FIer: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIerを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

昨今の株価を動かす“金利” FOMCに振り回される

このところ、米国株式相場が荒れていますね。上がったり下がったりは相場の常ですが、短期の値動きには大体において材料があります。いまの材料は、まぁ“金利”です。

米国の動向に振り回される株式

言うまでもなく、世界株式の時価総額の約半分は米国株式です。そして、米国株式はコロナショック後ずっと上昇してきていますが、それはトランプ政権からバイデン政権へと続いて行われてきた金融緩和でした。

 

米国がくしゃみをすると日本が風邪を引く——。そんなふうに言われるように、米国株式が好調ならだいたいにおいて日本株も悪くありませんが、米国株が崩れると日本株も崩れます。

 

そして世界経済の注目点の一つが、米国の金融緩和の状況なわけです。金融緩和の道具の1つが政策金利、もう1つが量的緩和です。いずれもコロナ過において落ち込んだ経済の回復のために、アクセルが踏まれましたが、いま注目されているのは、いつそのアクセルが緩められるか? になります。

米国のインフレ懸念

金融緩和が行われれば、経済の回復は進みます。今回はコロナ禍という疫病が原因だったため、ワクチンの接種状況も大きなポイントだったわけですが、こと米国においてはその接種状況も大いに進展しました。そして、雇用統計こそまだ完全回復には至っていませんが、企業業績は全体として大きく回復。

 

となると、気になるのがインフレです。日本ではCPIコアがインフレの指標とされることが多いですが、米国の金融政策担当者が見ているのはPCEコア。これが、4-6月に2.5%まで跳ねました。現在のところ、エコノミストの予想値は、ここから1年程度は2%台が続くだろうというものです。

 

教科書的には、インフレ懸念が出てきたら金利を引き上げて加熱を冷やすのがセオリーです。2000年代に5%程度あった米国金利は、リーマンショックを受けて0%近辺まで低下。その後の経済回復を受けて、16年からは段階的に引き上げられてきました。19年には2%台まで戻したのです。その後、再び引き下げられ、コロナショックでゼロ金利(0.25%)状態まで引き下げられました。

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ゼロ金利状態ではさらなる引き下げも行えず、つまりコントロールが効かない状態です。経済の正常化に伴い、どこかでわずかでも引き上げたいところですが、そのメッセージは市場にネガティブに働きます。

 

6月16日のFOMCで起こったのがまさにこれでした。当初の想定よりも利上げ時期を繰り上げる意向の委員が増え、2023年の2回の利上げが示唆されたのです。

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今回はこれがショックとなりました。もともと、このFOMCは量的緩和の減速を示すテーパリングがいつ行われるかが焦点でした。ところが、早期利上げが示唆されたことがサプライズとなり、そこに市場が反応した形です。

 

ぼくが6月10日にアナリストの話を聞いたタイミングでは、下記のような想定だったようです。

  • 2022年のテーパリングは市場はもう織り込んでいる
  • 利上げは早くても2023年末に1回が限界

ところが、今回2023年の2回の利上げを市場が織り込んだ。それが株価調整の原因とみられています。

金利上昇はそもそも経済好調ではなかったか

このように、現在の株価は政策金利に振り回されています。ところが、上記のドットチャートを見ても分かるように、2023年についてのメンバーの見方にはかなりのバラツキがあります。

 

メンバー同様に市場関係者の見方も、現在はバラバラです。米長期金利も、17日のFOMC直後こそ、1.4%台から1.6%超えまで急騰しましたが、その後ジリジリと下落。21日には1.3%台まで落ち、そこから再び1.5%近くまで戻すなど、不安定な動きです。

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しかし、中長期で見た場合、どうでしょうか。現在は政策金利が上昇する見込みが立つと、それを先取りして長期金利も上昇(=つまり債券は下落)し、併せて株価も下落するという流れになっています。

 

しかし本来は、株価と債券価格は逆相関の関係にあるというのが、教科書的な説明です。特に景気回復局面ではそうです。景気が安定して回復し、テーパリングが見えてくると、再び逆相関の正常な関係に戻るのではないか? というのが、1つの見立てです。

 

つまり、政策金利の上昇に伴い長期金利もジリジリと上昇、つまり債券価格は低下。そして株価もジリジリと上昇という流れです。

まさに調整なのかもしれない

ショックはあれど、株価は上がり続ける。それは実際に起きています。下記はこの5日間のS&P500の推移です。FOMCショックで急落したものの、21日に入って急回復したのはご存じの通りです。

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そして直近1年間で見ると、35.93%もの上昇となっています。2020年6月末のS&P500はすでに3000ドルを回復しており、これはコロナショック直前の2019年末の水準です。つまり、コロナショック前を回復したのちに、さらに36%も上昇しているということになります。

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FOMCショックみたいにいわれはするものの、こうしてチャートを見ると、ほとんど何の変化もなく一本調子で上昇してきているのが分かります。そして過去5年で見ると、コロナ前の上昇ペースから、さらに加速しているようにも見えます。

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これは巡航速度だともいえますし、金融緩和によって支えられた上乗せ部分がそこそこあるともいえるかもしれません。いずれにせよ、いまのところ米国経済は順調に回復してきており、それに従って株価も上昇している。多少上乗せされている部分が、テーパリングや政策金利利上げで剥がれ落ちるとしても、それこそまさに調整でしょう。

 

米国金利とインフレ率には注意を払いつつも、インデックス投資家としては悩まずにホールドを続けるという感じです。

 

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