一つは、中古車というものが俗に「レモン」と言われるように*1、質の善し悪しがたいへん分かりにくい財だからです。

 

買取側からすると、見た目がいいのに買ってみたら中身がボロボロで、整備にもお金がかかる。それをうまく売ったとしても、買い手からクレームを受けてしまいます。となると、けっこう大きめのマージンがないと、最終的な利益を確保できません。

中古車流通の歴史

そんな中で、売り手としたらどうしたら最も高い価格で売却できるでしょうか。

 

もともと新車に乗り換える際にはディーラーに下取りに出すのが普通で、ディーラーは独立系の零細中古車販売業者に流していました。中古車販売業者は、先のレモン問題はもちろん、一台仕入れたら売れるまでは資金がロックされます。その分、マージンを大きくしないとやっていないというビジネスでした。

 

ところが、1970年代にはオークション形式での取り引きが始まり、1980年代には大規模なオークションが普通になってきました。1990年代にはガリバーインターナショナルに代表される「中古車買取専門店」が登場します。これは、オートオークションに流すことを前提にクルマを買い取り、すぐさまオークションで売りさばくことで、在庫を持たず、薄利多売で稼ぐというビジネスモデルです。

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中古車流通産業:新しい事業形態の出現の歴史

 

ユーザーからすれば、中間マージンが減るわけで、売るときは高く売れ、中古車を買う側からすれば安く買えるというありがたい状況になってきました。さらに、カーセンサーやグーなど、中古車情報サイトでクルマを探すのが普通になり、さらに中古車選びは買い手主導型に変わってきています。

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さらに昨今では、大手の中古車販売業者が、ユーザーからの買い取りに本腰を入れてき始めています。これまでの中古車販売は、多くが零細業者だったわけですが、大手が資本力とブランドを武器に、中抜きにかかっているというわけです。

 

さらにディーラー自身も中古車販売に力を入れ始めています。3年の最初の車検の際に引き取ることを前提とした残価設定ローンがその一つ。中古車を自ら仕入れることは、中古車価格の安定にもつながり、また新車購入をリピートしてもらうための武器にもなるということです。直近でも、トヨタが自前でオンラインの中古車販売サイトを立ち上げたのがニュースになっていました。

少しでも高くクルマを売る

さてこんな中、少しでも高くクルマを売るにはどうしたらいいのでしょうか。シンプルにいうと方法は2つです。中間マージンをできるだけ少なくする流通に乗せるか、少しでも高く買ってくれるユーザーを見つけるかです。

 

 

まず、中間マージンを少なくする方法は、流通構造を変えるか、買取業者の利益を削ってもらうかのどちらかになります。例えば、最近流行の兆しのある「委託販売」は、販売店の店頭にクルマを並べてもらい、売れた場合に、その金額の5〜10%程度を販売的に支払うという形です。この場合、中間マージンはこれだけしかかかりません。

 

もう一つは買取業者間で競争してもらう方法です。昨今は買い取り競争も激化しており、中古車査定サイトにクルマを登録すると、直後に複数業者から大量の電話がかかってきます。これをうまく活用する方法です。

査定をオークション化する

まず前提として、全く同じクルマでも買取の査定額は大きな差が出ます。これは中身の良し悪しを見分ける能力が違うこともありますが、販売力の違いでもあります。そのため、1社にだけ査定してもらって、その価格で売ってしまってはいけません。

 

最低でも3社、できれば6社くらいに見積もりをとるべきです。ぼくの場合のベストプラクティスは次のようになります。

  • 実車見積もりの日程を1週間後くらいに設定する
  • 複数社に同日同時間に来てもらって査定してもらう
  • 相見積もりであることを事前に伝える
  • 交渉は受け付けない、最も高い値のところにその場で決定する、と伝える

なお、買えなかった業者は無為に時間を使わせてしまうことになるので、車検証情報やクルマの状況などについては、あらかじめペーパーにして渡しておきます。あとは、来るも来ないも業者次第。相見積もりで勝てる腹積もりがあるなら、価格で勝負すればいいし、不安なら来ない手もあります。実際、10社くらいにお声がけして、数社は「相見積もりなら降ります」とそれだけでギブアップでした。

ほとんどの業者は事後交渉に持っていく

ほとんどの業者は、こう言います。「うちの査定を最後にしてください。これまでよりも高い見積もりを出します」。これはつまり、価格決定権をウチにくれ、という話です。一見するとこれまでよりも高い見積もりを出すということで、よさそうに聞こえます。でも、よく考えてみてください。これは、他社より高い額の提示を約束したわけではないのです。

 

あらかじめ腹にしまってある価格よりも、他社が提示した金額のほうが安ければ、上乗せして提示することで買い取りできます。逆に、他社のほうが高ければ、「残念ながらウチにはそれ以上出せません」といえば終わりなわけです。これなら、最初からマックスの金額を提示してもらったほうが、お互い交渉に時間と労力を使わないで済みます。

 

また、いったん査定額を提示しておきながら、もし他社がこれを上回る提示をするようなら連絡してください。がんばります。というのも、常套句です。これも理屈は同じです。つまり他社の動向を探りながら、少しでも安く買い取ろうとしているわけです。

 

業者にとっては、買取価格の差がそのまま利益ですから、頑張るのはよく分かります。ただし、こちらにとっても買取価格の違いはそのまま利益です。ここは完全な利益相反であり、複数社を競わせることで、なんとか売り手のほうが優位に立てるというわけです。

 

そのため、「一番高い価格を提示したところに確実に売る」「事後交渉は一切しない」ことをペーパーに記して渡すようにしています。ここで、出せる最大額を書かなければ、終わりですよ――というわけです。さらに、査定額と業者名を紙に記載して渡してもらいます。この額は、他の業者には決して見せません。

業者間談合も

この方法はかなりうまくいき、以前の売却の際には、実に最低額と最高額で相当の差が付きました。1台目のときは実に50万円以上の違い、2台目のときは20万円以上の違いです。

 

ただ、クルマのものによっては、業者がお互いに談合するという話も聞くようになりました。つまり、あらかじめ業者間で打ち合わせて、どこが買い取るかを決めて、安く買い叩くというものです。普通のクルマでガリバーなどの大手が参加している相見積査定では、さすがにこういうことはないと思いますが、ものによってはさもありなん、という感じです。

包み隠さず悪いところもいうこと

さて、高値をつけてもらうための方法としては、相手に不安感を与えないということがあると思っています。例えば不具合があるような箇所は、事前に正確に伝えておくべきですね。相手もプロなのでそれなりに見抜きますし、見抜けないようなところは何かあるかもしれないという不安の分だけマージンを大きく、つまり安い査定をしてきます。

 

どこか1つの買取店に行って、言われたままの査定額で売ってしまうというのは、まあ楽ちんです。面倒なことはありません。それでも、ひと手間かけるだけで数十万の差が簡単についてしまうのも事実です。

 

大企業では、何を外注するにも相見積もりが基本です。そうでないと普通は稟議が通りません。個人でも、少しでも安く(高く)したいと思ったら、相見積もりが重要な方法です。手間はかかるものですが、クルマのような高額な商品の場合、やってみるのもありでしょう。まとめて同時に査定をしてもらえば、実はかかる時間はほとんど変わりません。

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*1:レモンは皮が厚くて中身の見分けが付かないことから、中身のが悪くても良い商品に見せかけて売ることの典型といわれているそうです。