7月の総資産は、大きく増加してヒストリカルハイを更新しました。あれ? 相場は微妙だったのに? という感じですが、実はこれはストックオプションの行使によるものです。
ストックオプション
うれしい誤算なのですが、以前もらっていたストックオプション(SO)を行使しました。これによる含み益が、今回の大きな資産増加の原因です。こちらは、セミリタイア前の役員をしていたときに付与されたもので、役職を降りることで失効するような制約はなかったので、そのまま保有していたものでした。
これが行使できるようになるとはあまり考えていなかったのですが、いやは棚からぼた餅。もらえるものはもらっておくものです。
今回のSOは、付与時に当時の株価での行使が可能なものになっていました。SOというのは、「自社株を予め決められた価格で買う権利」なので、設定されている行使価格を株価が上回らないと利益になりません。つまり、付与の時から株価が上昇すれば、上昇分が利益になるものです。逆に、株価が上昇しなければ無価値です。ただし、株価が行使価格を下回ったときは行使しなければ損失はありません。
SOにはいろいろな手法がありますが、ぼくのSOは取得に費用が必要ないわゆる有償オプションです。そのための費用も当時払い込みました。ただし、単純なコールオプションではなく、行使にいくつかの条件をつけることで費用を抑える形になっていました。このようにして、オプション購入費用自体を限りなく低くするわけです。
まぁこれを行使することはないだろうな。前回のストックオプションに比べて付与量も小さいし……と思っていたのですが、まさかのコロナ禍が追い風になり、業績が急上昇。あれよあれよという間に大きく株価が上昇したのでした。
利益状況
さて、昨日時点の株価でいうと、なんと行使価格の3.5倍まで株価が上昇しています。つまり付与時から株価が3.5倍になっているということですね。これはかなりの含み益状態です。
SOの利益確定までの流れは次のようになります。
- SO付与 SO費用払い込み
- SO行使 行使価格の費用を払い込み、株式が付与
- 株式売却 行使価格との差が利益
- 利益に対して確定申告
何年かまえに(1)を完了させており、今回(2)を実行しました。このあと、(3)と(4)を済ませる感じです。
このSOを行使するにあたり、最初は行使価格相当の金額を振り込まなくてはなりません。そのためにけっこうな現金も必要となることに。いろいろと入り用*1だったので、この行使のための費用は野村Webローンから借り入れることで調達しました。
www.kuzyofire.com
ほとんどの人にとっては人生を変えるSO
さて、このSOがどのくらいのインパクトがあったのか。現在の総資産を、入金元別に分けて見たのが下記のグラフです。
今回行使したSOはSO3に当たりますが、総資産の11.1%に相当します。総資産のほとんどは運用益ではありますが、過去行ってきた貯蓄よりも、SOから得た利益のほうが大きいんですね。
SOはもらった量にもよりますが、ほぼノーリスクでかなりの利益を生むものです。特に上場を目指すスタートアップや、上場直後の企業では、キャッシュ流出を伴わない安価な報酬パッケージとして多用されます。ぼくの勤務先がまさにそうでした。
実は、過去に5回ほどSOの付与を受けています。そのうち、行使まで至ったのが3回。2回は行使条件に至らなかったり、株価が低迷したりして無価値になりました。
SOを期待しすぎるのも危険ですが、会社がうまく成長したときのSOはこのようにものすごいインパクトを持ちます。ぼくの場合、経営陣だったのでもらったSOも多かったのですが、一般社員でもSOを付与している企業は多いはず。友人は、入社直後にもらったものが、1年後の上場で1億円規模になっていました。個人的には、SOをもらえるような急成長企業に勤めることを勧めたいなぁと思ったりします。
さて、実は今回のSOを行使するに当たっては、多少の躊躇もありました。直近の2年ちょっとは、セミリタイアして責任者ではではなくなっていたからです。ぼくの成果ではないのに、これをもらっていいものか? ただ、直近の好業績も経営陣の力だけでなく、コロナ禍という環境変化がもたらしたものです。また、SO付与条件を見ると、一定期間が経てば退社していても行使が可能になっていました。SOはもらった時点で個人の資産となるわけで、条件的にも法的にも行使に問題はありません。まぁもらえるものはもらっておこう。そう思った次第です。
*1:太陽光発電所の初期費用の支払いもあったし、何より収益不動産の頭金を払ったのが大きい