FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

実は子どもの居場所検知に使えるAirTag

4月に発売されたAppleの「忘れ物防止タグ」のAirTag。数ヶ月使ってみたのですが、これがかなりいいんです。Appleは「あくまで紛失防止のためのもの」としていますが、子どもに持たせているカギに付けたところ、結果的に子どもの居場所を把握できるデバイスになりました。

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 デバイス間通信を行うAirTag

忘れ物検知タグは、以前からさまざまなものが出ていて、実は5年ほど前に1つ買ったことがあります。しかし、なくしたときにデバイスから音が出せるくらいしか実用性がなく、あまりメリットを感じていませんでした。

 

でも今回AirTagの購入に踏み切ったのは、日本のスタンダードとなっているiPhoneと通信して、居場所などもしっかり分かる仕組みになっているからです。

 

AirTagは、近くにいるときは音を鳴らすこともできますし、iPhoneが密かに搭載しているUWB通信機能を利用して、位置と方向を表示させることもできます。

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そして遠くに行った場合、その場所を地図に表示してくれます。あれ? GPSが付いているわけでもないのに、どうして場所が表示されるの? そのキモは、iPhoneとのデバイス間通信にあります。

 

AirTagが、誰かのiPhoneの近くにあると、AirTagとiPhoneはBluetoothで通信し、その位置をiPhoneがiCloudに送信します。AirTagのユーザーは、その情報を使って、場所を特定できるというわけです。いわば、無数のiPhoneが通信の基地局となって、各所にあるAirTagの場所をアップロードしてくれているわけです。

 

これはすごい。この仕組みが成り立つには、iPhoneが無数に稼働していて、かつOSレベルでその仕組みが組み込まれている必要があります。日本ではiPhoneのスマホシェアは50%超。国内の3.9-5Gの契約数は1億5437万契約となっており、ものすごい数のiPhoneが日本各地に無数に稼働しています。そのため、どこかにAirTagを付けたものを置き忘れても、近くをiPhoneユーザーが通れば位置情報が通知されるというわけです。

ヒトを追跡できないAirTag

あまりの高機能ゆえに、AirTagにはセキュリティやプライバシーに配慮した機能が盛り込まれています。

 

1つは、AirTagが持ち主のiPhoneから離れた位置にある場合、音が出るという仕組み。2つ目は、自分のものでないAirTagが近くにあり続けた場合、iPhoneに通知が来るという仕組みです。これによって、例えばストーカーが相手のカバンにAirTagを仕込んで追跡することを防ぐとされています。

 

これは事実で、他人のアカウントに紐付いたAirTagを持ち歩いていると、1日くらいでiPhoneに通知が来ます。ただ、「追跡されていますよ!」というような強いメッセージではないので、これが出ても「なんだろう?」と思ってしまう人が多いような印象です。

子どものカギに付けておいた

我が家では、家の鍵をしばしば紛失してしまうので、これを防ぐために各カギにAirTagを付けています。家族がそれぞれカギを持っているので、カギとともにAirTagが移動することになります。

 

子どもが持っているカギ+AirTagの組み合わせでは、出かけたときにぼくのiPhoneと離れていることになるので、追跡防止機能によってアラートが鳴り響いたら嫌だな……と思っていたのですが、実は日常使うくらいならばこのアラートは鳴りません。

 

いろいろ試したユーザーさんのレポートを読むと、紐付けたiPhoneとAirTagが離れて3日から4日経って始めてアラートがAirTagが鳴るようです。

 

ということはどうなるか。全くの他人を追跡するのならともかく、基本的に毎日家に帰ってくる家族であれば、カギを持って外出しているとき、どこにいるのかがiPhoneの「探す」アプリで確認できることになるわけです。

 

子どもの見守り機能の需要はけっこうあって、キッズケータイにはたいていGPSを利用した位置確認機能がオプションで付いています。「もう7時なのに、まだ帰ってこない。大丈夫かな? 電話したのに出ないし……」。こんなときも、AirTag付きのカギを持たせていれば、どこにいるのかが地図で確認できるというわけです。

推奨される使い方ではないが

まぁこの使い方は、持ち物の紛失防止目的ではなくて、副次的に居場所が確認できるというもので、Appleが推奨する使い方ではありません。ただし、iPhoneを持っていない子どもに持たせるカギにAirTagを付けておくと、こうなるという話です。

 

最大のメリットは、充電の必要なく1年くらいは使えるということ。通信はBluetoothと他人のiPhoneを使って行われるので、別途費用も発生しないということ。さらに、小型軽量で耐水性能も持っています。

 

デメリットは、誰かのiPhoneを通じて通信を行うので、人がいない場所、例えば山奥などにいた場合は、位置情報が更新されない可能性が高いことです。また、更新頻度も10分程度の模様で、リアルタイムに位置を確認できるわけでもありません。

 

それでも、キッズケータイのサポートとして使うには必要十分。4個で1万2800円、1個あたり3200円という金額をどう考えるかではありますが、個人的には買って良かったデバイスに入ります。

 

ちなみに、届いたAirTagはそのままでは使い勝手が非常に悪いのでご注意を。丸いアルミの塊なので、カギやらカバンやらに付けるには別途カバーが必須です。下記のような、革製やシリコン製のケースを買うことになります。1個あたり400〜500円の追加出費ですが、気に入ったモノを先に買っておくとすぐに使えますよ。