新生銀行のATM手数料無料廃止で、そろそろ次の銀行を探さなければ……と思い、改めて各ネット銀行の状況を調べています。その中で、重要条件の1つが、ATM手数料無料です。 各銀行の対応状況をまとめました。
ATM対応状況
まずはATMの対応状況について。ATM無料引き出し回数も重要ですが、どのATMで使えるかも大事です。いざ下ろそうとしたら「お取り扱いできません」と出るのは困ったものだからです。
- 住信SBIネット 2〜15回 3メガバンク利用不可
- ジャパンネット 1回(3万円以上は無料) 三菱、みずほ利用不可
- 楽天銀行 0〜7回 三井住友利用不可
- ソニー銀行 4回 みずほ利用不可
- auじぶん 3〜11回(ゆうちょは最大1回) みずほ、三井住友利用不可
- イオン銀行 1〜5回 セブン利用不可
意外なことに、コンビニATM、メガバンクATMのそれぞれで、利用できないところがけっこうあるんですね。表にまとめると次の通り。実は、フルに対応しているのは新生銀行だけです。
最も利便性が高いコンビニATMで「X」があるのはマイナス要素です。auじぶん銀行の「イオン銀行利用不可」はまだいいとして、イオン銀行がセブン-イレブンで使えないのは致命的です。
メガバンクATMは各社各様。住信SBIは全滅だし、意外なところが意外なメガバンクで使えません。ネット銀行の多くはメガバンクの資本が入っているので、その絡みもあるのでしょう。実は新生銀行は本当にどこでも使えて素敵です。
入金に目を向けると、さらにいろいろ制約が増します。
- 住信SBIネット 無料 3メガバンク利用不可
- ジャパンネット 1回(3万円以上は無料) 三菱、みずほ利用不可
- 楽天銀行 0〜7回(3万円以上は無料) 三井住友利用不可
- ソニー銀行 無料 みずほ利用不可
- auじぶん 無料(ゆうちょは最大1回) みずほ、三井住友利用不可
- イオン銀行 1〜5回 セブン、三井住友利用不可
- 新生銀行 無料 3メガバンク利用不可
表にすると次のとおり。オレンジ色にしたのは、引き出しはできるが入金はできないところです。新生銀行はメガバンクATMでの入金ができなかったんですね。10年以上使っていて、これには気づきませんでした。
ATM無料回数
続いてATM無料回数です。下記は、月間無料引き出し回数をまとめたものです。色が違うのは、各社の優遇ステージによって無料回数が変わるから。いろいろと特徴があることが分かります。
まずジャパンネット銀行は3万円以上であれば回数制限なくATMから引き出せます。細かく引き出す性格でもないので、「常に3万円下ろす」と決めておけばそれほど戸惑いません。意外といいですね。
ソニー銀行はランクを上げれば回数制限なく引き出せますが、優遇プログラムでプラチナを取る必要があります。プラチナは外貨預金や投信残高で1000万円が必要となり、ほかにも選択肢がある中、ちょっとここのランク上げは厳しい条件です。
新生銀行はやはり制限無しで良かったのですが、ゆうちょとメガバンクが有料になるので、やっぱり厳しいですね。ゆうちょATMはファミマにも導入されており、入ってみたらゆうちょATMだった!というのは洒落になりません。
auじぶんは11回と回数は悪くないのですが、ゆうちょに関してはランクに関係なく月1回というのがいただけません。意外と地方ではゆうちょしかないという場合があって、ここは生命線だったりします。
住信SBIはランク3まで上げれば7回無料となり、現金を使うことが減っている昨今は十分でしょう。楽天銀行もスーパーVIP(残高300万円)までいけば7回なので、候補に成りえます。
預け入れ回数の注意点
あまり使うことはないのですが、ATMでの預け入れについては注意点がいくつか。
- 楽天銀行は預け入れも無料回数を消費
- ジャパンネット銀行は3万円未満は有料
- じぶん銀行は預け入れもゆうちょ1回だけ
- イオン銀行は預け入れも無料回数を消費
ここも、「常に3万円以上」とおぼえておけばいいジャパンネット銀行はいいのですが、ほかはちょっと危険です。楽天銀行はマックスで7回しか無料回数がないのに、預け入れで無料回数を消費するのはいただけません。
とはいえ、引き出しに比べて預け入れの重要度は低いので、あまり重要ではありませんね。
ATMの特殊機能
最後に、ATM関係の特殊機能を。キャッシュレスが大いに進展した2020年からは、現金が必要でATMでお金を下ろすということがほとんどなくなりました。となると、気になるのはキャッシュカードです。ぼくは財布を薄くしたいと思っている人なので、キャッシュカードをなくせれば、大きな進展です。さらにいうなら、財布レスにできればなおいいですね。
そこで気になるのが「スマホATM」です。これはスマホアプリを使ってATMから現金を引き出せるというもので、まさにキャッシュカードいらず。もともとじぶん銀行がサービスを提供していたのですが、10月29日から住信SBIネット銀行でも同じサービスが始まりました。
住信SBIネット銀行の「アプリでATM」とじぶん銀行の「スマホATM」は、いずれも対象ATMがセブン銀行とローソン銀行です。もしキャッシュカードを持ち歩かないなら、この2つのコンビニだけで現金を下ろすことになりますね。
さて、もともとの生活費決済口座の変更を考えたのは、新生銀行がゆうちょとメガバンクでATM有料化に変更したためでした。セブン銀行とローソン銀行は引き続き無料です。スマホATMを使って、もしセブン銀行とローソン銀行だけを利用するように変更したら、引き続き新生銀行を使っても変わりません。ただし、地方に出るときや、スマホATMだけではいざというときに不便だ……と感じたらキャッシュカードを持つという選択もできます。
ATM手数料無料から見た選択肢
さて、ATM手数料の面から総合的にどの銀行がよいか評価してみましょう。前提として、下記の5点をおきます。
- 滅多に現金は使わない
- 預け入れについてはほぼしない
- いざというときのためなので対応ATMは多いほうがいい
- 手数料無料以外使うつもりなし
- 財布は薄いほうがいい
まず対応ATMで考えると、イオン銀行は消えます。セブン-イレブンで使えないのは致命的です。ぼくの自宅の最寄りにあるのがセブンということもあります。また、新生銀行はゆうちょが有料なのが致命的です。
手数料無料を前提とすると、ソニー銀行とauじぶん銀行も消えます。ソニー銀行は上位ランクに達しないと無料回数は4回、じぶん銀行は「ゆうちょが1回だけ」という制約が大きいからです。
すると残るのは、住信SBI、ジャパンネット、楽天です。期せずして、ネット銀行の有名所が残ることになりました。それぞれのメリット、デメリットは次のように考えています。
- 住信SBI アプリでATMが便利。無料最大15回は安心。/ メガバンク全滅はいたい
- ジャパンネット 無料回数制限なしはいい
- 楽天銀行 3行の中では対応ATMが最も多い /無料7回にするには最大ランク維持が必要
さて、これでATM周りの評価が終わりました。次回は、重要条件の2つ目、振込手数料についても無料前提で見ていきます。
↓続編です。